おうちでもマカロンが作れる!
色とりどりでかわいくパティスリーで大人気のマカロン。サクッと軽い皮にくちどけの良いクリームやみずみずしいジャムがサンドされ、さまざまな味わいが楽しめる小ぶりのお菓子です。
卵白、砂糖、アーモンドパウダーから作られるマカロン、ポイントを押さえればおうちでも作ることができます。でも「マカロンを作るのは難しそうだからチャレンジできない」「一度挑戦してうまくいかなかったからそれ以来作っていない」という声もよく聞きます。たしかにマカロンづくりには難関がいっぱい!
私自身も本当に何度も何度も失敗を繰り返してきました。悔しくて悔しくて来る日も来る日も朝から晩まで焼き続けたこともあります。そんな中で分かったことや私なりの工夫、コツ、失敗の原因やその対処方法など、できるだけ詳しくお伝えしたいと思います。
本当に美味しいマカロンの作り方
【材料(マカロン10個分)】
<マカロンコック(マカロンの皮)>
卵白 35g
グラニュー糖 30g
バニラビーンズ(バニラペースト) 少量
アーモンドパウダー 40g
粉糖 40g
<バタークリーム>(下記分量でできあがったうちの半量を使用します)
卵黄 1個分
グラニュー糖 20g
牛乳 60ml
バター(食塩不使用) 100g
バニラビーンズ(バニラペースト) 少量
・グラニュー糖は製菓材料専門店で手に入る微粒子(細目)グラニュー糖を使うのをおすすめします。
・アーモンドパウダーは鮮度の良いものを使ってください。油の回った古いものではうまくできません。
マカロンコックの作り方
【下準備】
・オーブンを100℃に予熱する。
・オーブン天板にオーブンシートかシルパットを敷いておく。(生地がぴったり張り付いてよれない方がうまくいくので、オーブンペーパーはおすすめしません)
・アーモンドパウダーと粉糖を合わせてザルでふるっておく。(目の細かいふるいではアーモンドパウダーが詰まるので、ザルを使用します)
1.ボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーでふわっとかさが増すまで泡立てる。
2.グラニュー糖のうち半量を加え、ハンドミキサーの高速で1分半泡立てる。残りのグラニュー糖を加え、高速でさらに2分、低速にして1分泡立てる。
【ポイント】
緩いメレンゲだと、このあとのマカロナージュという工程で失敗しやすくなるので時間をかけてしっかり、みっちりとしたメレンゲを作ります。全体をしっかり泡立てるため、ボウルとハンドミキサー自体も回しながら泡立てます。
3.バニラビーンズ(バニラペースト)を少量加え、合わせてふるったアーモンドパウダーと粉糖を加える。
4.ゴムベラで切るように5回、底からすくって生地をひっくり返すようにのを1回、これを合わせて6回繰り返す。混ぜ終わりはまだムラがあってぼそぼそした状態。
5.底からすくって生地をひっくり返すのを20回行う。混ぜ終わりは少しなめらかになっています。
6.ゴムベラで、ボウルの側面に生地を張り付けるように薄く伸ばす。(これがマカロナージュという工程です)
【ポイント】
マカロナージュを行うことでメレンゲの泡をつぶし、気泡を均一化し生地の流動性を高めます。液状化した卵白が薄い膜になり、つやっとした見た目ができあがります。この作業がマカロンの特徴的な工程です。
伸ばし残しの生地が出ないよう、均一に行うことが重要です。特に中央部分に生地が残りやすいので、必ず中央の生地もゴムベラで伸ばします。力を入れる必要はなく、優しくボウルの内側をぐるりと一周するイメージ。生地の伸ばしムラをなくすためボウルもときどき回し方向を変えてすべての生地を均一に伸ばすようにします。
7.伸ばした生地をきれいに集める。6、7を合わせて10回行う。
【ポイント】
ここでも生地が均一な状態になるように、きれいに集めるようにします。
8.伸ばして集めるのを10回行ったら生地をゴムベラですくって垂らしてみて生地の状態を確認する。途切れてボタボタと落ちるようなら6、7を2回追加してまた垂らして生地の状態を確認する。途切れそうになりながらも途切れず、細くなってもつながってタラタラと垂れるくらいのゆるさがちょうどよい。その状態になるまで6、7を1~2回ずつ追加していく。
【ポイント】
マカロナージュが足りないと、焼いたときに生地が割れる原因になります。マカロナージュをやりすぎると、いびつな形になったり、しわができたり、もろい生地になって割れやすくなったりします。
垂らした生地は積み重なって、しばらくして跡が消えていくくらいのかたさです。いつまでも跡が消えないのはマカロナージュ不足、積み重ならずすぐに消えてしまうのはマカロナージュ過多です。
