祝い肴三種のひとつ「田作り」
田作りは、カタクチイワシの稚魚を乾燥させた「ごまめ」を炒り、醤油や砂糖、みりんなどを煮詰めたたれをからめて作る料理で、おせち料理の祝い肴三種のひとつです。
祝い肴の種類は地域によって多少変わりますが、主に関東では「黒豆・数の子・田作り」の3種類で、関西では「黒豆・数の子・たたきごぼう」の3種類です。
魚を使用した料理なのに「田作り」という名前がついているのは、その名の通り「田を作る」ことと関係があるためです。昔、いわしは田畑の肥料として使用されていたそうです。いわしを肥料にした田畑が大豊作になったことから「田作り」と呼ばれるようになり、1年の五穀豊穣を願っておせち料理として食べられるようになったと言われています。
また、田作りは別名「ごまめ」とも呼ばれていますが、豊作の願いをこめて「五万米」という漢字をあてることもあります。
美味しく作るポイント
田作りを美味しく作るポイントは2つあります。「ごまめの水分を飛ばすこと」と、「たれの煮詰め加減」です。
ごまめはから炒りすることで水分が飛び、カリッと歯ごたえのいい食感に仕上がります。たれの煮詰め加減が足りないとごまめがやわらかくなってしまいますし、煮詰めすぎるとたれが固まってしまう原因になるので、ほどよく煮詰めることがポイントです。
基本の田作りの作り方
【材料(4〜5人分|作りやすい分量)】
ごまめ 50g
A醤油 大さじ2
A砂糖 大さじ2と1/2
Aみりん 大さじ1
A酒 大さじ1
【作り方】
1.フライパンにごまめを入れ、中弱火で約10分から炒りする。
【ポイント】
・焦げないように火加減は中弱火〜弱火で調整してください。
・炒り加減の目安は、ごまめを冷まして半分に割るとポキッと折れるくらいです。
・加熱しすぎると苦くなってしまう原因になるので気をつけてください。
2.1をザルに入れてふり、細かいカスを取り除く。バットに広げて冷ます。
【ポイント】
・ごまめの皮などの細かいカスを取り除いておくことで、きれいな仕上がりになります。
3.鍋に【A】を入れて中火にかけ、ときどき鍋を回しながら煮詰める。砂糖が溶けて沸騰してきたら弱火にして、とろみとツヤが出てくるまで煮詰める。
【ポイント】
・たれは軽くとろみがつく程度に煮詰めることが目安です。とろみがつくと泡が盛り上がってくるので、泡の状態も目安にして煮詰めてください。
・たれを煮詰めるときは箸などで混ぜないこともポイントです。鍋を回すように動かしながら煮詰めましょう。
4.火を止め、2を加えて手早くからめる。
【ポイント】
・必ずたれが熱いうちにごまめを加えて混ぜましょう。
5.熱いうちにオーブンシートを敷いたバットに広げて冷ます。
【ポイント】
・冷めてごまめがくっついてしまうのを防ぐため、熱いうちにオーブンシートの上に広げてください。
田作りは密閉容器に入れて冷蔵庫で2週間ほど保存可能です。食べきれない場合は、冷凍しておくと1か月ほど日持ちしますよ。
ごまめは、きれいな銀色でツヤのあるものを選ぶと美味しいです。茶色っぽくなっているものは油焼けしているので避けましょう。
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基本の田作り
から炒りをレンジで!もっと手軽に作れる田作り
ごまめのから炒りはフライパンでなく、電子レンジで行うことも可能です。耐熱皿に並べたごまめを電子レンジで約1分半加熱するだけなので、手軽にから炒りをすることができます。
おせち作りではコンロがふさがってしまうこともよくあるかと思いますので、から炒りの工程を電子レンジで済ませておくと時間の短縮にもなりますよ。
こちらのレシピでは白いりごまも加えて香ばしさをプラスしています。お好みで、素焼きのくるみやアーモンド、ピーナッツなどのナッツ類を加えても甘辛いたれとよくあって美味しいです。お好みでアレンジも楽しんでみてくださいね。
●詳しいレシピはこちら
【から炒りはレンジで簡単!】田作り
祝い肴の一種である田作りはおせち料理には欠かせない一品です。ごまめを購入すれば、醤油や砂糖などの家庭にある調味料で作ることができるので、手軽に作れるメニューでもあります。おせち料理を何品も作るのは難しいかなという方も、祝い肴の3種類を手作りしてお正月を迎えてみてはいかがでしょうか?
これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら
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本当に美味しい黒豆煮|何度も作りたい定番レシピVol.22
本当に美味しい数の子|何度も作りたい定番レシピVol.178