日本でも人気のタイ風焼きそば「パッタイ」
日本でもタイ料理が人気になって久しいですが、人気メニューはおうちでも作ってみたくなりますよね。ガパオやグリーンカレーなどメジャーなご飯ものと並んで人気なのが、タイ風焼きそば「パッタイ」です。
タイ語でパッ=炒めるという意味なので、直訳すると「タイ炒め」というストレートなネーミングのこの料理は、タイ国民にも観光客にも大人気です。もちっとした米麺とさまざまな食感の具材が甘酸っぱいたれで炒められており、ほかの麺料理にはない独特の美味しさがあとを引きます。
パクチーを使っていないこともあり、タイ料理が苦手だという方にもおすすめの一品です。パッタイをきっかけにタイ料理が好きになった方もいるのではないでしょうか。今回は、このパッタイの作り方をご紹介したいと思います。
パッタイに欠かせない「センレック」
一般的なパッタイの麺は、米から作られた「センレック(タイビーフン)」という麺を使います。乾麺を水につけて戻して使うのですが、注意してほしいのが同じ米麺であるベトナムのフォーとは似て非なるものということです。
日本で一般的に売られているフォーにはタピオカ粉が含まれており、汁麺にする分には問題ないのですが炒めるとベタついてしまい、うまく作れないのです。ですので「センレック」と表記してある米麺を選ぶのが重要です。
今回はこちらの商品を使いました。輸入食材店などで購入可能ですが、手に入らない場合は、焼きそば用の蒸し麺やコシが強めのゆでうどんで代用も可能です。
パッタイの味の要であるソースを作る際には、「タマリンド」というマメ科の果物を使います。甘酸っぱくねっとりとした食感で食物繊維が豊富なこの果物は、タイの市場でゴロゴロと山積みで売られているのをよく見かけます。(余談ですが便秘に悩むタイ人女子はよくおやつにこれを食べていました)
こちらは日本ではなかなか手に入りづらいので、今回はドライプルーンとレモン汁を使って近い味わいにしています。現地のレシピと遜色ない本格的な仕上がりにできますよ。
基本のパッタイの作り方
【材料(2人分)】
センレック 180g
ドライプルーン 50g
水 100ml
三温糖 25g
ナンプラー 30g
レモン汁 8g
えび(中くらいのサイズ) 6尾
赤玉ねぎ 25g
厚揚げ 50g
たくあん 20g
干しえび 10g
卵 2個
もやし 100g
にら 30g
ピーナッツ 20g
サラダ油 大さじ2
レモン 1/4個
粗びき唐辛子 お好みで
※干しえびはスーパーの中華材料売り場に売っています。素干しにした桜えびではなく、塩ゆでして乾燥させたころころとした厚みのあるえびなので、間違えないようにご注意ください。
【作り方】
<下準備>
センレックは30分ほど水に浸けて戻す。爪でちぎれるくらいやわらかくなったらザルにあげて、しっかりと水気を切る。
1.ソースを作る。ドライプルーンは1cmほどの角切りにし、水と一緒に小鍋に入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、ゴムベラなどで果肉をつぶしながら5分ほど煮る。
2.プルーンの形が崩れてドロッとしたら目の粗いザルで濾す。
【ポイント】
ここでもゴムベラを使ってザルに押し付けるようにすると、無駄なく濾せます。少し根気がいる作業ですが、味の要になるポイントなので頑張って濾してください。
3.漉し終わるとこんな感じのペースト状になります。
4.プルーンペーストを小鍋に戻し、三温糖、ナンプラー、レモン汁を加え、弱火で5分間煮詰める。濃度がついてとろりとしたらソースの完成。
5.えびは尻尾を残して殻を剥き、背に切り込みを入れて背ワタを取る。
6.赤玉ねぎは長さ2〜3cmの薄切りにする。厚揚げとたくあんは6〜7cmの角切りにする。にらは5cm長さに切る。ピーナッツは粗みじん切りにする。レモンは1/4個を半分にしてくし形切りにする。
7.深めのフライパンにサラダ油を熱し、えびを加えて弱火で炒める。
【ポイント】
油が多めなため、えびに水気がついていると跳ねるので注意してください。
8.えびの色が両面変わったら、赤玉ねぎと干しえびを加え中火で炒める。
【ポイント】
ここで油にえび、赤玉ねぎ、干しえびのうま味が移るのでじっくり炒めてください。
9.厚揚げとたくあんも加えさっと炒める。
10.卵を割り入れ、うま味の移った油を吸わせるようなイメージで大きく混ぜながら炒める。完全に火を通さず8割くらい火が通ればOK。
11.水を切ったセンレックを加え、具材と混ぜながら炒める。
【ポイント】
加えてすぐはセンレックにコシがありますが、油となじんでいくにつれてふにゃっとやわらかい感触になります。油が少ないとやわらかくならないので、その場合はサラダ油を鍋肌から少し足してください。
12.センレック全体がやわらかくなったら、ソースを加えて混ぜながら炒める。よく混ざったらピーナッツ、もやし、にらを加えて1分ほど炒め合わせ、器に盛り付ける。もやしとにらは炒めすぎず、少しシャキシャキ感が残っている方が美味しいです。
13.レモンと、お好みで粗びき唐辛子を添える。
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パッタイ
タイ料理の多くは辛味、甘み、酸味、塩味、うま味が絶妙なバランスで混ざり合って構成されています。私を含め、タイ料理にハマってしまう人は皆このバランスの虜になるのではないでしょうか。パッタイもひと口ごとにいろいろな味と食感が口の中で混ざり合い、あとを引く美味しさが魅力です。
あいかわらず旅に出るのが難しいご時世ですが、自宅で異国の料理を作って楽しんでみるのもすてきな過ごし方だと思います。このレシピがそんなおうち時間のお役に立てるとうれしいです。
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