圧力鍋って魅力が満載なんです!
こんにちは! Nadia Artistで、圧力鍋研究家のさいとうあきこです。圧力鍋が好きすぎて「この素晴らしさをたくさんの人に伝えたい!」と、圧力鍋の料理教室を主宰しながら、ブログやYouTubeで、圧力鍋のレシピや情報を発信しています。
圧力鍋って、角煮やシチューといった時間をじっくり使った料理を作るときしか使わない…という方は多いのではないでしょうか? でも、実は圧力鍋はいろいろなシーンで使うことができる万能アイテムなんです! 実際、大人4人家族の我が家では、日々のご飯作りに圧力鍋2台が大活躍しています。
メインのおかず作りはもちろんのこと、ご飯を炊くのも圧力鍋。料理に使う「だし」を取ったり、麦茶を沸かしたり。夏には枝豆やとうもろこしをゆでるのにも使うので、もはや圧力鍋なしでは我が家の食卓は成立しません(笑)。
今回のコラムでは、圧力鍋をすでにお持ちの方にはもちろん、圧力鍋がちょっと気になるという方にも、その魅力をお伝えしていきたいと思います♪
そもそも圧力鍋ってどんな鍋?
圧力鍋は、「圧力が高くなると沸点が上昇する」という法則を利用した鍋。普通の鍋では、水が沸騰する温度(沸点)が約100℃です。でも、圧力鍋は、鍋を密閉して、鍋内部で発生した水蒸気をためる仕組み。
その結果として、鍋内部の気圧が高くなり、沸点を120℃前後まで上昇させることができる、つまり圧力鍋は120℃前後の高温で調理ができる鍋なんです。※温度は、圧力鍋のメーカーや製品によって異なります。
調理する温度が高いほど食材に火が通るのにかかる時間が短くなるので、圧力鍋で調理すると、普通のお鍋に比べてぐっと時短できるのです。
でも、単に「時短」だけじゃありません。圧力鍋で調理することで、普通のお鍋ではなかなか出せない「味や食感」を出すこともできるのです。例えば、豚の角煮は、お箸でスッと切れるくらいにやわらかく、魚の骨は缶詰のようにほろほろに。にんじんは甘くなるから、お子さんが食べてくれるようになったり、ごぼうも噛みやすくなるので年配の方にも喜ばれたり。
普通の鍋と違う味や食感が出るって、ちょっと使いたくなりませんか?
圧力鍋は全部同じじゃない!?
圧力鍋は、高温で調理ができるお鍋だと説明しましたが、調理温度は、圧力鍋のメーカーや製品によって異なります。圧力の高さは、「kPa(キロパスカル)」という単位で表記されます。圧力の高さが違えば、加圧調理中の温度(調理温度)が変わります。
例えば、圧力の高さが70kPaなら約115℃。146kPaなら、約128℃。その差は13℃。揚げ物やオーブンでも温度が13℃違うと揚げ時間、焼き時間が変わってくるかと思いますが、圧力鍋の「加圧時間」についても同じことが言えるのです。
使う圧力鍋によって調理温度に差があるので、同じ加圧時間で調理すると、火が通り切らなかったり、逆に火が通り過ぎてホロホロになりすぎてしまったりと、仕上がりにばらつきが出てしまいます。
だからこそ、使うお鍋に合わせて加圧時間を調整することが、美味しく仕上げる秘訣なのです。加圧時間を調整する方法は、お使いの圧力鍋に付属のレシピ集を参考にするのがおすすめ。作りたいレシピに材料や切り方の大きさが似ているものを参考にするといいですよ。
同じレシピでも、使う圧力鍋によって加圧時間が変わります。そのため、私のレシピでは調理温度が異なる圧力鍋で作り比べて、加圧時間を確認しています。
こんなに簡単!圧力鍋の基本的な使い方
それでは、圧力鍋の基本的な使い方を簡単に説明していきますね。
1.圧力鍋に材料を入れる
まずは、圧力鍋の中に材料を入れます。圧力鍋で調理するときは、圧力鍋の容量の2/3以下(豆料理の場合は1/3以下)が「最大調理量」です。最大調理量は、材料だけでなく、調味料や水も含まれます。調味料を含む水分は、基本的に加圧時間10分以内なら1カップ(200ml)必要です。
2.圧力鍋を火にかける
圧力鍋の蓋を閉めて火にかけましょう。圧力の切替がある圧力鍋の場合は、お好みの圧力に設定してくださいね。
3.圧力がかかったら火力を弱める
沸騰して圧力がかかったら、圧力状態を保つ程度に火力を弱めます。おもり式の場合は、おもりの揺れが止まらない程度に火力を弱めましょう。加圧時間については、キッチンタイマーをかけて、しっかり計ってくださいね。時間になったら火を止めて、そのまま、圧力が下がるまで待ちます。
【ここがポイント!】圧力が下がるまでの時間は、「ボーナスタイム」です。火を止めているので、鍋のそばについている必要がなく、副菜や汁物を作ったりと、同時調理が可能です。また、圧力が下がるまでの間、鍋の中は100℃以上の高温から徐々に温度が下がりながら、調理が続いているのです。この「余熱時間」で食材にしっかりと火を通していきます。光熱費の節約にもつながりますね。
4.蓋を開ける
圧力が下がったら、手順通りに蓋を開けます。おもり付きの圧力鍋の場合は、おもりを外してから蓋を開けるのが一番安全な方法です。
5.料理を仕上げる
最後に、料理の仕上げを行いましょう。煮崩れしやすいじゃがいもなどはこの時点で一旦取り出して、カレーやシチューのルウや水溶き片栗粉など煮汁にとろみがつくものや、牛乳や豆乳もこのタイミングで加えてください。先ほど取り出したじゃがいもなどは、最後に戻すといいですよ。
お使いの圧力鍋の詳しい使い方は、必ず取扱説明書を参照してください。取扱説明書では、圧力がかかった状態の見極め方、どのタイミングでタイマーをセットすれば良いか、圧力切り替えの方法や火加減の調整方法まで、きちんと説明されています。
取扱説明書は、みなさんが安全にお料理を楽しむための「メーカーからのラブレター」。ラブレターなら、「読んでみようかな」と思いませんか(笑)?
