「お食い初め」とは?
お食い初めとは、古くは平安時代から行われている伝統行事で、赤ちゃんが「一生、食べることに困りませんように」という願いを込めてするお祝いです。「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれ、赤ちゃんの生後100日目前後で執り行うのが一般的です。実際に赤ちゃんが箸を使って食事をするわけではありませんが、はじめてお箸を使って食べさせる真似をすることから、「箸揃え」「箸祝い」などと呼ばれることもあります。
地域によって呼び方や形式が異なる場合もありますが、今回はお食い初めにおすすめの、基本的なお祝いの献立をご紹介したいと思います。赤ちゃんがいるご家庭では、お食い初めの際に参考にしていただけるとうれしいです。
基本の「お祝い膳」
お祝い膳は、日本古来の献立「一汁三菜」が基本で、汁物、焼き魚、煮物、香の物を用意します。必ずしもこうでなければいけないということではありませんので、地域やご家庭での習わしも取り入れつつ、アレンジして楽しくお祝いしてあげてくださいね。
【主食】赤飯
赤飯には邪気を祓い、魔除けの意味があるとしてお祝いの席で振舞われます。赤飯に使うささげと小豆は似ていますが、種類が異なります。小豆は煮ると割れやすいですが、ささげは煮ても割れにくく、食感もしっかりとしているのです。縁起を担ぐ意味で、今回は割れにくいささげを使いましたが、お好みのものを使用してください。
赤飯は作るのが面倒というイメージがあるかもしれませんが、炊飯器で手軽に炊けるレシピをご紹介していますのでぜひ参考にしてみてくださいね。また、地域によっては赤飯ではなく、おかゆや白米、栗ご飯やお餅が用意されることもあるようです。
【主な材料】
もち米
ささげ
ごま塩
●詳しいレシピはこちら
お祝いごとに!炊飯器で作る基本のお赤飯
【汁物】はまぐりのお吸い物
汁物は、はまぐりのお吸い物を用意するのが一般的です。はまぐりは、二枚貝がぴったりと重なり、対になっている貝以外とは殻が合わないことから、一対の貝のように良い伴侶に恵まれ、幸せになってほしいという願いが込められています。
【主な材料】
はまぐり
昆布
酒
三つ葉
●詳しいレシピはこちら
はまぐりのお吸い物
【焼き魚】尾頭付き祝い鯛
焼き魚は、「めでたい」にかけた縁起物の鯛が選ばれることが多く、尾頭付きのものを塩焼きにするのが一般的です。頭から尻尾まで一匹丸ごと調理することで、「首尾一貫」の意味から、長寿の願いが込められています。また、鯛の赤い色は厄払いや魔除けの意味もあるとされています。
魚の調理に慣れていない方は、スーパーの鮮魚コーナーで下処理をお願いするのも良いと思います。内臓やうろこを取ってくれるので、家での調理がラクになりますよ。また、一度に食べきれない場合は、身をほぐして鯛めしにしたりするのもおすすめです。
【材料】
真鯛
塩
酒
●詳しいレシピはこちら
お祝いごとに!鯛の塩焼き(尾頭付き)
【煮物】筑前煮
煮物には、おめでたい意味のある食材や旬の野菜を使うのがおすすめです。れんこんは穴が空いていることから、見通しがきくようにという願いが込められています。たけのこはまっすぐにすくすくと成長するようにという意味があります。子宝祈願を込めた里いもを使うのもおすすめです。また、紅白を表現するにんじんと大根を使うこともあります。にんじんはかわいらしいお花型にくり抜くと見た目も華やかに仕上がりますよ。
季節によってすべての野菜を揃えるのは大変だと思いますので、これらを参考に、手に入るもので作ってみてくださいね。
【主な材料】
鶏もも肉
干ししいたけ
にんじん
れんこん
里いも
●詳しいレシピはこちら
基本の筑前煮
【香の物】紅白なます
香の物は「香」と「幸」をかけており、お漬物であれば特に決まりはありません。季節の野菜などを漬け込んだ漬物を用意しても良いですし、紅白なますは縁起が良くて彩りもきれいなのでおすすめです。
【主な材料】
大根
にんじん
柚子の皮
塩
砂糖
米酢
●詳しいレシピはこちら
常備菜としても◎紅白なます
また、献立ではないのですが、生後100日前後では早い子だと乳歯が生え始めることもあり、丈夫な歯が生えるようにと願いを込めて「歯固めの石」を用意することもあります。石の代わりに梅干しやたこ、栗や紅白もちを使うこともあるようです。
男の子は朱塗り、女の子は黒塗りの漆器に料理を盛り付けるといった伝統もありますが、無理のない範囲で用意していただければと思います。
いかがでしたか? お食い初めにおすすめの基本的な献立をご紹介しました。地域やご家庭によってもいろいろなやり方があると思いますので、形式にとらわれずに、参考にしていただけるとうれしいです。赤ちゃんの健やかな成長を願いながら、一生に一度のお食い初めを家族みんなで楽しくお祝いしてあげてくださいね。
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