忘れられない思い出の味、祖母のポテトサラダ

母も祖母も料理が得意で、私も小学生のころから料理の手伝いをしていました。
祖母が作るポテトサラダが家族みんなの大好物で、よく作るのを手伝っていたのを覚えています。「じゃがいもはつぶしすぎないで、ゴロゴロしたかたまりを残すんだよ。熱いうちに、合わせ酢と塩こしょうでしっかり味をつけて。マヨネーズは入れすぎないでね」が祖母流のポテトサラダ。
当時は兄弟と両親、祖父母という7人家族だったので、一度に作る量も大量。ボウルには入りきらないので、じゃがいも10個とたっぷりの野菜を大きな鍋で混ぜて作るのがとても楽しかった記憶があります。
高校生になってからは、自分でお弁当を作るように。大学進学でひとり暮らしを始めたのをきっかけに、本格的に料理をするようになりました。

ちなみに祖母のポテトサラダは、祖母が亡くなってからも同じ味を作り続けたいと思い、記憶を頼りにレシピ化。Nadiaにも「昔ながらのポテトサラダ」として掲載しています。実家に帰るたびに大量に作り置きして喜ばれています。
料理が好きすぎて紆余曲折

大学は、国際学部に進学しました。学生時代で特に印象に残っているのは、カンボジアでのインターンシップです。フェアトレードを推進する企業のインターンシップで、カンボジアの名産であるカシューナッツを使って現地の人向けにレシピ開発をするという内容だったのですが…まさか、キッチンすらないとは思ってもいませんでした。
村の広場に金属の板を集めてキッチンを手作りしたり、池で食材のかえるを調達したり…。言語が分からないので反応を見ながら改良をするなど、とても大変なプログラムでした。でも、現地の食文化にふれるとともに、日本の食文化や暮らしを俯瞰して見られるようになり、今の私には欠かせない経験だったと思います。
大学卒業後は、成田空港のグランドスタッフ、洋菓子店副店長、SNSマーケティング営業事務と、いろいろな職種を経験しました。子どものころから一番好きなことは料理でしたが、「失敗したら料理が嫌いになってしまうんじゃないか」と不安になり、料理の仕事を選ぶことはしませんでした。

最初に勤めたグランドスタッフはシフト制だったため、体力的にハードになって退職。でも、接客業は好きだったので、洋菓子店へと転職しました。洋菓子店で販売員として働く中で、パティシエの思いがこもったケーキやパンでお客さんが笑顔になっているのを見て、いずれ私も自分が作ったものを発信して多くの人の役に立ちたいと思うようになりました。
ちょうどそのころ、料理やレシピのSNSを見る機会が増えてきて、今度は勉強のためにとSNSのマーケティング営業事務へと転職。SNSで発信してみたいと思いながら転職したのですが、私にできるわけないという気持ちも大きくて、最初はなかなか行動にうつすことができなかったんです。
でも、SNSに触れるうちに、あまり写真が上手じゃなくてもバズったりするのを目の当たりにして。次第に「自由にやればいいんだ」と思うようになり、自分の中の発信のハードルも下がっていきました。
そこでようやく、自身の記録用として、SNSで料理の投稿をスタート。ユーザーやフォロワーから「美味しかった!」とコメントをもらえるのがとてもうれしくて、発信することが楽しくなっていきました。
現在は、料理の仕事と両立するために、残業が少ない税理士事務所に転職。平日はフルタイムで働いていますが、在宅ワークの始業時間前や休日などの限られた時間を料理の仕事に当てています。
Nadia Artistになって気づいた自分の個性

レシピ投稿サイトはもともとよく利用していて、自分もいつか発信する側になりたいと思っていました。さまざまなレシピサイトの中でNadiaを選んだ理由は、レシピや写真のクオリティーが高かったから。だれでも投稿できるレシピサイトもありますが、自分のモチベーションやレベルアップのためにも、プロが集まる環境でがんばりたいと思い、エントリーしました。
料理のモットーは「普段使いのレシピ」であることです。仕事や家事で忙しくても、自分や家族のために美味しくて栄養のあるご飯を作りたいというのは、だれもが思うことですよね。
さらに、家族そろって「いただきます」と食卓を囲んだとき、作った自分もご機嫌で食卓を囲めるように「作ることに疲れないレシピ」を目指しています。だから私のレシピでは、メインの食材は2つ程度。あれこれ買い足さずに作れるよう、冷蔵庫の残り物食材の消費を意識しながら、日々の投稿のラインナップを考えています。

