レシピサイトNadia
    • 公開日2022/06/14
    • 更新日2022/06/14

    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.10|ココナッツミルク

    世界中のお料理を3ステップの簡単レシピにしてお届けするNadia Artistのヤミーさん。雑誌やテレビ、企業のレシピ開発などでも大活躍のヤミーさんに、世界中の調味料のとっておきの使い方を教えてもらうこの連載。第10回は「ココナッツミルク」。東南アジア料理に欠かせないココナッツミルクのさまざまな活用法、ぜひチェックしてみてくださいね。

    このコラムをお気に入りに保存

    69

    気になるコラムを保存して、後で読み返そう!

    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.10|ココナッツミルク

     

    白くて甘い、ココナッツミルク

    ココナッツミルクは、タイ料理やインド料理など、東南アジア一帯の料理に欠かせない食材です。ココナッツはココヤシの果実で、その内側の白い部分「固形胚乳」を削ってからしぼったものが「ココナッツミルク」です。観光地などで見かける、ココナッツの上部を切って、ストローをさして飲んでいるのは、若いココナッツの中に入っている液体で、ココナッツウォーターと呼ばれるものになります。

    ココナッツウォーターを飲んだことのある方は、「あれ、白くないな? 甘くないな?」と思ったのではないでしょうか。ココナッツミルクとは別物なんですね。

    私は以前、タイの市場でココナッツミルクをしぼってもらったことがあります。しぼりたてのココナッツミルクは、缶詰やパックとは違ってサラッとしていてフレッシュ感があり、とてもとても甘かったです。

    そのときの様子がこちら↓

    まず、グレーターでココナッツを削ります。

    そして、削ったココナッツをしぼり機に入れてしぼります。お料理によって1番しぼり、2番しぼり、3番しぼりと分けて使うため、袋詰めも分けてくれます。

    食材の奥にある白い液体の袋がしぼりたてのココナッツミルクです。1番しぼりは濃厚で脂肪分が多く、2番しぼりはほどよくサラッとしているので煮込み料理には主にこれを使います。3番しぼりはかなり薄めです。

     

    ココナッツミルクとの出会いはグリーンカレー!

    日本でココナッツミルクが知られるようになったのは、1980〜90年代と推察します。このころはエスニック料理が一大ブーム、デザートとしてタピオカココナッツミルクが流行して、ココナッツミルクも一気に認知されたのではないかと思います。

    私がココナッツミルクの存在を認識したのも、まさにエスニックブーム真っただ中の大学生のころ。無印良品のグリーンカレーのキットで、はじめてグリーンカレーを作ったときでした。

    はじめて食べたグリーンカレーは、甘い香りなのに強烈に辛く、それまで知っているカレーの味とはほど遠い! 甘くて辛くて美味しいのかどうか判断つかないまま、友人と涙を流しながら苦労して食べました。タイ料理というのはなんと不思議で強烈な味なんだ…! という衝撃とともに、ココナッツミルクを知りました。

    今では大好きなタイ料理、そして定番調味料のココナッツミルクとの出会いは、こんな衝撃とともにでした。

     

    おすすめは「チャオコー」のもの

    私のおすすめココナッツミルクは、タイ産の「チャオコー」ブランド。一般向け商品での世界シェア7割という有名ブランドでもあり、味が安定していておすすめです。

    ちなみに、ココナッツミルクには「缶詰」「紙パック」「パウダー」の3種類ありますが、それぞれの違いをご存知でしょうか?

    写真はいずれもチャオコーブランドの製品で、原料のココナッツミルクはすべて同じため、脂肪分などにあまり差はありません。ですが、味や風味は多少異なります。

    たとえば缶のものは、紙パックに対して長時間加熱して殺菌するためコクのある風味、紙パックのものはフレッシュなココナッツミルクに近い味、パウダーはさっぱりとした優しい風味です。

    メーカーによっても違いはあると思いますが、濃厚な風味にしたいときは缶を、フレッシュ感を味わいたいときは紙パックを、マイルドなココナッツ感にしたいときや少量使うときはパウダーを、というように使い分けています。

     

    ココナッツミルクを使ったとっておきのレシピ

     

