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    • 公開日2016/09/02
    • 更新日2016/09/02

    刺身を美味しく、薬効もプラス♪ 刺身に添える「つま」と「薬味」のお話

    刺身に添えられている「つま」と「薬味」。大根、しそ、しょうが、わさびなど様々な種類がありますが、一体どんな役割があるのでしょうか? 知れば知るほど奥深いつまと薬味の世界を、和食を得意とする料理研究家の高橋善郎さんにひも解いていただきます!

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    刺身を美味しく、薬効もプラス♪ 刺身に添える「つま」と「薬味」のお話

     

    刺身の盛り合わせに彩りを加える、だけじゃない!

    普段、刺身パックから何気なく器に移し替えている「つま」と「薬味」。大根、しそ、わさびなど様々な種類がありますが、それぞれどんな役割があるのかご存じでしょうか?

    じつは「つま」と「薬味」には、刺身の盛り合わせに立体感を出したり、彩りを加えるといった見た目の効果はもちろん、もっと深〜い存在意義があるんです。

    知れば刺身がもっと美味しくなる、「つま」と「薬味」の関係についてご紹介しましょう!

     

    【つま】=妻!? 主役の刺身を引き立てる名脇役

    「つま」は、刺身を美しくするために欠かせないもの。主役の刺身を引き立てることから、“妻”が語源という説も。

    代表的な「つま」には、千六本に切った大根、縦または横にスライスしたみょうがなどがあります。刺身の下に敷いたり、刺身に立てかけて使い、立体感のある美しい盛りつけを完成させます。

    また、春にはうど、秋にはゆずなど、旬の野菜をあしらって日本料理らしい季節感を演出するのも「つま」の仕事。海藻やラディッシュなども、色味のバランスをとるのに使われます。

    主な「つま」の種類:大根、みょうが、大葉、海草類、食用菊など

     

    【薬味】魚の生臭さを消し、薬効と風味をプラス

    「薬味」には生魚独特のくさみを消す役割が。わさびやしそ、しょうがなど、風味のある食材が使われます。また、わさびには抗菌効果、しそには抗酸化作用があるなど、それぞれの薬効も期待できます。

     

    青魚に合わせる薬味

    アジにしょうが、さんまに大根など、青魚の臭みを消し、爽やかな香味を足す食材を薬味として使用。長ねぎ+しそ+みょうがを混ぜたものもおすすめ。

     

    白身魚に合わせる薬味

    ふぐやひらめの薄造りにもみじおろし、長ねぎなど。爽やかな香りと辛みが、白身魚の淡白な味と相性抜群。もみじおろしに使われる唐辛子には、体を温める効果が。

     

    貝類に合わせる薬味

    独特のくさみがあるほたてや牡蠣は、レモンの爽やかな酸味を加えると食べやすくなる。しぼって果汁をかけるほか、薄切りにしたものを貝に挟んでも。

     

    赤身魚に合わせる薬味

    臭みが気になる赤身魚のにおい消しには、わさびやしょうがを。うまみもプラスできるにんにくは、かつおによく合う。ゆずやすだちの皮を散らしたり、しょうゆに絞っても。

     

    冷蔵庫の野菜でオリジナル薬味をつくろう!

    大根+しそ、きゅうり+みょうが+玉ねぎなど、数種類の野菜を混ぜても。細切りにして混ぜ、ふんわり盛ると使いやすい。

     

    よく見るあの薬味の名前は?

    お店で食べる刺身などに添えられているこれらの薬味の名前をご存知でしたか? 写真左上の薬味は「芽ねぎ」。香りがよくやや辛味があるのが特徴です。中央の赤い薬味は「たで」という薬味です。口に入れるとピリッとした辛味があります。右上は「木の芽」。山椒の若芽を摘み取ったもので、独特の香りとほろ苦さが特徴。刺身だけでなく、煮物に添えられることも多いです。

    知っているようで意外と知らない、「つま」と「薬味」の世界。日本食の奥深さに感激しつつ、常備野菜でオリジナル薬味をつくるのも楽しいですよ!

