パンやヴィエノワズリーは使うバターで美味しさが変わる!
フランスでは、料理と一緒に食べるパンと、朝ご飯やおやつに食べる菓子パンで、明確な違いがあることご存じでしょうか? 特に後者は「ヴィエノワズリー」と呼ばれ、クロワッサンやパン・オ・ショコラ、クイニーアマンなど、日本でも人気のものが含まれます。
そんなヴィエノワズリーにとってバターはなくてはならない素材です。バターはヴィエノワズリーをやわらかでリッチな味わいに仕上げたり、味に深みを出したりしてくれます。その存在感は、すべての素材の中でも非常に大きいものです。
そのため、美味しいヴィエノワズリーを作りたいなら、バターの質の良し悪しにはこだわってほしいです。バターは乳のみで作られますが、例えばバター風味と記された加工品などは、乳以外の原材料を使ったものもあり、仕上がりや味に大きな差が出ます。特にクロワッサンなどのバターを折り込んで作るものは、冷めた後の味に差が出やすいです。ちゃんとしたバターを使った場合は、冷めても乳の芳醇な香りや風味がダイレクトに伝わり美味しく感じられます。
フランス産バターの魅力
そんなバターですが、日本とヨーロッパでは種類が若干違うことをご存じでしょうか? ヨーロッパでは、クリームを乳酸菌発酵させて作る「発酵バター」が主流で、日本では非発酵バターが主流。発酵バターと非発酵バターの違いは、風味や香りにあります。発酵させることでコクや風味が増し、ヨーグルトのような爽やかな酸味もほのかに感じられるバターになるんです! 特に乳製品の生産が盛んなフランスのバターは品質がとても高いと思います。私がパリでの修業中に、クロワッサンを食べ歩いたときにそう実感しました。
当時、パリにある50店舗以上のパン屋さんのクロワッサンをいろいろと食べ比べましたが、どのお店のクロワッサンもレベルが高く質の良いものでした。その理由はバターにありました。フランス産のバターは濃厚な味わいに加え、鼻から抜けるフレッシュな香りが抜群に素晴らしいです。
フランスには、いくつかの伝統的なバターに関して、その真正や安全性を保つために、ワインやチーズと同じく原産地呼称(AOP)制度というものが存在します。乳牛の飼育方法からバターを製造する工程が限定生産地域内で厳しく管理されているからこそ、AOP認定のフランス産バターはどれもハイレベル。乳本来の優しく甘い香りが豊かで口どけが良く、フレッシュ感たっぷり。そんなバターをたっぷり使ったヴィエノワズリーが美味しくなるのも当然だなと感じています。
フランス産バターで作るおすすめヴィエノワズリーレシピ
フランス産バターを贅沢に使用!折り込み生地で作るクイニーアマン
折り込み生地で作るクイニーアマンはバターの扱いが非常に重要です。バターの風味や香りが損なわれないよう低温での作業が求められます。フランス産バターは非常に伸びが良いため扱いやすく、折り込み生地のヴィエノワズリーに初めてトライする方も比較的挑戦しやすいですよ。
折り込みの際のバターは「やわらかすぎず、かたすぎず」がポイント。バターを指で軽く押したときに指の跡が残る程度のやわらかさにしてから折り込み作業をしていきましょう。
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「フランス産バターたっぷり!贅沢クイニーアマン」
口の中でとろける!バターシュガーブレッド
生地に練り込む用と仕上げ用にフランス産バターを使用します。練り込む用のものは常温に戻しておいたやわらかいものを使用しますが、仕上げ用には冷蔵庫から出したてのかたいものを使用します。そうすることで 焼き上がったときに、優しいバターの香りとフレッシュな風味の2種を楽しむことができます。
仕上げには、バターとともにグラニュー糖もまぶします。この甘みがバターのジューシーさとマッチしてとってもリッチな美味しさに!
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「フランス産バター使用!口の中でとろけるバターシュガーブレッド」
見た目も華やか!フランス産バターをたっぷり使って作るバターリース
基本の生地に常温に戻したやわらかなフランス産バターを多く練り込みました。生地にしっかりとバターがなじむまで練り込むことが重要です。大きいサイズで焼くことで中はふんわりとバターの香りや風味が生きており、外側はカリッとバターの香ばしさを味わうことができます。
見た目も華やかで、さらには小さく切り分けても食べられるのでパーティーなどでも大活躍! トッピングはドライフルーツ以外にも、チョコレートやナッツ類などもおすすめですよ。
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クリスマスパン!フランス産バターを使ったパンdeリース
日々の暮らしに上質なバターを
ヴィエノワズリーを作るとき、バターの質にこだわることで、きっとこれまでよりも仕上がりがぐっと良くなると思います。フランス産の上質なバターはヴィエノワズリー作りに使うだけでなく、トーストに塗って食べたり、スライスしたフランスパンに塗ってそのまま食べたりと、フレッシュなままでももちろん楽しめます。
朝食のパン、ランチに添えるフランスパンとバター、コーヒーブレイクのお供のお菓子。日常の中のいつもの食事やヴィエノワズリーにフランス産バターを取り入れることで、ちょっとだけ幸せ度が上がる気がしませんか? 小さな幸せも毎日続くと大きな幸せに。フランス産バターを試してみて、みなさんも「ちょっとの幸せ」をたくさん感じてほしいです。
sponsored by フランス全国酪農経済センター