辛さと風味を楽しむ「七味唐辛子」
七味唐辛子は、唐辛子をメインにさまざまな香辛料を混ぜて作られる、日本のミックススパイスです。山椒、麻の実、ごま、大葉、陳皮、けしの実、しょうが、青のりなどを混ぜて、辛さだけではなく風味を楽しむテーブル調味料ですね。
唐辛子は南米原産。大航海時代、コロンブスがヨーロッパに持ち帰ってから全世界に広まりました。日本に伝来したのは諸説ありますが、16世紀中頃といわれています。当初は食べるものというより観賞用や薬としての役割だったという記述が多く、七味唐辛子が生まれたのは、日本に唐辛子が入ってきてから100年ほど後の江戸時代、現在の東京・日本橋にあった薬研堀(やげんぼり)という地域です。
薬研堀は「薬」という言葉が入っている通り、医者や薬屋が多い場所だったそうです。その中で薬として使われていた唐辛子を漢方薬のようにブレンドして、食べやすい「七味唐辛子」が生まれたといわれています(ちなみに、七味唐辛子は関西での呼び名。発祥の地江戸では「七色唐辛子」といいます)。
美味しさ・薬効・おもしろさが七味唐辛子の魅力
この食べやすくなった唐辛子「七味」が江戸から全国に広まるまで、あまり時間はかからなかったようです。そのころの七味唐辛子売りは、材料を別々の容器に入れて、客の目の前で調合するもので、その売り口上がおもしろい大道芸の一種でもあったようです。
少し前まで、東京の縁日でも見ることができたそうです。縁日といえば寺社。薬効が期待されたからというのもありますが、今も寺社の門前に七味屋があるのはその流れなのかもしれませんね。
薬効があって料理が美味しくなり、おもしろい。七味唐辛子があっという間に全国に広まったのは、そんな複合的な理由があったのではないでしょうか。
間違いなしの味、専門店の七味唐辛子
七味唐辛子は、さまざまな食品メーカーから出されていますが、「三大七味」といわれる七味唐辛子専門店があります。
約390年の歴史を持つ『東京・浅草のやげん堀』、約360年の歴史の『京都・清水の七味家本舗』、約280年の歴史の『信州・善光寺の八幡屋礒五郎』です。それぞれが東京・浅草寺、京都・清水寺、長野・善光寺という大きな寺院の門前に店を構えているので、お土産で購入したり、いただいたりしたことがあるかもしれませんね。
「やげん堀」は先にお話しした通り、七味唐辛子の発祥の店。江戸時代に初代が七味唐辛子を考案してから今も変わらず店舗で調合販売しています。何度か好みに調合していただいたことがありますが、それが江戸時代から続く製法だというのは、なんだか感動します。
七味唐辛子を使ったとっておきのレシピ
家にある調味料で作る!パッタイ風焼きそば
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/466354
タイの米麺で作る「パッタイ」を、焼きそば麺でアレンジ! タイの調味料がなくても、家にあるもので美味しく作ることができます。七味唐辛子の複雑な辛味で、いつもの焼きそばとはひと味違いますよ。
●詳しいレシピはこちら
パッタイ風『七味焼きそば』
お酒がすすむ!ピリ辛ガーリックシュリンプ
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にんにく、バター、醤油に七味唐辛子を加えて、辛味でうま味引き立つガーリックシュリンプです。にんにくの風味にピリッとした七味唐辛子がよく合います。お酒のお供やご飯のおかずにどうぞ!
●詳しいレシピはこちら
七味で『ピリ辛ガーリックシュリンプ』
ご飯によく合う豚肉の七味味噌漬け焼き
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豚肉の味噌漬けに七味唐辛子をプラスして、ご飯がもりもりすすむおかずに。この「七味味噌」は鶏肉や魚にも合います。漬けておけば焼くだけですぐにメインのおかずが作れますよ。
●詳しいレシピはこちら
ご飯がすすむ『豚肉の七味みそ漬け焼き』
素材の味が引き立つ!ピリ辛ドレッシング
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七味の風味で素材の味が引き立ち、もりもり野菜が食べられるドレッシングです。オイルを使っていないので、ただ混ぜるだけでOK。手作りドレッシングはヘルシーで安心ですね。使う分だけ作れば、冷蔵庫の中が調味料のボトルでいっぱい! ということもなくなりますよ。
●詳しいレシピはこちら
野菜にも!肉にも!『ノンオイルピリ辛ドレッシング』
そもそもの日本の料理には辛いものが少ないので、七味唐辛子といえば、そばにかける、うどんにかける、焼き鳥にかけるなど、料理の味を引き立てる薬味としてトッピングするものですね。
今では日本食ブームで欧米でも七味唐辛子が売られています。アメリカでは、サラダやシーフード、カクテルにも利用されているとか。南米からヨーロッパを経て日本にたどり着き、七味唐辛子になってアメリカに渡る…、つまり世界一周したということです。七味唐辛子の美味しさは、世界共通なんですね。
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