春の訪れを教えてくれる「菜の花」
「菜の花や月は東に日は西に」一面黄色に染まる菜の花畑は、遠く江戸時代から日本人の心に根付いた春の情景のひとつです。そんな、日本の春に欠かせない菜の花ですが、苦くて食べにくい、どうやって食べたら良いか分からない…など悩みも多い野菜。
今回は、菜の花の種類や選び方から、美味しく食べるための下処理方法まで詳しいポイントと共にご紹介します。ゆでるだけで簡単に食べられ、作り置きにもぴったりの菜の花で、春の食卓を楽しんでみませんか?
菜の花の種類と選び方
実は「菜の花」という花はなく、キャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科のすべての花を菜の花と呼びます。そのうち、野菜として出回っているのがアブラナの若い茎とつぼみの「菜花(なばな)」で、いろいろな品種があります。
菜花は花が咲いてしまうと「苦味」や「えぐみ」が出るので(1)つぼみがキュッと締まり(2)茎や葉がやわらかでハリがあり(3)切り口がみずみずしく中心に空洞がないものを選んでください。
本当に美味しい「菜の花のゆで方」
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【材料(2人分)】
菜花 150〜200g
水 1L
塩 10g(水の1%)
【作り方】
1.菜花は根元を5mm〜1cm切り落としてサッと洗う。根元部分を水に5〜10分つけ、振り洗いする。
【POINT】
・菜花は使う前に根元を水につけることでパリッとしたハリが戻ります。菜花全体を水につけてしまうと栄養が流れ出てしまうので、根元部分だけ水につけてくださいね。
・つぼみの汚れが取れるように、しっかり振り洗いしてください。
2.菜花を穂先部分と茎部分に切り分ける。
【POINT】
・菜花の茎部分と穂先部分は太さが違うため、時間差でゆでることでゆで上がりのかたさを調節します。
・茎の葉が多い場合は、葉を切り取ってつぼみ部分と一緒にゆでてください。
・花が咲いていても食べられますが、苦味とかたさが強くなるので気になる場合は花を摘み取ってください。
3.鍋に水と塩を入れて沸騰させ、まず茎を入れて30秒ゆでる。
【POINT】
・塩を入れることでお湯の沸点を上げ、短時間で色良くゆで上がるようにします。
・茎の太さは1cm目安です。それ以上の太さの場合はゆで時間を10〜20秒追加してください。
・塩の分量は水の1%です。お子さんなどに苦味を抑えたいときは、塩と一緒に重曹を少量(小さじ1/2)加えてゆでてください。
4.穂先部分を入れ30秒ゆでる。
【POINT】
・つぼみと葉の部分を菜箸でおさえ、全体がしっかりお湯につかるようにください。
・葉を切り分けた場合は、ここで穂先部分と一緒に入れてください。
5.ザルにあけ、氷水または冷水で冷やす。
【POINT】
・氷水で一気に冷やすことで、菜花に余熱で火が通り過ぎるのを防ぎ、色鮮やかに仕上がります。
・ザルにあける前にゆで汁を取り分けるのを忘れないでくださいね。
6.絞って水気を切る。
【POINT】
・菜花を水につけすぎると栄養が流れ出てしまうので、冷めたらすぐに絞ってください。
・絞るときに穂先の向きなどを揃えると絞りやすいですよ。
・絞り過ぎるとつぼみ部分が潰れてしまうので、あまり強く絞り過ぎないように注意してくださいね。
【穂先部分だけの菜花の下ゆで方法】
(1)沸騰したお湯に茎部分を下にして菜花を入れる
(2)10秒経ったら菜箸で全体がしっかりつかるように押さえて20〜30秒ゆでる
(3)ザルにあけ氷水で冷やす
(4)絞って水気を切る
【POINT】
・穂先部分だけの菜花の場合は、ゆでるときに茎部分を下にしてゆで、時間差で穂先部分をお湯にひたすことでゆで時間を調節します。
菜花の太さ別ゆで時間の目安
菜花はいろいろな太さのものがあるため、太さによってゆで時間を変えるのが美味しく仕上げるポイントです。
※13mm以上の菜花はゆで時間を少しずつ足してください。
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春を味わう*基本の菜の花の茹で方
本当に美味しい「基本の菜の花のおひたし」
【材料(2人分)】
下ゆでした菜花 150g
菜花のゆで汁 200ml
A醤油(あれば薄口醤油) 小さじ1と1/2
Aみりん 小さじ1と1/2
かつお節 お好みで適量
【作り方】
1.菜花のゆで汁にAを加え、菜花を30分以上漬け込む。
【POINT】
・菜花のゆで汁は菜花のうま味が移り、少しほろ苦さとコクがある味わいなのでだし汁に使うことができます。
・普通のだし汁で作りたい場合は、耐熱容器に水250mlとかつお節7gを入れラップをし、電子レンジ600Wで1分半〜2分加熱してこしてください。
・みりんのアルコール分を飛ばしたいときは、耐熱容器に調味料を加えただし汁を入れ、電子レンジ600Wで1分加熱して冷まして使用してください。
・菜花のおひたしは色鮮やかなまま保存することができるので作り置きに最適です。清潔な容器に入れ、清潔な箸で取り分けて2〜3日を目安に食べ切ってくださいね。
・からし和えにしたい場合は、だし汁にからしを小さじ1/2〜1をお好みで溶かし入れてください。
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作り置き*基本の菜の花のおひたし
見てよし、食べてよしの「菜の花」は、うれしいことに栄養も豊富! 特にビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラスなんです。紫外線が強くなるこの季節。ぜひ、毎日の食卓に積極的に取り入れて、体の外側と内側の両方から春を楽しんでくださいね。
これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら
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