バスクチーズケーキとは?
スペインとフランスの国境に走るピレネー山脈の西側、独特の言語や文化を持つスペイン・バスク地方。スペインとフランス両方の食文化を取り入れ、近年、美食の街として世界から注目されています。
碁盤の目のように広がる旧市街は、右も左もバル、バル、バル…グルメ通をも唸らせる名店が建ち並ぶ、人気のバル街。訪れる人は1軒のバルで長居するのではなく、このバルではいわしの酢漬け、あちらのバルではオムレツ、煮込み料理は向こうのバルという具合に、それぞれの看板メニューをつまんで次のバルへ“はしご”するスタイルを楽しみます。
そんなバル街の片隅に、『LA VINA(ラ・ヴィーニャ)』という人気バルがあります。LA VINAを訪れる人たちの一番のお目当ては、タパスではなくチーズケーキです。表面を黒く焼き焦がすことで、芳醇な香りと香ばしさが生まれ、まるでカラメルをかけたような味わい。カットすると、ギリギリ形を保てるか保てないかという、とろりクリーミーな断面。シンプルでありながら衝撃的な美味しさに、一度食べた客は必ず戻ってくると言われています。
基本のバスクチーズケーキの作り方
【材料(直径18cmの丸型1台分)】
クリームチーズ 400g
生クリーム 200ml
卵 3個
きび糖 120g(白砂糖・グラニュー糖で代用しても)
薄力粉 小さじ1
【作り方】
1.クリームチーズは冷たいと混ぜにくいので、常温にしておきます。レンジにちょいがけすると簡単。ふんわりラップをして電子レンジに1分ほどかけ、なめらかなクリーム状に練っておきます。
2.卵を溶き、クリームチーズに混ぜます。一気に入れると分離しやすいので、卵は少量ずつ、4~5回に分けて加え都度よく混ぜます。クリームチーズ同様、卵も冷蔵庫から出したてではなく、常温にしておくと混ざりやすくなります。
3.きび糖、薄力粉、生クリームの順に混ぜていきます。薄力粉はダマになりやすいので、茶こしでふるい入れます。混ぜ方は、ホイッパーをボウルの底につけたまま、グルグル回す混ぜ方でOK。空気を含ませるふんわり仕上げではなく、ぎゅっと詰まったしっとり仕上げを目指します。
【ポイント】
ベーキングシートを水で濡らしてギュッと絞り、型に添わせるように敷き詰めます。敷き紙をクシュクシュッとさせることで、側面のランダムな焼き色が生まれます。
4.敷き紙の上に、生地をそっと流し入れます。
5.250℃に予熱したオーブンで30分焼きます。焼きあがったら庫内に置かず、すぐ取り出して常温になるまで休ませます。焼き上がりはふっくら膨らんでいますが…
薄力粉をごくごく少量しか使っていないため、ゆっくり沈んでいきます。崩れてしまいそうなやわらかさなので、型から出すのも両手で包み込むように、慎重に。ずっしりとした重みがなんとも心地よく、ひときわ愛しい気持ちにさせます。
焦がしたかも! 生焼けかも! と不安にさせる仕上がりかもしれませんが、中央とろりのクリーミーな食感がバスチーの醍醐味です。チーズケーキは冷やすのが一般的ですが、ラヴィーニャでは常温でいただきます。粗熱がとれたら召し上がれ♪
保存方法
すぐに食べないときは冷蔵庫で保存し、数十秒レンジにかけ常温にしていただくのがおすすめ。冷凍庫なら3週間ほど保存できます。におい移りしやすいので、ラップ&冷凍用保存袋に入れるなどのケアをしてあげてください。
トースターで焼く場合
ベーキングシートに引火しないよう、型からはみだした部分はきっちり切り取っておきます。メーカーにより仕上がりが大きく変わってくるため、温度・焼き時間は様子を見ながら調整してください。
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ラヴィーニャのバスク風チーズケーキ
おやつや食後のデザートはもちろん、ワインのおつまみにもなるチーズケーキ。LA VINA(ラ・ヴィーニャ)を訪れる人たちは、みなさん赤ワインのお供に楽しんでいます。グラスの飲み物は違っても、親子で一緒に楽しめるのもうれしい! 特別な「美味しさ」だけではない、語れるストーリーのあるチーズケーキ。手土産や差し入れに、コミュニケーションも一緒にお届けしてみるのも素敵ですね。
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