ハード系を初めて作るなら、クッペがおすすめ
ハード系のパンは、まずはクッペからチャレンジするのがおすすめです。クッペとは中央に入った1本のクープ(切れ込み)が特徴のハード系の小さいパン。小さく焼くので成形がしやすく、クープも開きやすいんです。ハード系のパンはしっかりこねる必要はありません。混ぜて寝かせて生地を作ります。イーストを少なく、低温でゆっくり発酵させることで風味の良いパンに仕上がりますよ。
クッペの作り方
【材料(6個分)】
準強力粉 220g
全粒粉 30g
砂糖 5g
塩 4g
ドライイースト 2g
モルトパウダー 小さじ1/4(あれば)
水 170g
※粉は準強力粉(フランスパン専用粉という名前でも売っています)を使います。ここに全粒粉を混ぜて香ばしく。砂糖は少し、塩はしっかりめで、オイルやバターが入らない生地です。
【作り方】
1.材料を準備する。
大きいボウルに準強力粉、全粒粉、砂糖、塩を入れます。あればモルトパウダーを少し加えると、色付きが良くなってハード系パンらしいパリッとした焼き上がりになります。水は人肌程度に温めておきましょう。
別の小さいボウルにドライイーストを入れて、分量の水(人肌程度に温めたもの)の一部(大さじ1前後)を加えて、ドライイーストとなじませます。
2.生地を混ぜる。
大きいボウルに1のイースト液と水を加えてカードで混ぜていきます。ボウルの壁についた粉を取りながらなじませ、粉っぽさがなくなりひとかたまりになるくらいまで。こねる必要はありません。
3.生地を寝かせる。
軽く丸めてラップをして常温で30分ほど置きます。
4.こねる。
時間をおくことで生地がゆるんでなめらかになります。カードを使って底から生地を持ち上げて折りたたみます。これが「こねる」工程です。これを20~30回ほど繰り返します。
5.一次発酵をする。
きれいな表面を上にしてボウルの中で丸く整えてしっかりラップをします。低温でゆっくりと発酵させるので、発酵は冷蔵庫で。冬場など寒い時期は野菜室でもOK。ひと晩~半日おくと2~3倍に膨らみます。これが一次発酵です。
6.生地を分割する。
ハード系のパンは水分量が多いので、ここからは適宜打ち粉をして作業します。生地を台に出して広げ、6等分に分けます。
7.ベンチタイム。
生地ひとつを平らに広げ、三つ折りにしてとじ目を下にしておきます。これを残りの生地も同様にして、固く絞った濡れ布巾をかけて10分おきます(ベンチタイム)。
8.成形する。
次は成形です。クッペのラグビーボール状の形にします。生地をひとつ取り出し、とじ目を上にして指で軽く押さえて縦長に広げます。
片方の左右の角を折り、中央を折ります。
反対側も同様に折りたたみましょう。
両隅を折った生地を二つ折りにして、生地を寄せるようにして中央で合わせます。
表面がピンと張るように生地を中に押し込むようにして閉じます。とじ目は指でしっかりつまんでください。
縁取りをしたパンマットにとじ目を下にして並べます。
パンマットがない場合などは丸成形でもOKです。その場合は、7の生地を取り出して表面をぴんと張るようにして丸めます。
9.二次発酵をする。
とじ目をしっかり閉じてオーブンシートを敷いた天板に並べます。濡れ布巾をかけ、乾燥させないようにして常温で30~60分おきます。これが二次発酵です。
10.切り込みを入れる。
ひと回り生地が大きくなったら、茶こしなどで強力粉(分量外)をふり、よく切れるナイフで中央に1本切り込みを入れます。
11.焼成する。
300℃に予熱したオーブンに入れ、温度を240℃にして10~15分焼きます。オーブンにスチーム機能があれば、はじめの5分ほどスチームを入れます。ない場合は、焼く前に霧吹きで水をかけてからオーブンに入れると表面がパリッと仕上がります。
※クープが開く前に生地が焼き固まってしまうとクープがきれいに開きません。焼き始めにアルミホイルをふんわりとのせて焼き、5分ほどしたら素早く取り出して焼くとクープが開きやすくなりますよ。
●このレシピをお気に入り保存する
『クッペ。』
ゆっくりじっくり作るハード系のパンですが、作業自体は難しいことはありません。きれいなクープを目指してぜひチャレンジしてみてくださいね。
これまでのパン連載はこちら
・栁川さん家のパンのある生活