初心者さんにおすすめしたい!圧力鍋を使った絶品レシピ
基本的な使い方が分かったところで、おすすめの圧力鍋レシピをご紹介します。初心者さんでも作れる簡単レシピばかりです! また、レシピには圧力鍋ごとの加圧時間の目安を書いてあるので、お使いの圧力鍋に合わせて作ってみてください。
たれが絶品!鶏手羽元の「甘辛ガーリック煮」
https://oceans-nadia.com/user/10164/recipe/455734
圧力鍋で煮込んだ鶏手羽元は、骨から身がスルッと外れます。鶏手羽元の加圧時間に合わせて、じゃがいもとにんじんは大きく切っています。甘辛ガーリック味のたれをご飯にかけて食べると、おかわりが止まりません!
【主な材料】
鶏手羽元
じゃがいも
にんじん
にんにく
醤油
ウスターソース
●詳しいレシピはこちら
【圧力鍋レシピ】鶏手羽元の「甘辛ガーリック煮」タレが絶品!
定番レシピから♪基本の肉じゃが
https://oceans-nadia.com/user/10164/recipe/423438
圧力鍋だと、じゃがいもが煮崩れてしまいそう…。なんだか味がぼんやりする…。そんな不安を解消するコツが満載のレシピです。今回のレシピは牛肉で作りましたが、豚肉でも同様に作れるのでぜひアレンジしてみてくださいね。
【主な材料】
牛薄切り肉
しらたき
じゃがいも
にんじん
玉ねぎ
醤油
●詳しいレシピはこちら
【圧力鍋レシピ】基本の「肉じゃが」・煮崩れしないコツ
ハードルがグッと下がる!五目豆
https://oceans-nadia.com/user/10164/recipe/456179
圧力鍋を使うと、豆料理のハードルもグッと下がります♪ 乾物の豆を圧力鍋でゆでると、驚くほど味が濃厚に! 豆は、ひと晩水戻しさえしておけば、数分の圧力調理でやわらかく仕上がります。圧力鍋で豆料理を作るときの基本と、圧力鍋別の加圧時間もあわせてチェックしてくださいね。
【主な材料】
大豆
干ししいたけ
ごぼう
醤油
砂糖
みりん
酒
●詳しいレシピはこちら
【作り置き】圧力鍋で「五目豆(大豆と根菜の煮物)」
人気の圧力鍋レシピ!牛すじ煮込み
https://oceans-nadia.com/user/10164/recipe/423435
圧力鍋レシピの中でも人気を誇る牛すじ煮込みは、牛すじがとろとろになる自慢の一品! ポイントは、牛すじの状態や使う圧力鍋によって、加圧時間を調整すること。高圧の圧力鍋の方が、よりとろとろに仕上がりますよ。
【主な材料】
牛すじ肉
こんにゃく
みりん
醤油
●詳しいレシピはこちら
【牛すじ煮込み】圧力鍋でトロトロ!
急冷がポイント!カラフルピクルス
https://oceans-nadia.com/user/10164/recipe/144848
圧力鍋は煮込み料理だけではありません! なんと一瞬でピクルスが作れちゃうんです。コツは、圧力がかかったら、すぐに火を止めて「急冷」して蓋を開けること。蓋を開けたあとは、すぐに別の容器に移して冷やすことで、シャキシャキのピクルスがあっという間に作れます!
【主な材料】
にんじん
大根
米酢
白ワイン
砂糖
塩
●詳しいレシピはこちら
【作り置き】圧力鍋で!カラフルピクルス
圧力鍋で簡単!基本のカスタードプリン
https://oceans-nadia.com/user/10164/recipe/115054
圧力鍋を使えば、プリンも簡単に作れちゃいます。圧力がかかったらすぐに火を止めて、そのまま10分以上待つだけ! すが入らず、なめらかに蒸しあがります。シンプルな材料で作る、昔懐かしい感じの王道プリンです。
【主な材料】
卵
牛乳
砂糖
バニラオイル
●詳しいレシピはこちら
圧力鍋でできる!?【基本のカスタードプリン】
いかがでしたか? 圧力鍋は、煮込み料理だけじゃなくて、普段のお料理やスイーツまで、思った以上にいろいろ活躍してくれます。
圧力鍋を上手に使うコツは、「お使いの圧力鍋の圧力がどのくらいなのかを知ること」と「取扱説明書をよく読んで、正しく使うこと」。
圧力鍋を使うことで、普通の鍋で作るよりも、グッと時短になり、省エネにも繋がります! そのうえ簡単に作れて、美味しくできちゃう! うれしいことがいっぱいです。使えば使うほど、圧力鍋の魅力を実感できますよ! ぜひ、お試しくださいね。