9.1cmの丸口金を付けた絞り袋に生地を入れる。
【ポイント】
生地を作り始める前に、口金を付けた絞り袋を大きめのコップや計量カップなどにセットして生地を入れやすいようにしておくと良いです。
10.天板に3cmを目安に絞り出す。天板を下からポンポンと叩いて、生地の中の大きな空気を抜き、生地を広げる。
【ポイント】
オーブンシートやシルパットの下に、3cmの円を描いた紙を敷いて絞り出す大きさの目安にしてもいいです。できるだけ同じ大きさに絞り出さないと、焼け具合が変わってしまうので、1枚の天板に絞り出す生地の大きさはそろえます。
11.100℃に予熱したオーブンのスイッチを切り、天板を入れて5分生地表面を乾燥させ取り出す。
【ポイント】
オーブンのスイッチは必ず切った状態で天板を入れます。天気や季節に左右されず、生地を乾燥させるため、この方法を取っています。このレシピはフレンチメレンゲというメレンゲの作り方なので、長時間放置すると気泡がつぶれて安定性がなくなりやすいため、短時間で乾燥させるこの方法が失敗を減らせます。
乾燥させすぎるとうまく焼けないので、タイマーをセットして5分で取り出します。取り出した時点ではまだ手で触れるとくっつく状態でも、この後オーブンの予熱を行っているうちに乾燥が進むので大丈夫です。
12.オーブンを160℃に予熱開始する。
【ポイント】
オーブンによっては庫内温度が上がりにくく、予熱160℃では生焼けになったり、ピエ(生地の底の周りに出るフリフリした部分)が出にくいことがあるので、一度焼いて生地の状態を確認して予熱温度を調節する必要があります。
13.予熱の終わったオーブンに天板を入れ、140℃に下げて15分を目安に焼く。
【ポイント】
オーブンの設定温度、焼時間についてもオーブンによってかなりの差があり、この温度ではうまく焼けないことがあります。
140℃15分で生焼け(オーブンシートから外れずべたべたしている)の場合は、設定温度を上げてみてください。
また、うちのオーブンの場合はこの温度でも5分以上焼くと焼き色が付きすぎるため、ピエが出た時点で1段上に天板を1枚入れて上からの熱を抑えてさらに焼くという方法を取っています。オーブンによって焼き色が付きすぎる場合は、途中でアルミホイルをかぶせるなどの工夫が必要なことがあります。
14.天板のまま冷ます。
【ポイント】
天板の余熱を利用して、底面を固めます。オーブンから出してもすぐには生地を動かさずに、そのまま冷まします。
失敗の原因と対処方法
(1)ピエが出ない(ピエというのは生地の底の周りに出るフリフリした部分)
・メレンゲの泡立て不足…このレシピではしっかりと時間をかけて泡立てる方法を取っているため、これについては大丈夫だと思います。
・乾燥不足…これもこのレシピではオーブンで乾燥させる方法なので大丈夫だと思います。
・オーブン火力不足…オーブンによっては予熱完了のアラームが鳴っていても、その温度に全く達していない場合があります。また冬場など気温が低い場合、オーブンを開けたことで庫内が一気に冷えて温度が下がってしまうことも考えられます。オーブンの予熱温度を高めに設定して再チャレンジしてみてください。
・乾燥させすぎ…乾燥させすぎて、ピエの出るべき部分まで乾燥で固まってしまった場合、ピエが出ないことがあります。オーブンを使った乾燥は、長時間にならないよう注意してください。
・マカロナージュ不足…生地の流動性が低く、横に流れ出ずに浮き上がってしまったため。次回はマカロナージュの回数を増やしてみてください。
(2)ひび割れ
・乾燥不足…自然乾燥の場合、乾燥が足りず表面の膜ができていないことでひび割れることがあります。
・マカロナージュ不足…気泡をつぶし足りないことにより、膨らむ力が強く必要以上に膨らんで割れてしまいます。次に作るときはマカロナージュの回数を増やしてみてください。
・オーブンの温度が低い…表面が焼き固まる前に膨らんでしまうことによるものです。次回から予熱温度を高めにしたり、長めに予熱を行って調節してください。
(3)しわができる
・メレンゲの泡立て不足…このレシピでは時間をかけてメレンゲを作るので大丈夫だと思いますが、泡立て不足のゆるいメレンゲを使うとマカロン表面が薄くなり保形性が悪く、しわになることがあります。
・マカロナージュのしすぎ…上記と同じ理由になりますが、メレンゲをつぶしすぎてしまった場合も保形性が悪くなり、しわになることがあります。
(4)空洞ができる
・焼き不足…焼き足りず、中の生地がしぼんでしまうことによるもの。次回は焼き時間やオーブン温度の調節が必要になります。
