本格水炊きをおうちで楽しもう!
鍋に水やお湯を煮立たせて鶏肉と野菜などの具材を煮込み、ポン酢醤油につけて食べる鍋料理の定番「水炊き」。水と具材を煮込むだけのシンプルな料理ですが、家で作ると何だか味気ない、鶏肉もかたくてあまり美味しくない・・・など、悩みも多いのでは?
今回は、美味しい鶏肉の選び方から、「関西風」と「博多風」の2種類の水炊きレシピまでをご紹介。少しのコツで、ご家庭でお店で食べるような本格水炊きが楽しめますよ!
鶏肉選びが美味しさのポイント
鶏肉は豚肉や牛肉に比べて水分が多く、傷むのが早いのでできる限り新鮮なものを選ぶことが大切です。以下のものを選ぶようにしてくださいね。
1.肉の表面にハリがあり、弾力があるもの。
2.みずみずしく透明感があり。鮮やかなピンク色のもの。
3.鶏皮の毛穴がはっきりして盛り上がっているもの。
鶏肉から赤い液体の「ドリップ」が出ている場合は鮮度が落ちている証拠です。臭みの原因になるので、キッチンペーパーでしっかり拭き取るか、サッと洗って水気を拭き取ってから使ってくださいね。
「関西風」と「博多風」の水炊きの違い
水炊きには、鍋に水と昆布を入れてだしを取り、ひと煮立ちさせたあとに具材を入れて煮込む「関西風」と、水から鶏肉を入れてじっくり煮込み、スープを味わう「博多風」の2種類のバリエーションがあります。
ここからは、それぞれの美味しさが味わえる2つの水炊きの作り方をご紹介しますね。
基本の「水炊き」の作り方(関西風)
【材料(2〜3人分)】
鶏手羽元 200g
鶏もも肉(角切り) 200g
白菜 300g
長ねぎ 1本
にんじん 3cm
えのき 1株
しいたけ 2枚
豆腐 1丁
昆布 1枚(8×8cm使用)
水 1L
ポン酢 適量
<薬味>
柚子胡椒、柚子皮、青ねぎ、練りごま お好みで適量
<〆用>
温かいご飯 少なめに2〜3膳
卵 2個
【作り方】
<下準備>
・白菜は芯と葉の部分で切り分け、それぞれざく切りする。
・長ねぎは根元を切り落として5cmの斜め切りする。
・にんじんは洗って皮を剥き、5mm幅に輪切りして型で抜く。
・えのきは根元を切り落として手でほぐす。しいたけは軸を切り落として花形に飾り切りする。
【POINT】
・白菜は芯の部分と葉の部分で火の通る時間が異なるため切り分けます。
・水炊きは、鶏肉とたっぷりの野菜のうま味を楽しむのが醍醐味です。水菜や春菊、しめじ…など、お好きな野菜を入れて楽しんでくださいね。
1.鍋に水(分量外)を入れて火にかけ、沸騰したら鶏手羽元と鶏もも肉(角切り)を入れて1分茹でてザルに取り、ぬるま湯で洗って汚れや血合いを取る。
【POINT】
・美味しい水炊きのポイントは骨付きの鶏肉を使うこと。骨付き肉を入れることで鶏の骨髄に含まれるうま味成分がだしに出て、格段に美味しく仕上がります。今回使用した「手羽元」以外にも「鶏ももぶつ切り」や「手羽先」など、手に入る骨付き肉とお好きな部位を組み合わせてお好みの水炊きを楽しんでください。
・鶏肉はサッと下茹でし、洗って汚れや血合いを取ることで臭みを取ります。水で洗うと鶏肉の脂が固まるので、ぬるま湯で洗ってくださいね。
2.鍋に水と昆布を入れて火にかけ、沸騰直前に取り出す。
【POINT】
・昆布は濡らしてきつく搾った布巾で表面の汚れを拭いてください。
・昆布は加熱し過ぎるとぬめりが出るので、水から入れて沸騰直前に取り出すのがポイントです。
3.工程2のだしを250mlほど取り分け、鍋に鶏手羽元と鶏もも肉(角切り)を入れて蓋をして10分、鶏肉に火が通るまで煮る。
【POINT】
