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    • 公開日2020/11/25
    • 更新日2020/11/25

    本当に美味しいシュトーレン|何度も作りたい定番レシピVol.172

    すっかりクリスマスの定番となった「シュトーレン」。この時期パン屋さんやケーキ屋さんで見かけますよね。家で作るのは難しそうに見えますが、今回は初心者の方でも作れるようポイントをおさえて丁寧に説明します。今年の冬は自家製シュトーレンに挑戦してみませんか? Nadiaで人気の料理研究家が自信を持っておすすめする定番レシピシリーズです。

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    本当に美味しいシュトーレン|何度も作りたい定番レシピVol.172

     

    クリスマスの定番「シュトーレン」

    クリスマスが近づくとパン屋さんやケーキ屋さんで目にするようになる「シュトーレン」。
    ドライフルーツやナッツがたっぷり入ってどっしりした日持ちのする菓子パンで、本場ドイツではクリスマスの4週間前から毎日薄くスライスして楽しむ習慣があるそうです。寝かせることで洋酒やスパイスがなじみ味わいが変化していくのを楽しむことができます。

     

    シュトーレンの日持ちの理由は?

    家庭で手作りしたシュトーレンも、できたてではなく数日寝かせてスパイスや洋酒がなじんでからが食べごろなのですが、菓子パンを何日も置いて食べるのってちょっと心配になりますよね。

    シュトーレンが日持ちするのは、生地に加える水分量が少なくドライフルーツやナッツなど水分の少ない材料を使い、焼き時間も長いため生地の中の水分量が抑えられ腐りにくくなるという理由があります。

    またドライフルーツは洋酒に漬け込んでいるため、アルコールが雑菌の繁殖を抑える効果も期待できます。
    さらに焼きあがってからバターを表面に塗ることで油の膜を作り水分から守る役目があり、たっぷりとまぶす粉砂糖はバターの酸化を防ぐ役割があります。

    そのためシュトーレンは数週間日持ちすると言われていますが、家庭で手作りした物はお店のように管理された環境ではないので、カットするときは清潔なナイフを使い、湿気の少ない涼しい場所で保管するなど取り扱いに注意して、2週間程度で食べ切るのが安心です。

     

    基本のシュトーレンの作り方

    伝統的なシュトーレンには材料や配合に厳格な決まりがあるそうですが、手作りの良さは自由にオリジナルの味を楽しめるところです。材料や工程が多いのでハードルが高く思われるかもしれませんが、今回はインスタントドライイーストを使った家庭でも作りやすいレシピをご紹介します。難しい手順はないのでゆっくりと発酵させる時間を楽しみながらチャレンジしてみてください。

     

    【材料(20×10cmのシュトーレン1台分)】

    強力粉(発酵種用) 45g
    牛乳(発酵種用) 45g
    インスタントドライイースト(発酵種用) 2g
    バター(無塩) 50g
    砂糖 15g
    塩 1.5g
    卵黄 1個
    強力粉 80g
    漬込みフルーツ 100g
    ナッツ 30g
    シナモンパウダー 少々
    仕上げ用バター(無塩) 30g
    仕上げ用粉砂糖 40g

     

    【作り方】

    まずは漬込みフルーツを1週間~1か月ほど前から準備するところから始めますが、製菓材料コーナーなどで市販されている漬込み済みのミックスフルーツを利用すると手軽です。自家製漬込みフルーツなら好みのドライフルーツを選んで自分好みに作れます。

    ●自家製漬込みフルーツのレシピはこちら

    1.発酵種を作る
    人肌くらいに温めた牛乳にインスタントドライイーストを加え、強力粉を入れて手でこねてパンのような生地を作り、それを30℃で1時間発酵させて元となる発酵種を作ります。

    【ポイント】
    加える牛乳が冷たいと発酵が進まず、50℃以上ではイーストが死滅するので牛乳は35℃程度に温めて使います。溶け残りを防ぐためインスタントドライイーストは牛乳に直接加えます。

    2.バター生地と発酵種を混ぜる
    次に、やわらかくしたバターに砂糖、塩、卵黄を加えて混ぜ、さらに強力粉を加えてゴムベラで混ぜバターケーキのような生地を作り、そこに発酵種をちぎって加えます。

    【ポイント】
    バターは十分やわらかくしておかないと強力粉を加えたときに混ざりにくいので溶かさずに十分やわらかい状態に調節します。バター生地と発酵種をよくこねて両方の生地をしっかりなじませます。

    3.生地に具材を加え発酵させる。
    ベースの生地に具材となる漬込みフルーツとナッツ、シナモンパウダーを混ぜこんでいきます。これを丸めて温かい場所(約30℃)で45分発酵させます。

