そもそも冷凍とは?
冷凍とは「食料品などを、腐敗を防ぎ、長期保存するために、人工的に凍結させること」です。
冷凍は元の品質を長く保つ優れた保存技術です。冷凍を正しく活用すれば、食材をおいしく長く楽しむことができます。
さらに、食材をまとめて下処理してから冷凍すれば、日々の食事作りの時短にもなります。
そんな正しい冷凍における大事な「3つの基本」をご紹介します。
冷凍の基本①おいしい状態で冷凍する
意外と知られていませんが、冷凍における最も大事なポイントは「おいしい状態で冷凍する」ことです。
実を言うと冷凍とは、「良くも悪くも元の状態を維持する技術」です。つまりは元々の食材がおいしければ、冷凍・解凍後もおいしく食べられますが、元々おいしくない食材は、どんなに正しい冷凍をしても、それ以上おいしくはなりません。それだけ元の食材の状態が大事ということです。
おいしい状態で冷凍するには、■良い食材を選ぶ■早めに冷凍する■調理しておいしくしてから冷凍するなどのポイントがあります。
特に鮮度は大事です。余った食材を何日か経ってから冷凍すると、すでに鮮度が落ちたおいしくない状態で冷凍することになります。
できれば購入したときに、今日明日中に使える分量と使えない分量を判断し、使えない分量をその日のうちに冷凍するのが理想です。冷凍する判断をいつもより早めることを心がけてください。これだけでも「おいしい冷凍」を実現できます。
冷凍の基本②冷凍用保存袋やラップで空気から遮断する
冷凍庫の中は極度の乾燥状態!
実は冷凍庫内は-18℃以下という非常に低い温度のため、空気中の水分も凍り、極度の乾燥状態になっています。
この中に、もし裸のまま食材を入れてしまうと、食材の表面からどんどん水分が奪われて、干からびておいしくなくなってしまいます。
乾燥を防ぐために大事なのは「できるだけ空気を遮断する」こと。空気との接触面積を減らすことで、乾燥を防止します。そのための方法としておすすめなのが「冷凍用保存袋」と「ラップ」です。
厚みがあって、しっかり空気を遮断する「冷凍用保存袋」
冷凍用保存袋は、通常の袋より厚みがあるので、よりしっかりと空気を遮断することができます。保存袋に入れてからも、空気をしっかり押し出してから封を閉じるのがポイントです。
カットした食材はラップでぴったり覆って冷凍を
ラップは食材のまわりにぴったりと貼りつくので、表面の乾燥を防ぐことができます。カットして断面が見えているものは特にラップでぴったり表面を覆いましょう。
ラップで包んだ食材は、さらに冷凍用保存袋に入れて冷凍するとなお安心です。
そのほかにも、調味料などで味付けをしてから冷凍するのもオススメです。お肉なら醤油やみりん、野菜はマリネ液などに漬けてから冷凍すると、調味料の水分が食材のまわりにコーティングされて、表面の乾燥を防止することができます。
冷凍の基本③できるだけ早く凍結させる
冷凍するときは「できるだけ早く凍結させる」ことが大切です。
ダラダラと長い時間をかけてしまうと、食材の細胞中の氷が大きくなってしまい、細胞を傷つけてしまいます。そうすると解凍時にドリップと呼ばれる液体が、うま味や栄養分と一緒に流れ出てしまいます。
できるだけ早く凍結させるポイントとしては■粗熱をとる■薄く平らにする■保冷剤を上にのせるなどの方法があります。
特に「薄く平らにする」ことは大事なポイントです。ブロック状の塊のまま冷凍庫に入れてしまうと、冷気が中心まで伝わるのに時間がかかり、凍結するのに時間がかかってしまいます。
薄く平らにしてから冷凍庫に入れれば、冷気が均一に素早く伝わるため、より早く凍結させることができます。
冷凍保存したものは1か月以内に使い切ろう
家庭用冷蔵庫の冷凍庫の温度は-18℃以下に設定されていますが、この温度帯であれば食品を腐らせる原因となる細菌は増殖できません。
つまり、冷凍庫に保管をしておけば、基本的に食品は腐ることはありません。しかし、一般のご家庭では、冷凍庫の扉の開け閉めが頻繁に行われるため、冷凍庫内の温度が上昇します。温度が上昇してしまうと、中に入っている冷凍食材が部分的に解凍されてしまい、その際に細菌の増殖や品質の劣化が起きてしまいます。
そのため、ご家庭での冷凍庫での保管は、基本的には「1か月以内」を目安に使い切ることが大事です。冷凍したからといって安心せずに、使うことも大事です。
冷凍で手軽に豊かな食生活を!
冷凍技術を活かすことで、単に食材が長くもつだけではなく、おいしく、そして普段の調理の時間を短縮することもできます。
「仕方なく冷凍する」ではなく、ポジティブに冷凍を活用しましょう。冷凍を活かし、簡単で手軽に豊かな食生活を実現してください。
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