・だしは多めに作り、継ぎ足し用に取り分けておきます。
・鶏肉からアクが出てくるので、お玉ですくい取ってください(だしを沸騰させるとアクが集まり取りやすくなりますよ)。
4.白菜の芯の部分、にんじん、豆腐、しいたけを入れて5分煮、白菜の葉の部分、えのきを加えて3分煮る。ポン酢とお好きな薬味を添える。
【POINT】
・火の通る時間が異なる具材を時間差で加えることで、美味しく仕上げることができますよ。
シンプルな水炊きを美味しく味わうポイントは薬味です! いろいろな薬味を添えて楽しんでくださいね。
鍋は〆を楽しむ
1.網じゃくしで鍋に残った具材を取り除く。
【POINT】
・残った具材を取り除くことで口当たりが優しい雑炊を楽しむことができます。
・入れる具材はうどん、ちゃんぽん麺、そうめんなどお好みで楽しんでください。
2.温かいご飯をザルに入れて水でザッと洗い、水気を切る。卵を器に割り入れ、白身を切るように混ぜ合わせる。
【POINT】
・ご飯を洗って表面のでんぷんを流すことで雑炊がトロッとせずサラサラの仕上がりになります。
・卵が全体にふわふわに仕上がるよう、白身をしっかり切るように混ぜ合わせるのがポイントです。
3.だしを沸騰させ、穴じゃくしや箸を使って溶き卵を回し入れ、ご飯を加える。ポン酢とお好みの薬味を添える。
【POINT】
・ふわふわの溶き卵を簡単に作る裏ワザは「穴じゃくし」! 穴じゃくしに溶き卵を入れて回し入れると簡単にお店のようなふわふわ溶き卵ができますよ。菜箸で入れる場合は菜箸に溶き卵を添わせながら回し入れてくださいね。
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食べたら絶対驚く美味しさ!基本の水炊き【関西風】
だしを味わう!「博多風」水炊きの作り方
【材料(2〜3人分)】
鶏手羽元 200g
鶏もも肉(角切り) 200g
キャベツ 300g
長ねぎ 1本
えのき 1袋
豆腐 1丁
にんじん 3cm
Aしょうが 1片
A水 1.5L
ポン酢 適量
<薬味>
柚子胡椒、柚子皮、青ねぎ、練りごま お好みで適量
【作り方】
<下準備>
・鍋に水(分量外)を入れて火にかけ、沸騰したら鶏手羽元と鶏もも肉(角切り)を入れて1分茹でてザルに取り、ぬるま湯で洗って汚れや血合いを取る。
・鍋に鶏手羽元、鶏もも肉(角切り)、長ねぎの青い部分、Aを入れて2時間、だしが白濁色になるまでアクを取りながら煮込む。
【POINT】
・だしが白濁色になるまで2時間煮込んで鶏肉からだしをしっかり取ります。時短したい場合は煮込む時間を省いて鶏がらスープの素を入れてください。
・水は1.5L→1Lほどに減ります。だしが少なくなり過ぎたら水を足して煮込んでください。
1.キャベツは芯を切り取り、ざく切り、長ねぎは根元を切り落とし5cmの斜め切りする。
にんじんは洗って皮を剥き、5mm幅に輪切りにして型で抜く。えのきは根元を切り落として手でほぐす。
【POINT】
・博多風は、だしが薄くならないように水分が多く出る白菜ではなくキャベツを使用します。お好みでキャベツと白菜を半々で加えても。
2.だしを鍋に800mlほど入れ、鶏もも肉(角切り)、鶏手羽元、キャベツ、にんじん、豆腐を入れて5分煮、えのき、長ねぎを加えて3分煮る。ポン酢、お好みの薬味を添える。
【POINT】
博多風では、具材を入れる前にまずだしを少量器に入れて少量の塩(分量外)と青ねぎを入れて、だしの味を楽しんでみてくださいね。
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