    【ポイント】
    ・フルーツを加えると急に生地がやわらかくなりべたべたしますが、こねるうちになじんでくるので、粉を増やしたりせずしっかりとこねます。
    ・シナモンパウダーは小さじ1/2を目安にお好みで調節してください。ほかにカルダモンパウダー、ナツメグパウダーなどを加えてもOKです。
    ・発酵させてもパンの生地のように大きく膨らんだりはしません。膨らまないからと長時間発酵させる必要はありません。

    4.成形して最終発酵
    成形の方法はさまざまありますが、成形も簡単で焼きむらも出にくい2つ折りがおすすめです。台の上に軽く打ち粉をして長方形に伸ばしたものを少しずらして半分に折ります。
    これを天板にのせて35℃で30分発酵させます。オーブンの発酵機能を使うと便利です。

    【ポイント】
    ・生地を2つ折りにしたら軽く上から押さえてくっつけるようにすると発酵や焼いている間に開いてしまうことなく形よく焼きあがります。
    ・オーブンの発酵機能が使えない場合は室温に1時間ほど置いておいても大丈夫です。

    5.焼き上げ、仕上げ
    170℃のオーブンで45分焼きます。焼きあがったら溶かしバターを何度も重ねて底面まで塗ります。冷めてから粉砂糖をまぶします。

    【ポイント】
    ・中に含まれる水分を減らすようにしっかりと焼きます。成形の方法や生地量が変わると焼き時間も調節が必要です。
    ・焼きあがったらすぐに溶かしバターを何度も重ねるように塗り、油膜を作ります。焼き上げてすぐのシュトーレンは割れやすいので、底面に塗るときは優しく裏返します。冷めてから粉砂糖をたっぷりまぶしてコーティングします。
    ・ここから2~3日寝かせてからが食べごろとなります。

     

    シュトーレンの食べ方

    波歯のナイフでまず真ん中からカットし、そこから両端に向かって1cmくらいの厚みに、食べるときに切ります。カット断面同士をピッタリと合わせてラップでしっかり包んで保存すると断面が空気に触れにくく傷みづらくなります。

    ●このレシピをお気に入り保存する
    初めてでも作れる♪基本のシュトーレン

     

    基本のシュトーレンのアレンジで作る!紅茶とりんごのシュトーレン

    紅茶、りんご、くるみ、ホワイトチョコを組み合わせたアレンジレシピです! 好きな材料を使えるのは自家製ならでは。自分好みのアレンジを楽しんでみてくださいね。

    https://oceans-nadia.com/user/199129/recipe/401401

    ●詳しいレシピはこちら
    紅茶とリンゴのシュトーレン


    手作りなら好みのドライフルーツやナッツを選んだり、スパイスを調節したりすることもでき、作る工程やオリジナルの味を楽しむことができます。クリスマスまでの日々をワクワクと待ちながら、少しずつ変化する味わいを楽しんでみませんか。



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    六車樹里(むぐるまじゅり) ひらかた独歩ふぁーむ、広報(SNS周りや旬のレシピ担当) 大阪府出身、在住 2歳年上の主人と、男子3人の5人家族 看護師を経て、お菓子、パンのレシピやコラム作成を数年したころ自己免疫の肝臓疾患を発症するとともに精神的にも底の状態が1年以上続き家からほとんど出られない状態に。 大好きだったお菓子やパンを作ることも苦痛になりレシピサイトはおろかパソコンを開くことすらつらく、人と会うことも外出も避ける日々・・・ そんな中、市の広報に掲載された地域活性化を目指して奮闘する農家の記事を読み、農業を通じた地域活性化の取り組みに興味が沸き、農業への関心が高まりつつあった矢先、偶然先の農家さんの食育に関する講演のチラシを手にすることに。 気にはなったものの当時は精神的に外出が難しい状態で、何とか配信期限ぎりぎりに、講演を記録した動画を見ることができる。 その中で話されていた「自分が農業を続けることで、その風景を守っていきたい」という想いに感銘を受ける。 さらにその方の作る野菜の持つ力強さや味わいの濃さ、甘み、食感すべて、人生で一番と言い切れるほどの美味しさにただただ感動。 すぐにこの農家さんに連絡を取り、翌月からその農家さんの元で働くことに。 畑で働くようになって、みるみるメンタルが改善。自分でも驚くほどに毎日が楽しく生き生きと過ごせるように。 あれほど苦痛だったお菓子を作ること、レシピを作ることも仕事として再開、野菜そのものの持つ旨味や食感を生かしたレシピを考案し消費者の方に向けて発信中。 遠くから運ばれてくる有名どころの野菜より、鮮度が大切な野菜の地産地消のメリットは大きいことを日々実感するとともに、地域で採れたばかりの野菜の魅力を知ってもらいたいと奮闘中です。

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