世界三大スープのひとつ「トムヤムクン」
「世界三大スープ」をご存知ですか? 甲乙つけがたいためなのか4つ挙げられることが多いのですが、フランスの「ブイヤベース」、ロシアの「ボルシチ」、中国の「フカヒレスープ」、そしてタイの「トムヤムクン」といわれています。
タイ語でトム=煮る、ヤム=混ぜる、クン=えびという意味で、えびをはじめとしたたくさんの具材が入っている辛くて酸っぱいスープです。トムヤムクン味のスナックやインスタントヌードルなども発売されており、日本人にも人気がありますよね。
私は十数年前にタイ旅行に行ったとき、現地の料理教室でトムヤムクンを教えてもらったのですが、すべての材料をぶつ切りにして調味料とともに鍋に入れ、煮立ったら完成! というとてつもなくシンプルでいい意味での適当さに驚き、それなのにすべての材料の味がクリアで素晴らしく美味しいことに衝撃を受けました。タイ料理に魅了されてしまったのは間違いなくこの瞬間だったと思います。
タイの市場で買える新鮮なハーブ類や、日本ではなかなかお目にかかれない生のフクロダケなど、現地ならではの材料の美味しさのおかげももちろんあるのですが、今回は日本で手に入れやすいもので美味しいトムヤムクンを再現したいと思い、レシピを作りました!
基本のトムヤムクンの作り方
https://oceans-nadia.com/user/196104/recipe/440676
【材料(2人分)】
干しえび 6g
水 大さじ1
Aコチュジャン 大さじ1
Aラー油 小さじ1
Aおろしにんにく 小さじ1/2
A砂糖 小さじ1
しょうが 15g
レモングラス 4本(なくてもOK)
乾燥唐辛子 2本
赤玉ねぎ 40g(1/6個)
しめじ 40g
トマト 1/4個
赤えび 2尾
水 400ml
鶏がらスープの素 小さじ2
ココナッツミルク 大さじ3
ナンプラー 大さじ1
砂糖 小さじ1
レモン汁 1/2個分(約大さじ1と1/2)
パクチー 適量
【作り方】
1.干しえびは水大さじ1につけてやわらかくし、みじん切りにする。
【ポイント】
5分ほどつけるとやわらかくなるので、包丁で叩いてみじん切りにします。戻した水にもうま味が出ているので捨てずに取っておきます。
2.Aに1を加えて混ぜる。
【ポイント】
トムヤムクンを作る際に使うナムプリックパオ(チリインオイル)というタイの調味料の代わりにこのペーストを作ります。干しえびの戻し汁も一緒に加えてください。
3.しょうがは皮付きのままよく洗って、3mm厚さの薄切りにする。 乾燥唐辛子は種を抜く。
【ポイント】
画像の細長いハーブ、レモングラスは本来は根元の部分を使いますがハーブコーナーに売られている緑色のものを使用しています。手に入らない場合はなくてもOKです。
4.レモングラスはだしに使いますが鍋のサイズによっては長すぎて入らないので、画像のように結んでもOKです。手を切らないように注意してください。
5.赤玉ねぎは半分の長さに切り、薄切りにする。 しめじは石づきを取り除きほぐす。トマトはひと口大に切る。
【ポイント】
これらの野菜からうま味が出ます。さっと煮込んで仕上げるスープなので、火通りが良くなるように大きさや薄さを均一に切ります。
6.赤えびは足とひげをキッチンばさみで切り落とし、さっと洗う。 竹串を使って背ワタを取り除く。
【ポイント】
えびの口のあたりに砂がついている場合があるので確認してください。えびは殻を手でむいて食べるので、足を取り除いておくとあとで食べやすいですよ。
7.鍋に水としょうが、レモングラス、乾燥唐辛子を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして3分ほど煮出す。
【ポイント】
ハーブでだしを取ります。ほんのりと水が黄色っぽく色づいて香りが立ってきたらOKです。
8.鶏がらスープの素、赤えびを加えてさらに3分ほど煮込み、えびのだしを出す。
【ポイント】
えびは具材としてももちろんいただきますが、だしの役割もします。殻付きの有頭えびを使うことで短時間で濃いだしが取れます。有頭えびが手に入らない場合は、ブラックタイガーなどの無頭えびでもOKです。サイズが小さい場合は4〜6尾使ってください。
9.赤玉ねぎ、しめじを加えて火が通るまで煮る。
【ポイント】
くたくたに煮るというよりは、さっと火を通して食感を残すくらいで大丈夫です。
10.2のペーストとココナッツミルク、ナンプラー、砂糖を加えて混ぜる。 トマトを加えて1分ほど煮たら火を止めて、レモン汁を加える。
【ポイント】
トムヤムクンには、ココナッツミルクの入らないクリアなタイプのナムサイ、ココナッツミルクの入るナムコンの2種類があります。今回は濃厚でクリーミーなナムコンです。レモン汁は煮立てすぎると酸味と香りが飛んでしまうので、火を止めてから加えてください。
11.器に盛り、刻んだパクチーを添える。しょうが、レモングラス、唐辛子は具として食べられないので、盛り付けるときに取り除いてもいいです。
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トムヤムクン
ぐつぐつと長時間煮込んだスープと違い、具材のフレッシュな食感や味わいを楽しんでいただけると思います。ぜひできたてを食べてくださいね。辛味、酸味、えびや野菜のうま味、ひと口でいろいろな味があふれてクセになる美味しさです。あとからじわじわとくる辛さに汗をかきながら食べるのがたまりません。
ゆでた中華麺を加えてトムヤムラーメンにするのも美味しいです。その場合少し塩やナンプラーを足してスープの味を濃いめにするとちょうどいいですよ。この夏、おうちで手軽に世界三大スープのひとつを楽しんでみてはいかがでしょう。
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