お弁当・作り置きにも大活躍!料理の基本が詰まったいんげんのごま和え
和食の定番「いんげんのごま和え」は、普段のおかずはもちろん、お弁当や作り置きにも大活躍してくれるうれしいメニュー。ゆでたいんげんをシンプルな調味料で和えるだけで簡単に作れるのですが、いんげんがやわらかくなり過ぎる、味がぼんやりする、水っぽくなる…と、意外と悩みも多い料理です。
今回は、新鮮なさやいんげんの選び方から、美味しく仕上げる下処理とゆで方、和え衣の作り方、レンジで簡単に作れる「いんげんのごま和え」までを詳しくご紹介します。スーパーでさやいんげんを見かけたら、食卓の主役になる「絶品いんげんのごま和え」を楽しんでみませんか?
いんげんの選び方のポイント
いんげん豆の若いさやを未熟なうちにさやごと食べるさやいんげん。写真のサーベルいんげんなどのように、さやが筒状の「丸さや」と呼ばれる種類と、平さやいんげんなどのさやが平べったい「平さや」と呼ばれる種類があります。1年に3度収穫できることから、関西では「三度豆」とも呼ばれています。
鮮度が落ちるとともに香りが抜けて色が黄色みを帯びてくるので、できる限り新鮮なものを選ぶのが美味しさのポイント。
(1)緑の色が鮮やかなもの(2)全体が細くまっすぐでハリがあるもの(3)さやの先の細い部分がピンとしているもの(4)切り口が茶色くなっていないもの(5)平さやいんげんなどの長いものは持ったときにぐったり曲がらず、しゃきっとしているものが新鮮です。
また、あまり太いものは育ち過ぎて筋が太くかたくなっていることがあるので、細くて若いものを選ぶとやわらかくて美味しいさやいんげんが楽しめますよ。
基本のいんげんのごま和えの作り方
【材料(2人分)】
いんげん 100g
塩 大さじ1(水1Lに対して)
ごま 大さじ2
A醤油 大さじ1/2強
A砂糖 大さじ1/2
A水 小さじ1
【作り方】
1.いんげんは筋があるかないか確認し、筋があるものはヘタを取って筋を取り、筋がないものはそのままヘタを切り落とす。
<筋がある場合>
◆いんげんのヘタを筋側に折り、ゆっくりスーッと引っ張り筋を取る。上下を反対にして、反対側の端も同じように折り、ゆっくり引っ張って筋を取る。
【ポイント】
・いんげんは最初に筋があるかを確認することで下処理方法が変わります。筋があるものは筋を取り、やわらかくて筋がないものはそのまま調理してください。
・筋を強く引っ張ると途中で切れてしまうので、切れないようにゆっくり引っ張ってくださいね。
・筋があると食べたときに口の中に筋が残って食感が悪くなるので、筋がある場合はしっかり取ってください。
<筋がない場合>
◆ヘタを揃えて並べ、ヘタの先を少し切り落とす。
【ポイント】
・ヘタはたくさん切り落とす必要はありません。ヘタの先を少し切り落とすだけで大丈夫です。
・若くやわらかいさやいんげんは筋がないので、筋を取らずそのまま調理しても美味しく食べられます。
・昔は筋があるものが多かったですが、最近は品種改良が進み筋がないさやいんげんが多くなっています。
2.鍋にお湯を沸かし塩を入れ、いんげんを入れて1分半〜2分ゆでる。
【ポイント】
・いんげんはゆで過ぎると歯ごたえがなくなり水っぽくなるので、ゆで過ぎないように注意してください。いんげんが多い場合は、いんげん全体がお湯に浸かるようお皿をのせ、少ない場合は菜箸でときどき混ぜながらゆでてください。
・旬の終わりや大きく成長した少しかたい豆は少し長めにゆでてください。
・いんげんがかたい場合は、板ずり(塩をまぶしてまな板で転がす)してからゆでるとやわらかく仕上がりますよ。
3.いんげんを氷水で冷やし、ザルにあげる。
【ポイント】
・いんげんを氷水に取り一気に冷ますことで、余熱で熱が通り過ぎるのを防ぎ、色鮮やかで歯ごたえ良く仕上がります。
・氷水がない場合は水を2〜3回入れ替えて冷ましてください。
・氷水にさらし過ぎるといんげんの栄養やうま味も流れ出てしまうので注意してくださいね。
4.キッチンペーパーで水気を拭き取り、いんげんの端の細い部分を切り落として長さを半分に切る。
【ポイント】
・いんげんに水分が残っていると和え衣が薄まってぼんやりとした味になってしまうので、しっかり水気を拭き取ってください。
・いんげんの先端の細い部分は見映え良く仕上がるように切り落としています。気にならない場合はそのままで大丈夫です。ヘタと一緒に切り落としてからゆでても良いのですが、いんげんの中に水が入り込んで水っぽくならないようにゆでてから切り落としています。
5.ごまをフライパンで香りが出るまで乾煎りする。
【ポイント】
・フライパンに油はひかず弱火で木べらで混ぜながら煎ってください。強火で混ぜずに煎るとあっという間に焦げてしまうので注意してくださいね。
・全体がきつね色になり、粒がふっくらしたら火を止めてください。
・乾煎りすることで、香ばしいごまの香りが楽しめる仕上がりになります。
・今回はごまを煎っていますが、もちろん煎らずにそのままでも大丈夫です。
6.ごまをすり鉢に入れてすりこぎでお好みの状態になるまでする。
【ポイント】
・すりこぎは両手で持ち、少し立たせた状態でごまを押し潰すようにすります。(ごまをサラッと仕上げたいときは軽く、しっとり仕上げたいときはしっかり押し潰すようにすってください)
