いろいろな国の料理に欠かせない「クミン」
クミンは、古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマでも使用されてきたという記述があるほど、最も古くから栽培されているスパイスのうちのひとつです。料理を美味しくするだけでなく、肉や魚の臭み消しとしても優秀なため、重宝されていたのではないかと思います。
クミンといえば、なんといっても 「カレー」でしょう。あの食欲を刺激するいい香りの主成分は、クミンからきています。そんなカレーのスパイスとして有名なクミンですが、原産は地中海沿岸。ヨーロッパや中近東でも昔からよく使われていたようです。クミンが練り込まれたパンやチーズを、地中海から離れたドイツやオランダでも見かけました。
現在では原産地周辺にとどまらず、インドはもちろん南アジア、東南アジア、東アジア、アフリカ、南米と、いろいろな国の料理に欠かせないスパイスです。あのいい香りに人々が魅了されてきたことがうかがえますね。
スパイス初心者にもおすすめです!
スパイスを試してみたいと思っている方に、「一番おすすめのスパイスはなんですか?」と聞かれたら、すかさず「クミン」と答えます。カレーだけでなくさまざまな国の料理に使われていますし、スパイスの中では苦手な方の少ない味だからです。
マンネリしがちな定番の野菜炒めに、こしょう代わりにひとふりするだけでも、ガラッと料理の雰囲気が変わりますし、チャーハンや唐揚げの下味などにも◎。また、先述した通り「臭み消し」としても優秀なので、クセのある食材と組み合わせるとそのクセを和らげたり、苦手な食材も食べやすくしてくれます。
レバーやラムなど、クセの強い食材と合わせると最高に美味しくなりますし、苦手な食材をクミン風味で克服した! という話も耳にしますよ。
クミンシードとパウダーの違いと使い分け方について
今回は、クミンシードとクミンパウダーの違いと使い分け方法についてご紹介します。まず、「クミンシード」は写真左、その名の通りクミンの種子を乾かしたものです。そのままではかたい皮に覆われているため、少し揉んだり、潰したりすることでより香りが立ちます。
使い方としては、乾煎りして香りを引き立ててから料理に加えたり、炒めものや煮こみ料理にする場合は、最初に油で炒めて香りを油に移してから使います。クミンパウダーより香りが飛びにくく、プチプチとした食感を味わえるのも魅力のひとつです。
その次、写真右の「クミンパウダー」はクミンシードをパウダー状にしたものです。粉の分、ほかのスパイスとミックスしたり、素材にまんべんなくまぶすことができ、使い勝手が良いです。また、細かくなっている分、味や香りがダイレクトに味わえ、色も出ます。シー ドに比べて香りが飛びやすいので、シードとパウダーを両方使う料理も多いですよ。
クミンを使ったとっておきのレシピ
おうちで簡単!本格スパイスカレー
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/443963
まずは王道の使い方から。クミンとターメリックパウダーさえあれば、本格的なスパイスカレーが作れます! スパイスカレーが食べたくなったら、ぜひ作ってみてはいかがですか?
●詳しいレシピはこちら
スパイスは2つでOK!本格スパイシーチキンカレー
カレーのお供に!カチュンバル
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いつもの野菜サラダにクミンをほんのり効かせると、うま味のあるインド風のサラダに変わります。マンネリしがちな副菜のレパートリーを増やしてみませんか?
●詳しいレシピはこちら
インドのフレッシュサラダ、トマトときゅうりのカチュンバル
ご飯がすすむ魚料理!フィッシュフライ
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スパイスでマリネして焼く南インドの魚料理です。魚の臭みがマイルドになり、スパイシーさでご飯がすすみます! 鮭やあじなどでもアレンジできますよ。
●詳しいレシピはこちら
スパイシー魚おかず♪ カジキのフィッシュフライ
クミンを最大限に楽しむ♪チーズディップ
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クミンはチーズやパンとの相性も抜群! ヨーロッパを旅すると、クミン入りのチーズやパンはよく見かけます。クミンシードを乾煎りして香り良いプチプチ感も楽しいチーズディップです。
●詳しいレシピはこちら
パンのおともに♪クミンチーズディップ
いつものスープや炒めものにクミンをプラスするだけで、ガラリと料理の雰囲気を変えるだけでなく、料理の美味しさを引き立てる役割もあります。なんだか料理の味が決まらないな、というときにも使えるアイテムです。
ただし、これはどのスパイスにも共通ですが、大切なポイントは「入れすぎない」こと! 入れれば入れるほど美味しくなるものではありませんので「ほんのり後ろに香る程度」がスパイス使い成功の秘訣だと思っています。
いつもの料理にちょこっとプラスして、味の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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