みんな大好き!「カルボナーラ」にまつわるいろいろ
マイルドな卵とチーズのソースに黒コショウがピリッと効いた絶妙な美味しさが特徴のカルボナーラ。カルボナーラは今や知らない人はいないパスタですが、そもそもどのように誕生したのでしょうか?
「カルボナーラ」の名前の起源
「カルボナーラ」の語源には諸説あります。
例えば、「炭焼き職人 (Carbonara)」が語源という説。「炭焼き職人が仕事の合間にパスタを作ったら、手に付いた炭の粉が落ちてこんな風になるのではないか」という想像から黒コショウを絡ませた「カルボナーラ」が生まれたという説。
ほかに、北イタリアのポレージネ地方が発祥地という説も。当時、この地域で活躍していた「カルボナリ(炭焼党…イタリアの秘密結社)」の功績をたたえる気持ちから、ポレージネ地方の人が名づけたとも言われています。
生クリームは本来入らない
生クリームを使うレシピは、もともと卵が固まるのを防ぐためのレストランの方法で、本場のローマでは入れません。ただ、家庭で作るには、生クリームを入れた方が簡単にできますので、おすすめの調理法とも言えます。作り慣れてきたら生クリームを使わない本格レシピにもチャレンジしてみてください。
パスタ・卵・生クリームのおいしい関係
究極の濃厚カルボナーラを作る前に、カルボナーラに必要なパスタ、生クリーム、卵についてご紹介します。まずはこちらの表をご覧ください。
パスタの製法とソースの絡みやすさ
パスタの製法には2種類あり、それぞれ「ブロンズダイス製法」と「テフロンダイス製法」と呼ばれています。
まず、「ブロンズダイス製法」のパスタは、ブロンズ(銅)製の抜き型で作られ、表面がざらざらしています。そのため、ソースが絡みやすく、パスタとソースに一体感が感じられる仕上がりになります。
一方、「テフロンダイス製法」のパスタは、テフロン製の抜型で作られ、表面がツルッとしているため、ソースと絡みにくくなります。
卵は全卵と黄身でどう違うのか?
卵は、全卵を入れるか、黄身を入れるかで濃厚さが変わってきます。
全卵を使った場合、白身が入ることになりますが、白身は加熱すると58度くらいから固まり始めて80度近くまで完全には固まりません。
その一方、黄身は白身より少し低い温度の65~70度前後で完全に固まるため、黄身だけ入れるカルボナーラの方が手早さなどのテクニックを必要とします。ただ、黄身だけ入れた方が濃厚なうま味が再現できます。
生クリームも使い分けを
生クリームには、「植物性」と「動物性」があります。
まず、「植物性」のメリットは、さっぱりとした味わいでクリームの色が純白なことです。「酸」にも強いのでレモンなどと合わせても分離しにくいです。
「ホイップクリーム」としてお手頃な価格でスーパーにも並んでいますので、家庭では使いやすいと思います。ただ、熱には弱く、煮込むと分離してしまうので注意が必要です。
そして、「動物性」のメリットは、何と言っても「リッチ感」です。熱に強いので煮込み料理などには最適です。ただ、「酸」に弱いので、レモンなど使う際は分離に気を付けてください。
究極のカルボナーラを作ってみよう!
理論がわかったらいよいよお店の味にも負けない究極のカルボナーラを作ってみましょう!
今回は、パスタは「ブロンズダイス製法」太さ1.7mmのスパゲッティー、卵は黄身のみ、生クリームは動物性のものを使用しています。
濃厚!本格クリーム・カルボナーラ
【主な材料】
スパゲッティー
パンチェッタ
オリーブオイル
白ワイン
卵
生クリーム
パルメザンチーズ
ブラックペッパー
●詳しいレシピはこちら
濃厚!本格クリーム・カルボナーラ
いかがでしたか? 作り方や材料を変えるだけで仕上がりに差が出てくるカルボナーラ。いろいろな組み合わせを試してお好きな味を見つけてみてくださいね。
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このコラムを書いたNadia Artist
料理研究家/テーブルコーディネーター 松尾絢子
https://oceans-nadia.com/user/12773