実はNadia Artistに合格した当初は、「がんばらなきゃ」と思うあまり、目新しいものや自分の中にないものばかり作っていました。ところが、自分ではがんばっているつもりだったのに、ほかのNadia Artistのみなさんに比べて全然見てもらえなかったんです。
意識が変わったのは、初めてNadia Partyに参加させていただいて、さまざまなNadia Artistの方たちとお話してから。パーティーのあと、Instagramでメッセージのやり取りをしたのですが、みなさん、結びの言葉で「これからも楽しんでいきましょうね!」と言っていて。「がんばるのではなく、楽しむことがベースなんだな」と、新鮮な気持ちになりました。
そんなある日、「じゃがいもとツナが余っているから、ポテトサラダを作るか」「ついでにNadiaにアップするか」と、チャチャッと作ったレシピを投稿したところ、閲覧数がぐっと伸びてくれたんです。たぶんそれがNadia Artistになって初めて、たくさん閲覧してもらったレシピ。自分としては手を抜いたつもりだったのに、それがすごくウケて、「あ、こういうのでいいのか」と気づくことができました。
https://oceans-nadia.com/user/749006/recipe/442003
京(みさと)さんが初めて手ごたえを感じた
お気に入り保存1万超「和風ツナマヨポテトサラダ」。
主な材料はじゃがいもとツナのみ。
パパッと10分で完成します。
それからは、自分の生活の中で生まれた等身大のレシピ、リアリティーのあるレシピを発信しようと気持ちが切り替わり、今の「ワンパン10分」や「レンチン5分」などのシリーズが生まれていきました。
4年でレシピ本出版の夢がかなった!

両親は、私のNadia Artistとしての活動をすごく喜んでくれています。私の初のレシピ本『フライパン1つですべて完結! ずるいワンパンレシピ200』の購入はもちろんのこと、Nadia magazineも毎回とても楽しみにしていて、いつもたくさん買ってくれています。母も私のレシピを追ってくれていて、口コミの「作ってみた!」によく投稿してくれているようです。
思えば夫と出会ったのが料理を細々とSNSにアップし始めた頃で。そのときから夫も応援してくれていて、「いずれ出版することを目標にしているんだ」と言っていたのですが、それが結婚してすぐに出版のお話をいただいたので、2人ともびっくり!
こんなにも早く夢をかなえられたのは、Nadiaと出版社のKADOKAWAさんのおかげで、本当に感謝しています。新規レシピの開発もあり、本の制作に着手する前は大変そうと思っていましたが、始めると不思議とアイデアが次々わいてきて、とても楽しい制作期間でした。改めて私は料理が好きなんだと実感し、さらなる重版と2冊目の出版という大きな目標ができました。

2026年2月に出版した初のレシピ本
『フライパン1つですべて完結!ずるいワンパンレシピ200』(KADOKAWA)。
「10分で完成」「材料2品だけ」など
忙しい日に重宝するレシピが満載。
続けることで自分の個性が見つかる

これからの料理家としての目標は、私の生活に沿った中で生まれたレシピを通して、ユーザーに「美味しい」、「簡単」、「便利」と感じていただけるようなNadia Artistになること。そして私のレシピを通して、「料理ってこんなにざっくりでいいんだ」と、少しでも肩の荷を降ろしてもらえたらうれしいです。
ジャンルとして強化したいのは、フライパン蒸しなどの健康的なワンパンレシピのバリエーション。また、最近はタイ料理やインド料理にはまっているので、私なりに作りやすくアレンジして投稿していきたいなと思っています!

Nadia Artistを目指す人にお伝えしたいのは、「続けること」と「挑戦すること」。私自身、最初は「できるわけない」と言ってばかりだったし、出版なんて夢にも思っていませんでした。でも活動していくうちに、次第に自分の強みや個性に気が付くことができました。「料理が好き!楽しい!仕事にしたい!」という思いがあるなら、それだけで大丈夫。興味があるなら、ぜひ飛び込んでいただきたいです。
写真:高橋 しのの 文:室井瞳子
京(みさと)'s profile

「ワンパン10分おかず」「レンチン5分副菜」の時短レシピや作り置きレシピを中心に発信中。2026年2月出版の初のレシピ本『フライパン1つですべて完結! ずるいワンパンレシピ200 Nadia Collection』(KADOKAWA)は発売後すぐに重版となり評判に。フルタイムワーカーならではのリアルな目線で作るレシピは、共働きや子育てで忙しい世代の強い支持を集めている。Instagramフォロワー数9.8万人(2026年8月現在)。
京(みさと)さんのプロフィールはこちら
Nadia Artistになりたい方へ。申請ページはこちら

















