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    • 公開日2023/01/15
    • 更新日2023/01/15

    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.17|バルサミコ酢

    世界を旅する料理研究家として、雑誌やテレビを中心に活躍している、Nadia Artistのヤミーさん。主宰する料理教室「Yummy‘s Cooking Studio」では、世界の料理を気軽に学べると人気です! そんなヤミーさんに世界中の調味料のとっておきの使い方を教えてもらうこの連載。第17回は「バルサミコ酢」。肉にも野菜にもフルーツにも合う調味料なんです。ぜひチェックしてみてくださいね。

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    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.17|バルサミコ酢

     

    フルーティーな香りが特徴の「バルサミコ酢」

    バルサミコ酢は、イタリア語で「アチェート・バルサミコ」といい、ぶどう果汁を煮詰めてから木樽で自然発酵させたイタリアのお酢のこと。最近はスーパーでも見かけるようになりましたし、カルディには何種類も売っているので、お持ちの方も多いのではないでしょうか?

    黒酢のような濃い色に、キャラメルのような「香ばしさ」と「甘み」のあるフルーティーな香りが特徴で、ほかのお酢にはない独特のうま味があります。アチェートは、イタリア語でお酢、バルサミコは芳香の意味ですので、その名の通り「香りの良い酢」というわけです。

     

    バルサミコ酢は、ラベルが違うと風味も違う!

    バルサミコ酢

    このバルサミコ酢、実はメーカーによって価格も風味も大きく違いがあるんです。スーパーで見かけるバルサミコ酢は、300円くらいから高くても2000円くらいだと思います。その一方、高級食材店では100mlで1万円を超えるものがあります。味もワインビネガーに近いものから黒みつのようなとろける甘さのものまで。では、その違いは何なのでしょう?

    バルサミコ酢には大きく分けて2種類あり、「アチェート・バルサミコ」と「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」になります。「トラディツィオナーレ」のついているものは伝統的な製法に基づいて作られたもので、添加物は一切許されず、12年以上という時間をかけて熟成させたもののみ名乗ることができます。

    バルサミコ酢

    では、「トラディツィオナーレ」の文字が入っていないものは、偽物なのかというとそういう訳ではありません。よく店頭にあるバルサミコ酢は「アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ」と書かれているものが多いと思います。これは濃縮ぶどう果汁とワインビネガーのみのものが多く、熟成年数はさまざま。「IGP(地域生産ラベル)」がつけられ、伝統製法ではないけれど、バルサミコ酢の特産地であるイタリアのエミリア・ロマーニャ州にあるモデナ市のバルサミコ酢としての品質と独特の風味を保証する細かな基準をクリアしています。

    ほかには、「コンディメントバルサミコ」と呼ばれるものがあり、独自の製法で美味しく、物によってはトラディツィオナーレのように高価なものもあります。

    バルサミコ酢

    伝統的なバルサミコ酢は、生産者協会認定のブラインド・テストに通過して、はじめて認定が与えられます。100mlのぶどうをモチーフにした特殊な形状の瓶に入れられ、D.O.P.(原産地呼称保護制度)のシールで封印され、一本一本に世界で一つの登録番号が与えられて記録が残ります。

    このバルサミコ酢は、火やほかの調味料を加える必要がないほど完成された味なので、通常の調理に使うより、ローストした肉や美味しい野菜、果物、スイーツにそのままかけて使うのに向いています。

    ひと口にバルサミコ酢と言っても、ブレンド、樽、熟成年数、カラメルなどの添加物によって、「ラベルの違うものは風味が違う」と言えそうです。みなさんがお持ちのバルサミコ酢は、何と書いてあるでしょうか? その味がほかにない唯一のものかもしれません。

     

    バルサミコ酢を使ったとっておきのレシピ

     

    ドリンクとして♪バルサミコソーダ

    ドリンクとして♪バルサミコソーダhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/452001

    バルサミコ酢は、イタリアのエミリア・ロマーニャ州にあるモデナ市の特産品で、元々は11世紀、モデナ地方を支配していたエステ家のみで作られていた希少なもの。城を訪れた客を労うために、アペリティフ(食前酒)としてまず1杯のバルサミコを飲ませた、と伝えられています。そのときはソーダではなかったと思いますが、炭酸水で割るととても美味しいドリンクになります。

    ●詳しいレシピはこちら
    公爵家の一杯『バルサミコサイダー』

     

    ドレッシング代わりにも♪焼きシェーブルチーズのグリーンサラダ

    ドレッシング代わりにも♪焼きシェーブルチーズのグリーンサラダhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/140776

    バルサミコ酢を手軽に活用するなら、サラダがおすすめ。こちらのレシピは、フランスのシェーブルチーズを使ったサラダですが、いつものグリーンサラダでもOK。イタリアでは、サラダドレッシングを作るというより、そのまま野菜にかけるだけ。バルサミコ酢とオリーブオイル、塩、こしょうをかければ、絶品サラダのできあがりです♪

    ●詳しいレシピはこちら
    クルミを散らした、焼きシェーブルチーズのグリーンサラダ

     

    肉料理との相性抜群!バルサミコソースのポークソテー

    肉料理との相性抜群!バルサミコソースのポークソテーhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/118302

    バルサミコ酢を煮詰めたソースは、肉料理にぴったり。ポークソテーだけでなく、チキンにもビーフにも、そして鴨料理にも、バルサミコソースは鉄板なんです。シンプルな調味料でできるので、ぜひ作ってみてくださいね。

    ●詳しいレシピはこちら
    バルサミコソースのポークソテー

     

    リッチな風味が絶品♪いちごのバルサミコマリネ

    いちごのバルサミコマリネhttps://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/117278

    いちごをバルサミコ酢でマリネするだけで、とてもリッチなスイーツになります。フルーツやスイーツとの相性抜群! ケーキでは重いな、というときの食後のデザートにどうぞ。

    ●詳しいレシピはこちら
    簡単リッチなデザート♪『いちごのバルサミコ和え』

    肉にも野菜にもフルーツにも、そしてドリンクにしても美味しいバルサミコ酢は、とても優秀なお酢です。伝統的製法のバルサミコ酢は、ごく少量の生産のため、世界中にその味の美味しさが広まったのは、大量生産の製法が生まれたから。おかげで今では世界各国で作られるほど認知度の高いイタリア食材になりました。

    ちょっと酸味が強いな...と思ったら、火にかけて半分以下に煮詰めて、はちみつや砂糖などを少々加えてみてください。

    これまでの連載はこちら!

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    ヤミー

    世界を旅する、料理研究家。輸入食材店に勤務しながら料理ブログをスタートして話題となり、現在はテレビや雑誌、企業のレシピ開発で活躍の他、ベストセラーとなった著書多数。近著に『ヤミーさんのおうちで世界一周レシピ』『ワンボウルクッキング』(いずれも主婦の友社)。NHK「きょうの料理」や、冠番組「ヤミーのレシピ帖」(長野朝日放送)などのテレビ出演、少人数制料理教室「Yummy‘s Cooking Studio」を主宰するなど、輸入食材の知識を活かして、世界中の料理を日本の家庭で作れる簡単レシピにするのが得意。 最近は日本一のカルディマニアとしてもテレビやラジオ、雑誌などでも活躍している。

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