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    • 公開日2022/12/10
    • 更新日2022/12/10

    ザッハトルテとは|チョコレートケーキとの違いは?本格レシピもご紹介!

    ケーキ屋さんで見かける「ザッハトルテ」ですが、チョコレートケーキとの違いはご存じですか? 実はきちんと定義があるんです。今回はザッハトルテの歴史から、ザッハトルテの定義、また、おうちで作れるザッハトルテの本格レシピまでご紹介します。「チョコレートケーキの王様」とも呼ばれるザッハトルテについてこの機会に知ってみてくださいね。

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    ザッハトルテとは|チョコレートケーキとの違いは?本格レシピもご紹介!

    【目次】
    1.ザッハトルテとは?
    2.ザッハトルテの歴史
    3.チョコレートケーキとの違いは?
    4.本格的!ザッハトルテの作り方

     

    1.ザッハトルテとは?

    ザッハトルテとは古典的チョコレートケーキの代表のひとつで、「チョコレートケーキの王様」と呼ばれるオーストリア・ウィーン発祥のお菓子です。

    ザッハトルテの名前は有名でも、どんなケーキか正しくご存じの方は意外に少ないと思われます。一般的に知られているチョコレートケーキとひとくくりにされてしまわれがちですが、実は、「ザッハトルテ」にはきちんと決まった構成定義があり、商標権があります。ほかのお菓子と違い、なぜ決まりごとが多いのでしょうか? それはザッハトルテの歴史にあります。

     

    2.ザッハトルテの歴史

    ザッハトルテの考案者フランツ・ザッハーの息子がウィーンで「ホテル・ザッハー」を開業しザッハトルテは、ホテル・ザッハーの名物菓子となりました。しかし、後に財政難に陥り、そのときに援助の手を差し伸べた王室御用達の洋菓子店「デメル」に資金援助とともにザッハトルテのレシピと販売権を譲渡してしまいました。

    その結果、門外不出だったレシピが流出し本にまで掲載されてしまい、怒ったホテル・ザッハー側がデメル側に抗議し、商標権や販売権利をめぐり7年以上に及ぶ裁判が続きました。あまりにも長く続いた裁判は「甘い戦争」と呼ばれ、ザッハトルテの名前を一躍世界的に有名にしました。

    ザッハトルテはレシピ流出後、家庭でも作られるようにもなり、元祖ザッハトルテのレシピに沿って作られたものが販売されるようになりましたが、現在でも商標権を持っているのはこの2社のみです。

    ザッハトルテの本家でもあるホテル・ザッハーのものは「オリジナルのザッハトルテ」、 デメルのものは「デメルのザッハトルテ」とそれぞれチョコレートの装飾が施されて販売されています。機会があれば食べ比べてみたいケーキですね。

     

    3.チョコレートケーキとの違いは?

    一般にチョコレートケーキと呼ばれるものは、チョコレートやココアパウダーを混ぜた生地にチョコレートクリームを塗ったり、サンドしたり、表面をチョコレートでコーティングしたりしたものを指します。

    ザッハトルテと呼ばれるチョコレートケーキには、決まった構成定義があります。

    チョコレート味のザッハマッセと呼ばれるバターケーキ生地にアプリコットジャムをサンドし表面全体に塗り、その上にチョコレートとフォンダン(糖衣)で作る「ショコラーデン・グラズュール」(日本ではグラズール)と呼ばれる、砂糖の再結晶化を利用したシャリシャリとした食感のチョコレートの糖衣で生地全体を覆ったものをザッハトルテと呼びます。

    とても甘いケーキなので無糖の生クリームを添えて食べるのがウィーン風です。

     

    4.本格的!ザッハトルテの作り方

     

    【材料(デコレーションケーキ型15cm1台分)】

    無塩バター 70g
    粉砂糖 35g
    スイートチョコ 70g(カカオ成分55%以上)
    卵黄(Lサイズ) 3個分
    卵白(Lサイズ) 3個分
    グラニュー糖 35g
    薄力粉 70g
    アプリコットジャム 50g(サンド用)
    A水 大さじ1
    Aグラニュー糖 10g
    Aアプリコットジャム 100g
    水 80g
    グラニュー糖 150g
    チョコレート 130g(カカオ成分55%以上)

     

