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  • 公開日2023/01/27
  • 更新日2023/01/27

本当に美味しいきんかんの甘露煮|何度も作りたい定番レシピVol.302

おせち料理に入っていることも多い「きんかんの甘露煮」。そのままお茶うけにしたり、炭酸水で割ったり、ヨーグルトにトッピングしたりと、普段の食卓でも使えます。今回は、きんかんの選び方から下処理方法、甘露煮の作り方まで詳しくご紹介。ビタミンやミネラルも豊富で、冬の健康づくりにも役立つきんかん。作り置きしてご家族みなさんで楽しんでくださいね。Nadiaで人気の料理研究家が自信を持っておすすめする定番レシピシリーズです。

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本当に美味しいきんかんの甘露煮|何度も作りたい定番レシピVol.302

 

風邪予防や咳、喉の痛みにうれしいきんかん

ほろ苦く甘酸っぱい皮の中からとろっと蜜があふれ出す、ツヤツヤと金色に輝く冬の宝石「きんかんの甘露煮」。おせち料理の縁起物として見かけることはあっても、どうやって下処理や調理をしたらよいか分からない・・・と悩む方も多いのでは?

今回は、新鮮なきんかんの選び方から、きんかんの下処理方法、基本のきんかんの甘露煮の作り方、保存方法までを詳しくご紹介します。実は、煮るだけで簡単に作れる「きんかんの甘露煮」で美味しく風邪対策しませんか?

 

きんかんの選び方

きんかんは、皮ごと食べることができる珍しい柑橘類のため、以下のポイントを見て選ぶのがおすすめです。
(1)全体が濃い橙色で張りがあるもの
(2)果皮に傷や変色がないもの
(3)粒が大きいもの
(4)持ったときに重みを感じるもの(軽く感じるものは水分が抜けて果肉がパサパサしている可能性があります)

また、新鮮さはヘタの部分を見て確認します。ヘタの切り口が茶色く枯れていないものを選んでくださいね。

 

基本の「きんかんの甘露煮」の作り方

 

【材料】

きんかん 300〜350g
水 200ml
砂糖 100g
本みりん 50ml
醤油 小さじ1/4ほど

 

【作り方】

1.きんかんはきれいに洗ってヘタを取る。

【ポイント】
きんかんのヘタは竹串で簡単に取れます。もしかたくて取れにくい場合は、包丁の歯元のアゴを使うと簡単に取れますよ。

2.きんかんは上下を残し、表面に浅く5〜6か所切り込みを入れる。

【ポイント】
・きんかんを熱湯に入れると内部が膨らみ破裂するので、破裂防止のために切り込みを入れたり、竹串などで皮に10か所ほど穴を開けたりします。
・皮に切り込みや穴を開けることで内部まで煮汁が染み込み、とろっとジューシーな食感に仕上がります(切り込みを入れた方が染み込みやすいです)。
・きんかんの上下を残さずに切り込みを入れたり、あまりたくさん切り込みを入れたりすると、煮ている途中で皮が切れて形が崩れ、きれいに仕上がらないので注意してくださいね。

<切り目の入れ方>
◆手できんかんを持ち、包丁のアゴで切り込みを入れて切り目を入れる。

【ポイント】
・まず、きんかんに包丁のアゴで切り込みを入れてから切ると切りやすいです。そのままアゴだけで切り目を入れたり、切り込み部分から包丁をスッと動かして切り目を入れたり、切りやすい方法で入れてください。
・均等な幅でぐるっと1周切り込みを入れてください。

◆手で持って切るのが難しい場合は、まな板にきんかんを置いてアゴで切り込みを入れ、包丁をスッと動かして切り目を入れてください。

3.切り込みを入れたきんかんの上下を指で挟んで押し、切り込みの隙間を広げて竹串で種を取る。

【ポイント】
・切り込みの隙間を広げることで種が取りやすく、味が染み込みやすくなります。

【ポイント】
・きんかんは種が多く、口に入れたときに口当たりが悪くなるので竹串で種を取っています。種を取ると実が崩れやすくなるので、気にならない場合は取らずに作っていただいても大丈夫です。
・きんかんのワタにはペクチンが含まれるので、切り込みの隙間を広げることでペクチンが溶け出しやすくなり、甘露煮にしたときに中がとろっとした食感に仕上がります(種にもペクチンが含まれるので、種を取らずに作ると少し食べにくくはなりますがとろっとジューシーに仕上がります)。