    写真:吉田朱里 文:芝 真紀子

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    高橋 善郎
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    高橋 善郎

    • 調理師
    • 食品衛生責任者
    • 野菜ソムリエ
    • ソムリエ(ANSA)
    • 日本酒学講師
    • 唎酒師

    1988年神奈川県川崎市生まれ 和食料理人である父の影響で、幼少期から実家の店舗で料理の基礎を学ぶ。 専修大学法学部 法律学科を卒業後、日本食研(株)に営業職として入社。 退職後は和食料理店での店長勤務を経て、フードコーディネーター養成スクールを卒業後、料理研究家として独立。 調理師免許、きき酒師、ソムリエ(ANSA)、野菜ソムリエなど食に関する資格を9個保有し、きき酒師の上位資格である日本酒学講師を当時史上最年少で合格。 素材の持ち味を活かした和食をベースに、エスニックからイタリアン、 オーガニックと幅広いジャンルを得意とする。 2015年には農林水産省・JICAの共催事業にも参画。 日本在住の外国人をはじめ、フランス、パラグアイ、バングラディシュ、セルビアなど、国外でも日本食・食文化を発信している。 また、スポーツをこよなく愛し、トライアスロンの国内大会では年代別で優勝するほどの実力。 2018年6月に行われた「第2回 鞆の浦トライアスロン」で年代別優勝を果たし、2018年 オーストラリア ゴールドコースト、2019年 スイス ローザンヌで行われた世界選手権にも2年連続でエイジグループ日本代表として出場。 2020年9月 カナダ エドモントンで行われる世界選手権の出場権も獲得している。(※新型コロナウイルスの影響により中止) 走る料理家として、スポーツメーカーやスポーツ・健康雑誌とのタイアップも多く手がけ、「食 ✕ 健康 ✕ スポーツ」を普及する活動も精力的に行っている。 そして、アスリートとしての実績が評価され2020年 東京パラリンピックパラ卓球ナショナルチーム 公認アスリートフードコーチに就任し選手をサポート。 2022年2月には第一子(男の子)が産まれ子育てに奮闘中。 【著書】 ・ソムリエ×料理人が家飲み用に本気で考えた おうちペアリング(主婦の友社・共著) ・遅く帰った日のきちんと小鍋(エイ出版社) ・「燃やすおかず つくりおき」(学研) ・「魔法のココナッツオイル(e-Mook)」(宝島社) ・「イケ麺レシピ103」(エイ出版社) ・「BRUNO(ブルーノ)の絶賛ホットプレートごはん」(宝島社) ・「ココナッツオイルで健康になる! (TJMOOK) 」(宝島社) ・「いつもの小麦が不調の原因!グルテンフリー入門 」(宝島社)   etc 【保有資格】 日本酒学講師 / 唎酒師(ききさけし) / ソムリエ(ANSA) / ビアアドバイザー / おさかなマイスター / ジュニア野菜ソムリエ / ジュニアアスリートフードマイスター / 調理師免許 /食品衛生責任者 【レシピ開発】 水産庁さま / 味の素株式会社 / フジッコ株式会社 / キリンビール株式会社 / ヤマキ株式会社 / 株式会社神戸屋 / 株式会社永谷園 / マルハニチロ株式会社 / ひかり味噌株式会社 / 白鶴酒造株式会社 / マルコメ株式会社 / テーブルマーク株式会社 / オタフクソース株式会社 / マルサンアイ株式会社 / カリフォルニア・レーズン協会 / スポーツクラブNAS / ノリタケ / 宮崎経済連 / 日清食品チルド株式会社 / サンマルコ食品株式会社 / 一正蒲鉾   etc 【メディア】 NHK あさイチ / NHK ひるまえほっと / テレビ東京「なないろ日和!」 / テレビ東京「よじごじDays」 / 日本テレビ ヒルナンデス! / 日本テレビ ZIP! / TOKYO MX 「日曜はカラフル!!!」 / テレビ朝日「クリームシチューのハナタカ!優越館」 / フジテレビ 良かれと思って! / テレビ朝日 グッドモーニング! / 東海テレビ スイッチ!    etc

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