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    • 公開日2025/02/20
    • 更新日2025/02/20

    おうちで簡単!松山絵美の韓国家庭料理教室|Vol.1【参鶏湯(サムゲタン)】

    韓国にルーツを持つ夫との結婚を機に韓国料理を学び始めた松山さん。4人のお子さんがいる松山家の日々の食卓には、日本と韓国の家庭料理が自然と溶け合っています。この連載では、そんな松山さんが提案する、家庭でも気軽に楽しめる韓国の基本料理をご紹介。アレンジレシピや食材の選び方、手軽な調達法など、実践的なコツが満載です。第1回のテーマは、韓国で古くから愛される「参鶏湯(サムゲタン)」。ぜひ、日々の食卓に取り入れてみてくださいね。

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    おうちで簡単!松山絵美の韓国家庭料理教室|Vol.1【参鶏湯(サムゲタン)】

     

    滋養たっぷり!韓国の伝統薬膳スープ「参鶏湯」

    参鶏湯は生後数十日の若鶏のお腹の中に高麗人参やなつめ、しょうがやにんにく、もち米などを詰めて煮込んだ韓国の伝統的な薬膳スープです。高麗人参の「参」と若鶏の「鶏」、スープを意味する「湯」から名付けられました。

    体を温めるとされる食材が多く含まれ、栄養豊富で消化もしやすい滋養食として韓国で古くから愛されています。

    今では日本でもおなじみですよね。疲れたとき、スタミナをつけたいときなどに食べる料理としても親しまれています。

    韓国料理には、「薬食同源」という考えが根付いており、体調に合わせた食材を選ぶことで、健康を整えるとされています。中でも李朝時代に王様が食べていた宮廷料理はその究極といわれ、参鶏湯の起源はその宮廷料理にあると言われています。

     

    一年中楽しめる!韓国の参鶏湯文化

    韓国では、「伏日(ポンナル)」と呼ばれる、日本でいう土用の丑の日のような日があります。伏日は3日あり、早い日付から「初伏(チョボッ)」「中伏(チュンボッ)」「末伏(マルボッ)」で、合わせて「三伏(サムボッ)」と呼びます。

    三伏は毎年7~8月の非常に暑い時期にあたります。この時期には、滋養食を摂取する習慣があり、主に夏バテを防ぐために食べられます。なかでも、滋養豊富な参鶏湯はその代表的な料理として親しまれており、暑さに負けず元気を取り戻すための大切な食事です。韓国では専門店も多く年中食べることができますが、夏限定でメニューを出す飲食店も多いです。

    また韓国には「以熱治熱(イヨルチヨル)」という言葉があります。これは熱いものを食べることによって暑さを体から追い払うという意味の四字熟語です。

    とはいえ、寒さが厳しく空気の乾燥が気になる今の時期にもとてもおすすめ。アツアツの参鶏湯を食べて温まりたいですよね! ということで、まだまだ冷え込むこの時期ご紹介させていただきます。

     

    スーパーで手に入る食材で作る!「参鶏湯風」レシピ

    韓国では参鶏湯用の若鶏の丸鶏や高麗人参などの漢方食材などがスーパーで手に入りますが、日本ではなかなか購入できませんよね。高麗人参を入れないと「参」が入らないということなので参鶏湯とは言えないのです...。

    そこで、高麗人参や丸鶏がなくても大丈夫! 丸鶏の代わりに手羽元と鶏もも肉を使用し、ぎんなん、甘栗、にんにく、しょうがで作る、栄養満点で滋味あふれる「参鶏湯風」レシピをご紹介します。

    ぎんなんも栗も古くから薬膳として活用されてきた食材なので、参鶏湯に入ることの多い食材です。今回は日本でも手に入りやすい、水煮のぎんなんと甘栗で代用します。薬膳でぎんなんは生命エネルギーを高め、滋養強壮や咳止めにも効果的な食材。栗は疲労回復や老化予防、胃腸機能を強化し、滋養強壮におすすめの食材です。

    材料もそろえやすく手軽に作れるので、自宅で本格的な味わいを楽しんでくださいね。

     

    材料(4人分)

