梅仕事の仕上げ!土用干し
前回、基本の梅干しその1として赤じそ漬けを加えた本漬けまでの工程をご紹介しましたが、今回はその2として梅仕事の仕上げ「土用干し」の工程について詳しくご紹介します。
●前回までの工程はこちら
本当に美味しい梅干し-その1-|何度も作りたい定番レシピVol.140
待ちに待った梅雨明け! 赤じそと一緒に漬けられていた梅たちに目いっぱいおひさまを浴びさせる土用干し時期となります。
「土用干し」とは梅雨明け後の土用の頃(今年は7/19)の晴天の続く3日間、日に当てて干すことをいいます。おひさまに当てることで紫外線で殺菌し、余分な水分を飛ばして保存性を高める効果があります。
では梅干しの土用干しの工程を詳しくご紹介していきましょう。
基本の梅干しの作り方-その2-
まず用意するものとして大きくて平らな盆ざる、ざるに紐が付いていなければビニール紐、あれば使い捨て手袋や木べらなどがあると便利です。
干す前の準備として
〇ざるはできれば前日にきれいに洗って干して乾かしておく。
〇ざるを高い所や物干し竿などにかけられるようにざるの網目3点に安定するようにビニール紐を結んでおく。(つるす場所がない方は、ブロック2つを離して置いた上にざるをのせると通気性が良くなります)
1.赤じそ漬けを加えて本漬けした梅は梅雨明けごろになると赤じその色できれいに染まっています。
2.赤梅酢が落ちてもいいように大きめなボウルか、たらいの上にざるをのせて、梅酢を切った梅を重ならないように間隔を開けて並べていきます。
3.中心部分には梅酢を絞った赤じそを広げてのせ、木べらなどでぎゅっと上から押し付けて残った梅酢を下に落とします。(ボウルの梅酢は容器に戻しておきます)
4.天気の良い日が3日続くころを見計らって並べた梅を天日干しします。日光がよく当たって風通しの良い所がおすすめです。
5.途中、梅の上下をひっくり返してまんべんなく乾かしていきます。梅の表面が乾いて白っぽくなってくるのがひっくり返すタイミングの目安です。
日が昇っている間はずっと干し、夜は室内に取り込み、これを3日連続で行います。
(梅干しをやわらかく仕上げたい方は夜も取り込まず、夜露に当ててもいいです。)
6.3日目は漬けた赤梅酢を容器ごと日に当てて殺菌します。
7.3日続けると梅全体が乾燥してしわしわになり、梅も赤じそもうっすら塩が浮いてきます。
※基本的に梅を干す土用干しの日数は3日間とされていますが、梅の大きさや、日光の強さなどの環境によっても異なるので、お好みのやわらかさなどで日数は調整していただいて大丈夫です。
8.やわらかい、しっとりした食感の梅干しが好きな方は3日目夕方、梅干しを取り込んだら梅酢が温かいうちに梅と赤じそを戻し全体をなじませます。
9.清潔な押し蓋か平らな皿をのせてから蓋をし、梅が梅酢を吸ってきたら完成ですが、3か月ほどおくと味がなじんでより美味しくなります。
梅干しを梅酢に戻さない場合は味が濃く、ねっとりした食感が楽しめます。その場合はこれ以上乾燥してかたくならないように密封の容器に入れると良いです。
10.赤じそは広げてカラカラに乾燥させた後、すり鉢などで細かくすれば自家製ゆかりに、赤梅酢は和え物や漬物、ドレッシングに使うとさっぱりとして美味しくとても重宝します。
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基本の梅干し その2
梅干し作りは、作り手によって見た目も味もさまざまで個性が出るところが魅力のひとつです。土用干しひとつとっても、干し方や、梅酢に戻すか戻さないかで味わいが変わりますし、仕上げに砂糖を加えたりと好みでアレンジすることもできます。梅干し作りにはこれといった正解がないところに梅干しの奥深さを感じます。
作業中は大変だなぁと感じる瞬間があっても、できあがると来年はこうして漬けてみよう! と早くも考えてしまうから不思議。みなさんもぜひ自家製梅干しを美味しく味わってくださいね。
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