煮物、汁物、揚げ物など、色々な料理で楽しめるごぼう。どの切り方にすると一番おいしく食べられるか、食べやすくなるかを考えることで、料理上手に近づけるはず。
ごぼうには11月〜2月に旬を迎えるものと、初夏に旬を迎えるものがあります。食感をしっかり楽しみたい場合は、秋冬のごぼうを使うのがおすすめ。一方、初夏に出回る新ごぼう、夏ごぼうは、柔らかさを楽しみたい時に使うとよいでしょう。
今回は、ささがき、細切り、乱切りの3パターンの切り方について、どんなふうに使い分ければいいのかも覚えながら練習していきましょう。
[切り方1]ささがき
ごぼうを削ぐように薄く切る“ささがき”。「笹掻き」と書き、笹の葉に似た形になることからこう呼ばれています。ごぼうを薄く使いたい、特に火を通りやすくしたい時におすすめの切り方です。
ささがきは“鉛筆をナイフで削るように”と例えられることも多いですが、そもそも鉛筆を削ったことがない人にとっては、ちょっとハードルが高いですよね?
でも、このやり方なら簡単! まず、ささがきをする前にごぼうの長さ3分の1の長さに十字の切り込みを入れておきます。このひと手間で薄く削ぎやすくなります。
そして、十字に切り込みを入れて4等分したうちの1本ずつを削っていきましょう。まず、ごぼうを持った方の手で少しずつまわしながら、包丁を寝かせて薄く削いでいきます。この時、包丁の位置は変えないことと、包丁を手前(自分側)に引く動きを意識することでリズミカルに切ることができます。
4つに分かれた1本の先が削ってきたら、また別の1本を削いでいきます。細く尖った鉛筆のような形になったらまた切れ込みを入れ、同じ動作をくり返していくだけです。
薄さを均一にすることで食感もよくなります。よく研いだ包丁を使い、くり返し練習するうちに、きっと上手にできるようになるはずです!
「ささがき」を使ったレシピはこちら
ごぼうと牛肉の柳川風
https://oceans-nadia.com/user/11937/recipe/143149
[切り方2]細切り
ごぼうは斜めに切ると繊維を断ち切ってしまうので、縦に切ることで食感を楽しむことができます。細切りは食感を楽しみ、しっかり火を通したい料理に適した切り方です。定番のきんぴらごぼうなどによく使われる切り方です。
細切りは他の野菜でも使いますが、切り方も同じです。まず1本を同じ長さに切ります。通常だったら、ここで1枚ずつ切っていくと思いますが、ごぼうがぐらぐらしてしまい不安定で切りづらいという経験はありませんか? ごぼうを安定して切るコツがあります。まず1切れだけ切ったら平らな面ができあます。そこを下にすることで切りやすくなります。
平らな面を下にして1〜2mmの厚さに切っていきます。
その後は薄く切ったごぼうをスライドさせて置き、細く切っていきます。
「細切り」を使ったレシピはこちら
ごぼうのかき揚げ
https://oceans-nadia.com/user/11937/recipe/143150
[切り方3]乱切り
乱切りは3つの切り方の中でも、ごぼうの食感をたっぷり味わえる切り方。切り口が多いことで断面が増え、煮汁などが染み込みやすくなります。
一般的な乱切り同様、ごぼうを転がしながら、均一な長さになるように斜めにカットしていくだけでOK。
縦に長い乱切りにすることで、ごぼうの繊維を断ち切らず、食感を残すことができます。筑前煮などにも向いている切り方です。
「乱切り」を使ったレシピはこちら
ごぼうと赤ワインのそぼろきんぴら
https://oceans-nadia.com/user/11937/recipe/143152
カットしたら水にさらす!でもやり過ぎに注意
カットしたごぼうは水にさらしてから調理します。水にさらすのは、アク、土くささを適度に取るためですが、時間が長すぎると香りも飛んでしまうのでさらし過ぎに注意を! さらす時間は15分程度でよいでしょう。
ごぼうの色をキレイに出したい料理に使う場合は酢水を使いますが、酢水ではアク抜きの効果はほとんどありません。アクよりも色味重視の場合だけにしましょう。
ごぼうの用途や盛りつけによっても切り方を使い分けて、この秋冬は色々なごぼう料理を楽しんでくださいね♪
写真:吉田朱里 文:伊ケ崎 加寿江