偶然から生まれた?紀元前から続くヨーグルトの歴史
朝の食卓でおなじみの「ヨーグルト」。デザートとしてフルーツやジャムなどと合わせて食べている方も多いと思いますが、実は「発酵調味料」としても優秀な食材です。
ヨーグルトとは、乳を乳酸菌や酵母の働きで発酵させたもので、数ある発酵乳製品の代表格。原料は牛乳だけでなく、ヤギ、羊、水牛、馬などさまざまな種類があります。
その歴史は古く、諸説ありますが紀元前6000~4000年頃の中央アジアが起源といわれています。遊牧民が絞った乳を木桶や革袋に入れておいたところ、偶然乳酸菌が入り込んで発酵し、ヨーグルト状になったのではないか、と考えられています。
世界中に広まったのは1900年代前半のこと。ロシアの微生物学者メチニコフ博士により「ヨーグルト不老長寿説」が発表され、注目されるようになったのがきっかけでした。
下ごしらえからソースまで!驚くほど多彩な活用術
日本では、本格的にヨーグルトが食べられるようになったのは、1970年の大阪万博で紹介されてから。まだまだ最近のことです。私たちにとって、もっぱらデザートとして食べられることが多いヨーグルトですが、発祥の地域周辺では、実は料理に使うのが一般的。
お肉をやわらかくするための下ごしらえに使ったり、煮込み料理に加えたり。サラダやスープはもちろん、パスタ料理やご飯料理、揚げ物、肉料理にかけるソースといったように、ありとあらゆる料理に使われています。
肉とヨーグルト、ご飯とヨーグルト…。ちょっと驚くかもしれませんが、程よい酸味と発酵のコクのあるうま味は、どんな素材とも相性良く、美味しさを引き立ててくれます。世界の料理をテーマにしている私のレシピも、ヨーグルトを使ったものが自然と多くあります。
一風変わった料理に思えるかもしれませんが、歴史と世界を見てみるとこちらが一般的。この機会にぜひ料理にヨーグルトを取り入れてみてください。
ヨーグルトの種類と違い
ヨーグルトの基本的な材料は原料乳と乳酸菌のみですが、スーパーには多種多様なヨーグルトが並んでいますね。フルーツなどが入った味付きのものを除いた違いは、主に「乳酸菌の種類」と「食感(製法)」にあります。

スーパーにはさまざまな種類のヨーグルトが並んでいます。
●菌による違い
各社が研究を重ねた独自の菌(ブルガリクス菌、サーモフィルス菌、ガセリ菌、ビフィズス菌など)が使われており、風味だけでなく乳酸菌は小腸で働き、ビフィズス菌は大腸で働くというように、整腸作用の得意分野が異なります。
●プレーン(無糖)
一般的によく食べられている基本のタイプ。クセがないのでデザートにも料理にも使いやすい。ホエイ(乳清)という水分が浮いてきます。
●ギリシャヨーグルト
ホエイを取り除いた水切り製法により、濃厚クリーミーで高たんぱく。フレッシュチーズのような濃厚さで、そのままスイーツとして食べたり、お菓子作りにも合います。
ぜひ好みや料理に合わせて、ヨーグルトの使い分けを楽しんでください。
ヨーグルトを使ったとっておきのレシピ
オーブントースターで♪タンドリーチキン風
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/375427
ポリ袋で鶏もも肉を漬け込んで、あとはオーブンやオーブントースターで焼いて完成するお手軽タンドリーチキンです。ヨーグルトを鶏肉にもみ込むことで、しっとりやわらかく仕上がり、コクも加わって本格的な仕上がりに! 半日漬け込めば、とっても美味しくなります。
●詳しいレシピはこちら
オーブントースターで♪タンドリーチキン風
最小限の材料で本格味♪鶏むね肉の『バターチキン』
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/436333
ヨーグルトを料理に使うことにちょっと抵抗がある方はこちらから! 本場インドカレーにヨーグルトは欠かせません。特に、ぱさつきがちな鶏むね肉は、ヨーグルトをもみ込むだけで驚くほどしっとりやわらかな食感に。人気のバターチキンが手軽に作れるレシピです。
●詳しいレシピはこちら
最小限の材料で作れて本格味♪鶏むね肉の『バターチキン』
きゅうりとヨーグルトのディップサラダ「ジャジキ」
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/519821
ギリシャの代表料理のひとつ。きゅうり×ヨーグルトという意外すぎる組み合わせですが、これがとっても美味しい! 夏には欠かせない料理です。ギリシャだけでなく東地中海の国々でも食べられている人気メニュー。
●詳しいレシピはこちら
きゅうりとヨーグルトのディップサラダ「ジャジキ」
トルコの塩ヨーグルトドリンク「アイラン」
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/519822
ヨーグルト消費量世界一のトルコから、美味しい簡単ドリンクをご紹介します。インドのヨーグルトドリンクは甘いけど、こちらは塩味。さっぱりとしていて体がとってもうるおいますよ。
●詳しいレシピはこちら
トルコの塩ヨーグルトドリンク「アイラン」
新感覚!トルコのヨーグルトソースパスタ「マントゥ風パスタ」
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/519823
パスタにヨーグルトをかけて食べるのは、トルコでは普通のこと。ヨーグルトの酸味とうま味で飲むように食べられてしまう危険な料理です。ちなみに、マントゥというのは小指の爪ほどの水餃子ですが、それを作るのは大変なので、パスタで同じ味を味わおうというお手軽家庭料理です。
●詳しいレシピはこちら
新感覚!トルコのヨーグルトソースのパスタ「マントゥ風パスタ」
48回続いたこの調味料連載は、今回の「ヨーグルト」で最終回となります。最後の調味料にヨーグルトを取り上げたのは、日本ではこれから活用できる調味料だと思ったからです。
肉をやわらかくし、煮込みに加えればリッチな深みを与え、サラダやスープ、ソースにすればさっぱりとヘルシーに。栄養価が高くうま味が加わるのに塩分が無いため、活躍の幅が広い発酵調味料になるのではないでしょうか。
いつもの食材や調味料は、国が変わると思いがけない使い方をしたり、組み合わせ次第でどんどん味のバリエーションが増えていきます。それは料理の面白さそのものだと思います。私のコラムとレシピが、みなさんの毎日に「美味しい驚き」を届けるきっかけになれば、これほどうれしいことはありません。
これからも、みなさんの食卓が笑顔と楽しい発見でいっぱいでありますように。長い間、ご愛読ありがとうございました!
これまでの連載はこちら!






