    鶏もも肉 2枚(約500g)
    鶏手羽元 8本(約480g)
    にんにく 12かけ
    しょうが 3~4かけ(正味約40g)
    甘栗(剥いてあるもの) 12粒(約70g)
    ぎんなん(水煮) 約40g
    もち米 大さじ10
    A水 1500ml
    A酒(無塩) 大さじ2
    塩 適量
    長ねぎ お好みで
    粗びき黒こしょう お好みで

    参鶏湯の材料

     

    作り方

    〈下準備〉
    ・鶏もも肉の皮と身の間にある黄色い脂肪は切り落とす。
    ・にんにくは皮を剥き、ヘタを切る。
    ・しょうがは皮を剥き5mm幅に切る。
    ・もち米はザルに入れて流水でさっと洗う。

    ●ここがポイント!
    ・丸鶏の代わりに手羽元と鶏もも肉を使います。
    ・剥き栗の代わりに甘栗を使います。

     

    1. 材料を入れて、煮込む

    材料を入れて、煮込む

    1.鍋にA(水、酒)と鶏肉、にんにく、しょうが、もち米を入れて強火にかけ、煮立ったら弱めの中火にしてからアクをすくい取り、さらに蓋をして弱火で約30分煮込みます。

    ●ここがポイント!
    ・途中アクが出たら、きちんとすくい取ります。

     

    2. 甘栗とぎんなんを加えて、さらに煮込む

    さらに煮込む

    甘栗、ぎんなんも加えてさらに20~30分煮込みます。

     

    3. 塩で味を調える

    参鶏湯の完成

    少し塩で味を調えて完成です。器に盛ります。そのまま火にかけられる器の場合は、ここで少しぐつぐつ煮ればアツアツをいただけますよ♪
    お好みで長ねぎの小口切りをのせて粗びき黒こしょうを振ります。

    ●ここがポイント!
    ・塩での味付けは極薄く、と心得て。

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    スーパーで手に入る食材だけで作る【参鶏湯風スープ】

     

    こちらもどうぞ!松山さんのお手軽「参鶏湯」

     

    高麗人参をごぼうで代用!優しい味わいの参鶏湯風スープ

    高麗人参をごぼうで代用!手羽元で参鶏湯・夏こそ食べたい!

    丸鶏の代わりに手羽元、高麗人参の代わりにごぼうを使った参鶏湯風のレシピです。手羽元は骨から出るうま味がスープに染み渡り、食べごたえも十分。ごぼうならではの甘みと深い味わいがスープに溶け込むことで、より一層優しく、ほっとするような美味しさに仕上がります。冷えが気になる季節や、忙しい日の栄養補給にもぴったりです。

    【主な材料】
    鶏手羽元
    ごぼう
    にんにく
    しょうが
    酒(無塩)
    もち米

    ●詳しいレシピはこちら
    高麗人参をごぼうで代用!手羽元で参鶏湯・夏こそ食べたい!

     

    疲れた体に!たこ入り参鶏湯風薬膳スープ

    疲れた体に!たこ入り参鶏湯風薬膳スープ

    少し豪華にたこをプラスして、タウリンもたっぷりのスープです。松の実やクコの実も加えて薬膳効果もアップ! ほろほろに煮えた鶏肉とやわらかく煮えたたこの組み合わせが最高です。たまった疲れを取りたいとき、自分へのご褒美に、大切な方へのおもてなしにもおすすめです。

    【主な材料】
    鶏手羽元
    たこ(茹で)
    にんにく
    しょうが
    甘栗(剥いてあるもの)
    松の実
    クコの実
    もち米

    ●詳しいレシピはこちら
    疲れた体に!たこ入り参鶏湯風薬膳スープ

    第1回となる「参鶏湯」、いかがでしたでしょうか? スーパーで手に入る食材で作る参鶏湯風で韓国気分を満喫しつつ、冷えた体を芯から温めましょう。

    もっと本格的に作りたい場合は韓国食材専門店などで参鶏湯用の漢方のセットが手に入るので、そちらを活用して挑戦してもよいですね。

    今年は韓国の伏日に合わせて食べるのもおすすめです♪ 今年の伏日は初伏が7月20日(日)、中伏が7月30日(水)、末伏が8月9日(土)だそうです。ぜひ、作ってみてください。

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