    【作り方】

    <下準備>
    ・型に敷紙をセットしておく
    ・バターと卵を室温に戻しておく
    ・薄力粉をふるっておく
    ・スイートチョコ70gを湯煎で溶かし粗熱をとっておく
    ・オーブンを予熱170℃で温めておく

    1.ボウルにバター、粉砂糖を合わせホイッパーで白っぽくなるまですり混ぜる。粗熱をとったチョコレートを加えて混ぜ、卵黄をひとつずつ加えていき、その都度しっかりと混ぜる。

    2.別のボウルに卵白を入れ、グラニュー糖を数回に分けて加えてメレンゲを作り、1にメレンゲの1/3量を加えホイッパーでなじませるように混ぜる。

    3.薄力粉を加えて、粉っぽさがなくなるまでゴムベラでムラなく混ぜる。

    4.残りのメレンゲを加え、泡をつぶさないようにゴムベラで切り混ぜる。

    5.型に4の生地を入れ、160~180℃のオーブンで40~45分焼く。焼きあがったあと、型から外し粗熱をとり、生地を2枚にスライスしてサンド用のアプリコットジャムを塗り重ねる。

    6.コーティング用のアプリコットジャム(100g)、グラニュー糖、水を鍋に入れて、とろみがつくまで煮詰めたものを熱いうちに生地の上に流し、全体に塗り広げて冷ます。

    7.ショコラーデン・グラズュールを作る。鍋に水、グラニュー糖を入れて強火にかけ、煮立ったらチョコレートを加え混ぜながら溶かし、108℃になるまで煮詰める。

    8.清潔な台上で少量をテンパリングする。

    9.温度が下がり、もったりとしたら鍋に戻し、濃度が出て適度な粘りが出たら、冷めた生地の上に一気に流しかけ、室温でチョコレートを固める。

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    本格的! ザッハトルテ


    いかがでしたか? ザッハトルテは、歴史も一緒に語ってしまいたくなるチョコレートケーキの王様なのです。ザッハトルテの特徴であるチョコレートとフォンダン(糖衣)で作る「ショコラーデン・グラズュール」は難易度が高めですが、この機会にぜひチャレンジしてみてください。

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    みぃ 
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    みぃ 

    • 製菓衛生師

    お菓子研究家 お菓子のレシピ開発の仕事を中心に企業へのレシピ提供、コラム執筆のお仕事をしています 【資格】 ●製菓衛生士 ●ル・コルドン・ブルー(Le Cordon Bleu)フランス菓子本科専攻・ 菓子ディプロムを取得 ● 2級色彩コーディネーター 《私とお菓子作り》 9歳の頃、お菓子作りに目覚める はじめて焼いたケーキはカッチカチ! 泣く私に3つ年上の兄が『大丈夫!味は美味しいよ』と慰めてくれた。 実際はフォークにも刺さらないような固さだった(笑) その兄の優しさが幼いながらも悲しくて嬉しくて・・・ 泣き笑いしながらカッチカチのケーキを食べたのを今でも忘れない 兄からもらった優しさが今の私のお菓子作りの原点 《私の思い》 兄からもらった優しさをずっと忘れずに、作った人も貰った人も心がほんわかになりますようにと。 みんなが再現出来て「何度も作りたくなる!」と思ってもらえるお菓子を目指してます。 【コンクール】 ・2017年 第二回全日本マカロンコンクール・準優勝 ・2016年 第一回全日本マカロンコンクール・ファイナリスト 【受賞歴】 ★2017年第二回全日本マカロンコンクール準優勝受賞 ★2016年クックパッド新作レシピコンテスト・ハロウィンレシピ新作賞受賞 ★2014年cottaバレンタインレシピコンテスト 特別賞受賞 ★2013年cotta 100人のブッシュドノエルコンテスト特別賞  ★2012年クックパッド味の素パルスイートレシピコンテスト・スイーツ部門グランプリ受賞 ★2012年共立食品(株)手作りお菓子コンテスト 優秀賞受賞  ★2012年cottaクリスマスレシピコンテスト ・グランプリ受賞 【経歴】 cuocaクオカショップ 高松店にてお菓子講師 cottaオフィシャルパートナー @ouchicafe_jp 公認アンバサダー Nadia Artist Like Sweets Box 食器セット監修 ネクストフーディスト3期生

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