・ごまをするときは、固く絞ったぬれぶきんをすり鉢の下に敷いておくとすり鉢が固定されてすりやすくなります。最近はすべり止めが付いたすり鉢もありますよ。
・ごまのすり方でできあがりの風味が変わります。
「半ずり」→粒が半分残っている状態にすることで、いりごまの香ばしい香りとごまのぷちぷちとした食感と歯ごたえが両方楽しめます。
「ペースト状」→ごまから油がにじみ出てペースト状になるまですることで、ごまの歯ごたえはなくなりますが甘みとコクが楽しめます。
・ごまは栄養豊富ですが、かたい皮があることで栄養が体に吸収されにくくなっています。ごまをすることでごまの皮が細かくなり、栄養が体に吸収されやすくなります。
・すり鉢の大きさは、少量の和え物や2人暮らしなら5〜6号、すり鉢の中で食材を入れて調理したり、4人家族なら7〜8号ぐらい、すりこぎはすり鉢の深さの2倍の長さを目安にしてください。
・すり鉢でごまをすったときにごまがすり鉢の溝に詰まってしまった場合は、爪楊枝や竹串で溝をなぞるときれいに取れますよ。
7.すり鉢にAを加えて練り混ぜ、いんげんを加えて和える。
【ポイント】
・早めに和えるといんげんから水分が出て和え衣が薄くなり、ぼんやりとした味になってしまうので食べる直前に和えてください。すぐに食べない場合はゆでたいんげんを冷蔵庫に入れておき、食べる直前に和えてくださいね。
・和え衣がしっかり混ぜ合わさるようにゴムべらで混ぜるのがおすすめです。
・清潔な容器に入れ、清潔なお箸で取り分けて冷蔵で3日、小分けにラップに包んでジッパー付き保存袋に入れて冷凍で1か月を目安に食べ切ってください。
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本当に美味しい!基本のいんげんのごま和え
いんげんの保存方法
いんげんは、かためにゆでて冷蔵で2〜3日、冷凍すると1か月保存できます。冷凍保存する場合は、ゆで時間を1分にし、冷水で冷ましてからキッチンペーパーで水気を拭き取り、ジッパー付き保存袋に重ならないように広げて冷凍してください。(ステンレストレーに置いたり、保存袋をアルミホイルで包んで冷凍したりすると急速冷凍することができます)
常温で解凍すると水っぽくなるので、和え物などに使用するときは前日に冷蔵庫に移して、煮物や炒め物に使用する場合は、凍ったまま煮汁に入れたり炒めたりして使用してくださいね。
レンジで簡単!いんげんのごま和えの作り方
ここからは、レンジで簡単にできるいんげんのごま和えをご紹介します。レンジを使えば、手間も洗い物も少なく簡単に作ることができますよ。ぜひこちらも試してみてくださいね。
【材料(2人分)】
いんげん 100g
塩 少々
Aすりごま 大さじ2
A醤油 大さじ1/2強
A砂糖 大さじ1/2
A水 小さじ1
【作り方】
1.いんげんは筋があるものは筋を取り、ないものはそのまま洗って両端を切り落とし半分に切る。
2.いんげんをサッと水にくぐらせ、耐熱容器に入れてふわっとラップし、電子レンジ(600W)で2分〜2分半加熱する。
【ポイント】
・いんげんをサッと水にくぐらせてからレンジ加熱することで、いんげんの水分がなくなってパサパサになるのを防ぎます。
・レンジ出力や使う容器によって加熱時間は調整してください。
・容器が熱くなっているので取り出す際は注意してくださいね。
3.ザルにあけて水分を切り、塩をパラパラとふって全体を混ぜ合わせ、うちわなどで冷ます。
【ポイント】
・簡単に仕上げるためにうちわで冷ましていますが、余裕があれば氷水に取って一気に冷ますことで、余熱で熱が通り過ぎるのを防ぎ、色鮮やかに歯ごたえ良く仕上がります。
・塩を少しふることで豆らしい甘みが楽しめる仕上がりになります。
4.小さめのボウルにAを入れて混ぜ、いんげんを加えて混ぜ合わせる。
【ポイント】
・簡単に作れるようすりごまを使用しています。ごまをすって作っていただいてももちろん大丈夫です。
・清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存して3日、冷凍で1か月を目安に食べ切ってください。
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レンジで簡単!いんげんの胡麻和え
家にある調味料で簡単に作れる「いんげんのごま和え」は、ちくわやにんじんを加えたり、ほうれん草や小松菜でも作ったりと、アレンジも自在。また、美味しいだけでなく、いんげんにはビタミンA、Cをはじめとするビタミン類や、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類、ごまにはリノール酸やオレイン酸、セサミンが含まれ栄養満点。6月から9月とこれから旬を迎えるいんげんを、ぜひ毎日の食卓に取り入れて、暑くなるこれからの季節を美味しく元気に過ごしてくださいね。
これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら
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