日本の家庭に欠かせない、トマトケチャップ
トマトケチャップは、フライドポテトやソーセージに添えたり、ハンバーグのソースやチキンライスなどに使ったりする、日本の家庭に欠かせない調味料ですね。
トマトケチャップはトマトを煮詰めて、塩、砂糖、酢、スパイスなどを合わせた赤いソース状の調味料です。「ケチャップ」といえば、日本ではトマトケチャップのことを指しますが、きのこやフルーツから作ったものもあり、ルーツはなんとアジア。
諸説ありますが、ケチャップの祖先は約300年前、 中国南部から東南アジアで使われていた魚醤、魚の塩漬けソース「ケ・ツァップ」 という説が有力です。今もインドネシアではソース全般を「ケチャップ」といい、大豆の醤油は「ケチャップ・マニス」。その説を裏付けているように思います。アジアの魚醤がルーツというのは驚きですね。
その魚醤が大航海時代、イギリス人によってヨーロッパにわたり、イギリスではマッシュルームや牡蠣、くるみ、ベリーなどでケチャップが作られ、その後アメリカに伝わってトマトと出合うことになります。そして19世紀初頭に今のような赤いトマトケチャップとなったようです。
日本はトマトケチャップの使い方のバリエーションが、世界一!?
アメリカはトマトケチャップの最大の消費国。ですが、料理に使うというよりは、ホットドッグやフライドポテトなどにそのままつけて食べるテーブル調味料としての使用が多いそうです。日本には明治時代にアメリカから入ってきましたが、トマトケチャップの使い方のバリエーションは日本が世界一かもしれません。
そのままかけるのはもちろん、チキンライス、オムライス、ナポリタンなどなど、洋食にはトマトケチャップが調味料として欠かせませんし、えびチリや酢豚など日本式の中華料理にも欠かせませんよね。
東南アジアで生まれてヨーロッパで発達し、アメリカでトマトケチャップになって日本へ。ほぼ世界一周して日本の家庭料理に定着したという、歴史がギュッと濃厚に詰まった調味料なんですね。
料理によって使い分けるのがおすすめです
トマトケチャップは、イタリアで生まれたという説もありますが、トマト自体はアメリカ大陸が原産。各家庭で作られていたトマトケチャップを大量生産し販売したのは、アメリカの食品メーカー「Heinz(ハインツ)」です。世界中で見かけるあの逆さボトルのケチャップですね。1876年に登場以来、アメリカのトップブランドです。
日本のケチャップよりスパイシーで酸味が強めなので、テーブル調味料としてかけるのにぴったりです。洋食には日本のトマトケチャップ、ポテトやソーセージにはハインツが良いかもしれないですね!
トマトケチャップを使ったとっておきのレシピ
冷めても美味しい!懐かしの味のナポリタン
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/479266
トマトケチャップ味の日本生まれのパスタ「ナポリタン」は、懐かしさを感じる味わいが魅力ですよね。ベタベタになったり味が物足りなかったり、味付けが意外と難しいですが、このレシピで作れば、しっかり味がなじんで、冷めても美味しくいただけますよ。
●詳しいレシピはこちら
1つのコツでとってもおいしい!『ナポリタン』
ワンランク上の美味しさ!赤ワインソースのハンバーグ
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すりおろした玉ねぎが美味しさのポイントです。玉ねぎの水分でしっとりやわらかく仕上がります。お肉特有の臭みもなく、子どもにも喜ばれる味です。ソースは赤ワインを使うので、まるでお店の味ですよ!
●詳しいレシピはこちら
しっとり柔らかジューシー『赤ワインソースのハンバーグ』
ご飯がすすむ!鶏むね肉のチリソース煮込み
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陳建民氏が作った、日本生まれのえびのチリソース。チリソース煮はえびが一般的ですが、鶏肉や野菜で作っても美味しいですよ。手軽に素早く作れるのにとっても美味しいので、ぜひ作ってみてくださいね。ご飯のおかずとして最高です。
●詳しいレシピはこちら
ごはんがすすむ!鶏むね肉のチリソース煮込み『鶏チリ』
日本の家庭料理に、西洋や中華の料理が取り入れられるようになったのは、トマトケチャップの普及によるところが大きいと思っています。トマトにはうま味成分である「グルタミン酸」がとても多く、それを煮詰めたトマトケチャップは、濃厚なうま味があります。トマトをそのまま使うよりうま味が強くなるので、日本人にとって手軽に料理にうま味をつけられる洋風の調味料は、好都合だったのではないかと思います。
手軽に美味しく、味も歴史も凝縮したトマトケチャップ、これからも活用したいですね!
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