・メレンゲの泡立て不足…メレンゲの力が弱く、膨らんで安定する力がないことが原因です。メレンゲは見た目では判断しにくいため、時間をかけてしっかり泡立てます。
・マカロナージュ不足…生地が浮き上がりすぎて空洞ができやすくなります。
・乾燥させすぎ…乾燥時間が長いことによりメレンゲの力が弱くなってしまうため。これを防ぐため、オーブンで短時間の強制乾燥を行っています。
・鮮度の良い卵白を使っている場合…泡立ちが良いため、生地が浮き上がる力が強く浮いた分空洞ができやすいこともあるようです。一度冷凍保存した卵白を使ったり、割って数日冷蔵庫に入れたものを使うと解消されることもあるようです。
(5)油じみ
焼き上がり後に表面に油が浮いたようなしみができることがあります。
これはココアや抹茶など油分が含まれるものが材料として使われるときに起こりやすくなります。マカロナージュの回数を抑えることで防ぐことができます。
また長期保存した古いアーモンドパウダーを使うと、アーモンドパウダーの油脂分が浮き出て油じみができることがあるそうです。
ご覧のように、マカロンの失敗原因は多岐にわたり、どれが原因と特定するのは難しいです。同じような失敗でもそのたび原因が違っていることもあるので一つ一つ、クリアしていくしかないと思います。オーブンシートを使うか、シルパットを使うかの違いだけでも変わることがありますよ。
砂糖がたくさん入るので、気になる方もいるかもしれませんが、砂糖の量は減らしてはいけません。メレンゲの安定性が低くなったり、生地の密度が変わり失敗の原因になります。
バタークリームの作り方
1.卵黄をボウルに入れグラニュー糖を加えてすり混ぜる。
2.牛乳を鍋に入れて沸騰直前まで沸かす。
3.温めた牛乳を卵黄のボウルへ少しずつ加え、よく混ぜる。
4.鍋に戻し入れ、弱火で混ぜ続けながらとろみがつくまで加熱する。できあがったら冷ましておく。
【ポイント】
強火で加熱すると卵が固まってぼそぼそになり食感が悪くなるので、混ぜながら弱火でゆっくりと加熱してください。なべ底をゴムベラでこすってみて筋がつくのが目安です。
5.バターを電子レンジでやわらかくし、冷ました4を少しずつ加えてよく混ぜる。
【ポイント】
4が熱いうちに混ぜるとバターが溶けてドロドロになり、うまく混ざらなくなるので、必ず冷ましてからバターと混ぜます。
6.バニラ味にする場合はバニラビーンズ(バニラペースト)を加え香りをつける。
できたバタークリームの半量を使用します。残りはぴったりラップで包んで冷凍保存可能です。冷凍庫内での臭い移りに注意してください。使うときは電子レンジでやわらかくし、ゴムベラで均一な状態に練って使います。
仕上げ
バタークリームは口金(丸でも星でもお好みで)を付けた絞り袋に入れ、マカロンコックの平らな面に絞り出しもう1枚のマカロンコックで挟む。クリームが端までいきわたるように少し押さえる。冷蔵庫で一晩寝かせてなじんだらできあがり!
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徹底解説!基本のバニラマカロン
失敗しても大丈夫!リメイクレシピ
もしマカロンコックが焼過ぎや生焼けでうまく焼けず、そのまま食べるには美味しくできなかった場合は、ラスクにしてリメイクすることができます。このラスクを使ってさらにアレンジしたお菓子のレシピもあります。
●詳しいレシピはこちら
マカロン失敗はもう怖くない!めちゃうまっ♪ラスク
基本を作ったらこちらも!アレンジレシピ
抹茶マカロン
マカロンコックとバタークリームに抹茶を混ぜています。抹茶を入れるとメレンゲがつぶれやすいので、混ぜの回数を減らしています。
●詳しいレシピはこちら
抹茶マカロン
桜マカロン
こちらはマカロンコックにジェルカラーで色付けして淡いピンク色にすることで桜をイメージしています。中には桜あんを挟んだ和菓子のような味わいのマカロンです。
バタークリームを作らず桜あんとバターを混ぜるだけのクリームをサンドしても美味しく作れます。
●詳しいレシピはこちら
春爛漫♪桜マカロン(フレンチメレンゲ)
難易度の高いお菓子ですが、コツをつかめば色を変えたりコーヒーや抹茶で味と香りをつけたり、バタークリームを使用せずチョコレートガナッシュやジャムをサンドするなど自由自在に楽しむことができるマカロン。ぜひチャレンジしてみてください。
これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら
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