「五香紛」があれば、いつもの料理が中華味に早変わり!
五香粉は日本語だと「ごこうふん」と読みますが、中国語では「ウーシャンフェン」と言います。主に中国や台湾で使われているミックススパイスで、塩分は入っておらず、煮込み料理や炒め物などの下味や仕上げに幅広く使われています。
ブレンドには地域差があり、5種類のスパイスとは限らないのですが、「四香一辛」といって4つの香りのスパイスと1つの辛味のスパイスという構成になっています。香りのものはクローブ、シナモンがほぼ共通で入り、ほかに八角(スターアニス)、フェンネルシード、陳皮(ちんぴ)、甘草、ナツメグなどが入ります。辛味は花椒(ホアジャオ)のことが多いですが、こしょうが入る場合もあります。
中国のスパイス、しかも花椒が入るとなると、とても辛い調味料のイメージがあるかもしれませんが、それよりも爽やかさと甘みのある香りが中心で、あとから少し辛さを感じます。肉や魚の臭み消し効果が強いのですが、これを使えば「何でも中華味になる」と言えるくらい、ガラリと料理の雰囲気を変えてくれますよ。
例えば、唐揚げの下味に使えばお酒によく合う中華風唐揚げになりますし、肉じゃがに加えたらちょっと中華風の煮物になります。日本風麻婆豆腐も、仕上げに五香粉をかけるだけで、本格的な中華の味に早変わり。肉野菜炒めやチャーハンも、こしょうを五香粉に変えるだけで、中華の味になるので“いつもの料理に加える”と、このスパイスの実力と面白さを感じることができると思います。
スパイス上手になるコツは、「控えめに使う」こと
五香粉は、好き嫌いが分かれるスパイスでもあると思います。特に八角とフェンネルが苦手だという声は、料理教室でもちらほら聞きますので、その場合はほかのスパイスをブレンドすることをおすすめします。
中華スパイスでもあるシナモンは、お菓子やコーヒー、紅茶のトッピングとしてなじみのある香りですよね。なのでこのなじみのあるシナモンと五香粉を半々にします。どうしても八角が苦手な方は、シナモンだけに変更することも。
中華系スパイスは全体的に風味の強いものが多いので“入れすぎない”というのが大切なポイントです! スパイス全体に言えることですが、たくさん入れたからといって美味しさがアップするものではなく、ほどよさが大切。最初は控えめに上品に使うのが、スパイス上手になるコツですよ♪
五香紛を使ったとっておきのレシピ
ザクザク食感がやみつきになる!「鶏排(ジーパイ)」
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/462226
台湾のザックザク衣が特徴のスパイシーな唐揚げです。屋台で見かける顔よりも大きな大鶏排(ダージーパイ)は、最近日本でも見かけるようになりましたが、これは食べやすいサイズですよ。
●詳しいレシピはこちら
台湾風スパイシー鶏唐揚げ「鶏排(ジーパイ)」
レンジで簡単!「中華そぼろのレタス包み」
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オイスターソースと五香粉で味付けする中華風そぼろをレタスで包んで、野菜もお肉ももりもり食べられるおかずです。もちろんそぼろはご飯にかけても、麺のトッピングにしても美味しい! レンジで手軽に作れます。
●詳しいレシピはこちら
レンジですぐできる「中華そぼろのレタス包み」
ひとふりで中華風に!「揚げなすの五香粉風味」
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なすを少ない油で揚げなす風にして、仕上げに香味野菜と五香粉を加えて中華味に。いつもの揚げなすがガラリと変わります。
●詳しいレシピはこちら
いつもの料理を手軽に中華に「揚げなすの五香粉風味」
スパイシーで箸が止まらない「中華風ピクルス」
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ご飯のお供にもビールのおつまみにもぴったり! お酢とスパイスパワーで蒸し暑い時期にも食欲増進。保存もきくので暑い時期にぴったりの副菜です。
●詳しいレシピはこちら
五香粉をひとふり「中華風ピクルス」
「五香粉」は、手軽に中華の味を出してくれる便利なスパイスということがおわかりいただけたでしょうか。
中華料理は、実は基本の味付けは和食と近いものが多く、塩味ベースのものはもちろん、醤油と砂糖ベースの味付けの料理もたくさんあります。そこに何も加えなければ和食ですし、五香粉や豆板醤を加えれば中華風になると考えると、レシピがなくてもいつでも中華料理が作れる、と私は思っています。
「スパイスをちょっと加えると味の国籍が変わる」と意識して、いつもの料理を本格的な中華風にアレンジして楽しんで下さいね!
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