    ココナッツミルクと相性抜群!夏野菜のレッドカレー

    https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/117731

    レッドカレーのペーストから作るタイカレーのレシピ。フレッシュなペーストを使うので、これにはフレッシュな風味の紙パックのココナッツミルクがおすすめです。

    ●詳しいレシピはこちら
    タイ風味のスパイスペーストで!豚肉と夏野菜のレッドカレー
    関連レシピ:暑い国の知恵で夏を乗り越えよう!タイ風味のスパイスペースト

     

    下味をココナッツミルクで、ムー・サテ

    https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/116355

    お肉にカレー粉とココナッツミルクで下味をつけて、魚焼きグリルで焼くだけの簡単タイ料理! ココナッツミルク×ピーナッツのソースをつけて食べてくださいね。

    ●詳しいレシピはこちら
    スパイシーで美味しい♪タイの豚の串焼きムー・サテ

     

    さっぱり風味がたまらない♪スリランカ風きゅうりカレー

    https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/438587

    スリランカ風のノンオイルで作る、さっぱりとスパイシーなきゅうりカレーのレシピ。あっさり仕上げるので、ココナッツパウダーを使用しています。ほかのカレーも一緒に、スリランカ風に食べるのもおすすめですよ。

    ●詳しいレシピはこちら
    ノンオイル!スリランカ風きゅうりカレー

     

    簡単で本格的!濃厚ココナッツミルクプリン

    https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/345859

    ココナッツミルク缶を使った、濃厚でとろんとした食感のプリンは、ココナッツミルクが分離しないように工夫したレシピです♪ 3ステップで簡単に作れちゃいますよ。

    ●詳しいレシピはこちら
    なめらかとろりん♪濃厚ココナッツミルクプリン

     

    電子レンジでOK♪かぼちゃのココナッツミルク煮

    ココナッツミルクでかぼちゃを煮込んだ、ぜんざいのようなタイスイーツです。電子レンジで作れるので、火を使わずにできて、夏場でも作りやすいですよ! 量の調整がしやすいようにココナッツミルクパウダーを使用しています。

    ●詳しいレシピはこちら
    電子レンジでタイスイーツ♪かぼちゃのココナッツミルク煮

    最後に、缶詰や紙パックのココナッツミルクは、開けると一部が固形化して水分と分離していたり、グレーがかった色のものがありますが、これは傷んでいるわけではなく"そういうもの"なので安心して使ってください。また、開封後はあまり日持ちしませんので、すぐに使いきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。ジッパー付き保存袋に入れてから、平たくして凍らせるといいでしょう。

    本格的にタイカレーを作る場合、1番しぼりの濃厚なココナッツミルクを加熱して分離させた固形分(オイル)でカレーペーストを炒めてから、2番しぼりのココナッツミルクを加えて煮込みます。ですので、缶を開けて分離してたら、その固まっている部分で炒めることができるんです。むしろちょうどいいかもしれませんね! もし、全部ではなく半量使うなどのときは水分と脂肪分をよく混ぜてから使うと味に偏りが出なくていいですよ。

    料理に南国の雰囲気をプラスしてくれるココナッツミルク。意外と知らないことが多かったのではないでしょうか。分かってみると選ぶのも使うのも、ますます楽しくなりますよね。ぜひ使ってみてくださいね。

     

    これまでの連載はこちら!

    キーワード

    このコラムをお気に入りに保存

    69

    気になるコラムを保存して、後で読み返そう!

    SNSでシェアしよう

    Nadia編集部おすすめコラム

    ╲ 人気連載コラム ╱

    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方シリーズ

    関連コラム

    このコラムを書いたArtist

    ヤミー
    • Artist

    ヤミー

    世界を旅する、料理研究家。輸入食材店に勤務しながら料理ブログをスタートして話題となり、現在はテレビや雑誌、企業のレシピ開発で活躍の他、ベストセラーとなった著書多数。近著に『ヤミーさんのおうちで世界一周レシピ』『ワンボウルクッキング』(いずれも主婦の友社)。NHK「きょうの料理」や、冠番組「ヤミーのレシピ帖」(長野朝日放送)などのテレビ出演、少人数制料理教室「Yummy‘s Cooking Studio」を主宰するなど、輸入食材の知識を活かして、世界中の料理を日本の家庭で作れる簡単レシピにするのが得意。 最近は日本一のカルディマニアとしてもテレビやラジオ、雑誌などでも活躍している。

    にゃでぃあのおすすめ!
    「料理家」という働き方 Artist History