4.鍋にお湯を沸かし(分量外)、沸騰したらきんかんを入れて3分ゆでる。

【ポイント】
・きんかんには、はっさくやグレープフルーツなどミカン科植物の果皮に含まれる苦味成分「ナリンギン」が含まれているため、下ゆでして苦味を取ります。
・「ナリンギン」は水溶性のポリフェノールなので、きんかんの苦味が多い場合は、2〜3回ゆでこぼしたり、下ゆでしたあとに水に1時間ほどさらすと、ナリンギンが水に溶け出し苦味が取れやすくなります。
・苦味がきつい場合は重曹を加えて下ゆでしていただいても。その場合は水で下ゆでしたときよりも皮もやわらかい仕上がりになります。
・完熟したきんかんは苦味が少ないので、完熟したものを使用する場合、生の状態で食べて苦味がなければ下ゆでなしで作っていただいて大丈夫です。

5.鍋に水、砂糖、本みりんを入れて火にかけ、混ぜ合わせて砂糖が溶けたらきんかんを加え、沸騰したらアクを取る。

【ポイント】
・砂糖を溶かしてからきんかんを加えないと、砂糖が焦げ付いたり、きんかんにシワが入る場合があるのでしっかり溶かしてから加えてください。
・あまりグラグラと沸騰させ続けると煮崩れやすくなるので、ふつふつと沸騰したらアクをすくって火を弱めてください。
・酸味のあるきんかんを煮込むので鋳物のホーロー鍋を使用しています。アルミは酸に弱いのでアルミ鍋は使用しないでください。鉄鍋を使用する場合は長時間鍋に入れたままにせず、できあがったら取り出してくださいね。
・今回は、砂糖の分量を減らして本みりんでコクと照りを出して作っています。砂糖の分量はお好みで調整してください。日持ちさせたい場合は砂糖をきんかんの重さの50〜60%加え、酢やレモン汁を入れて作ってください。

6. クッキングシートで落とし蓋をして火を弱め、20〜30分煮る。

【ポイント】
・空気に触れるときんかんにシワが入ってしまうので、必ず落とし蓋をしてください。
・木や金属の落とし蓋を使用すると、落とし蓋の重みできんかんがつぶれる可能性があるので、クッキングシートを丸く切り、中心に切り目を入れて落とし蓋にしています。
・アルミは酸に弱いので、アルミホイルなどで落とし蓋はせずクッキングシートで落とし蓋をしてください。
・きんかんの大きさで煮る時間が変わるので、様子を見て調整してください。

7.火を止め、仕上げに醤油を加えてそのまま冷ます。

【ポイント】
・仕上げに少量の醤油を加えることで、香り良くまろやかな甘さに仕上がります。入れずに作っても美味しく仕上がるのでお好みで加えてください。
・アツアツのきんかんは衝撃に弱く崩れやすいので、丁寧に扱ってください(冷めてから器などに入れると崩れにくいですよ)。
・急激に温度が変わるときんかんにシワが入ってしまうので、火を止めて落とし蓋をしたまま冷ましてください。
・ゆっくり冷める間にきんかんの内部にもシロップが染み込み、美味しく仕上がります。

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【基本のきんかんの甘露煮】咳・喉の痛み・風邪予防に!

 

きんかんの甘露煮の保存方法

・清潔な容器にシロップごと入れ、冷蔵庫で保存して1週間を目安に食べ切ってください。シロップが濁ってきた場合は、シロップだけ煮詰め直し、冷ましてからもう一度漬けてください。
・冷凍する場合は、1回に食べる分量ずつラップに包み、ジッパー付き保存袋に重ならないように広げて入れ冷凍してください(ステンレストレーに置いたり、保存袋をアルミホイルで包んで冷凍したりすると急速冷凍することができます)。1か月を目安に食べ切ってくださいね。

 

きんかんの甘露煮の食べ方

きんかんの甘露煮は、そのまま食べるのはもちろん、炭酸水で割ったり、お湯を注いで「きんかん茶」にしたり、ヨーグルトやアイスにかけたりしても美味しく食べられますよ。

 

きんかんの保存方法

きんかんは、涼しい場所であれば冷蔵庫に入れずに1週間保存できます。

 

冷蔵保存する場合

乾燥しないようにキッチンペーパーに包み、ジッパー付き保存袋やポリ袋に入れて野菜室で保存してください。冷蔵保存で2週間保存できます。

 

冷凍保存する場合

洗って水気をしっかり拭き、ヘタを取ったきんかんを半分に切る。種を取ってジッパー付き保存袋に重ならないように広げて入れ、冷凍する(ステンレストレーに置いたり、保存袋をアルミホイルで包んで冷凍したりすると急速冷凍することができます)。

冷凍したきんかんは半解凍してそのままシャーベットのように食べたり、ジャムなどの煮込み料理に使用してください。1か月を目安に食べ切ってくださいね。


昔からのど飴や生薬にも用いられるくらい栄養豊富なきんかんは、皮ごと手軽に食べられ、サラダやジャム、肉料理や魚料理などにもアレンジ自在! ぜひ毎日の食卓に積極的に取り入れて、風邪知らずな冬を過ごしてくださいね。


これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら

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