おせちや箸休めに大活躍!「紅白なます」
大根とにんじんの白と赤の色合いがお祝いの水引きに似ていることから、平安時代から「平安」と「平和」を願う縁起物とされている「紅白なます」。源平合戦での源氏の白旗と平家の赤旗に見立てて「源平なます」と呼ばれることもあります。
また、大根とにんじんが地中に根を張ることから「家や家業が安定するように」という意味もあり、一家の平和を願った新年のお祝いにふさわしい縁起物のひとつです。
今回は、そんなおせち料理に欠かせない「紅白なます」の大根とにんじんの切り方から作り方、覚えておくと便利な「ゆず釜」の作り方、子どもも食べやすいアレンジなますまで詳しくご紹介します。シンプルな材料で簡単に作れる紅白なますで、今年は手軽に手作りおせちを楽しんでみませんか。
基本の紅白なますの作り方
【材料(4人分)】
大根 300g(8cmほど)
にんじん 60g(5cmほど)
塩 小さじ2/3
A酢 大さじ4
A水 大さじ3
A砂糖 大さじ2
A塩 小さじ1/3
Aだしの素 小さじ1/2
【作り方】
1.大根とにんじんは皮を剥く。
【ポイント】
・大根とにんじんは皮を厚く剥く必要はないので、包丁やピーラーで薄く皮を剥きます。
・スライサーで切る場合は長さを短くせず、長いまま使う分だけ皮を剥いてスライサーで切ると手を切る危険もなく切りやすいですよ。
・大根とにんじんの分量を6:1の割合で作ると、白と赤のバランスが良くなり上品な仕上がりになります。
・大根は使う部位によって食感と味が変わってきます。一般的に頭の方が甘く、根元にいくほど辛味が強く筋が多くなるので、頭の部分から中央部分を使用すると甘く美味しいなますに仕上がります。
・今回は大根とにんじんだけでシンプルに作っています。お好みで柚子皮をせん切りして加えたり、赤唐辛子を入れたりしても。
2.大根は端から繊維に沿って3mmの薄切りにする。
【ポイント】
・大根を横に置いて切る場合は、まず外側の丸みを2枚ほど切ってから切り口をまな板に置いて薄切りすると、大根が固定されて切りやすいですよ。
・大根の切り口を縦に置いて切る場合は端から薄切りしてください(8〜10cmぐらいまでは縦に置いても切れると思います)。
・大根を切るときは途中で厚さが変わらないよう、切り終わり部分を確認しながら切ると同じ厚さで切ることができます。
・今回はシャキッとした食感が楽しめるように繊維に沿って切っています。やわらかくしんなりした食感にしたい場合は繊維を切るように斜めに薄切り(なます切り)してください。
3.薄切りにした大根をずらして重ねておき、端から繊維に沿ってせん切りする。
【ポイント】
・時短でせん切りするために大根を重ねますが、重ねて大根が厚くなりすぎると切りにくく、重ねている大根が滑って下の大根が太くなってしまう場合があるので、切りやすい一定の厚みになるようにずらして置きます。
4.にんじんは1〜2mmの薄切りにしてせん切りする。
【ポイント】
・にんじんは大根より色が濃いので、大根より少し細めに切ると見た目のバランスが良くなります。スライサーで切る場合も、大根より細めのスライサーを使用してください。
・おせち料理の場合は金時にんじんを使用するとより鮮やかな赤に仕上がりますよ。
5.ポリ袋に大根とにんじん、塩を入れて振り、揉む。大根とにんじんがしんなりして水分が出るまで10分ほど置いて塩をなじませる。
【ポイント】
・ポリ袋に空気を入れて膨らませてからシャカシャカ振ることで全体にまんべんなく塩を混ぜ合わせることができます。ボウルなどで塩もみする場合は、塩がまんべんなくなじむようにしっかり混ぜ合わせてくださいね。
・塩もみすることで(1)カサが減るのでたくさん食べられ(2)大根とにんじんから余分な水分が出て調味の味を損なわず(3)下味がつき(4)味がなじみやすくなります。
6.塩をなじませている間にAを混ぜ合わせておく。
【ポイント】
・砂糖がしっかり溶けて甘酢がなじむように、早めに混ぜ合わせておくのがポイントです。
・酸味を和らげたい場合は甘酢の調味料を小鍋に入れて30秒ほど煮立ててから冷ましてください。手軽に電子レンジ(600W)で1分加熱していただいても大丈夫です。
・今回は手軽にだしの素を使用していますが、もちろん昆布やかつおでだしを取っていただいても大丈夫です。
7.大根とにんじんをしっかり絞る。
【ポイント】
・ポリ袋を逆さにして絞ると水分だけ絞り出すことができます。絞りにくい場合は、取り出して2回ぐらいに分けて絞ってください。
・しっかり絞って大根とにんじんの水気を切ることで、甘酢の味が薄まってぼんやりした味になるのを防ぎます。
8.7とAを混ぜ合わせる。冷蔵庫で半日ほど味をなじませる(たまに混ぜ合わせて全体に味をなじませてください)。
【ポイント】
・作って1時間ほど経てば食べられますが、味をなじませる方が美味しくなります。
・ポリ袋や保存袋などに入れて漬けると、調味料が全体になじみやすく短時間で漬かりますよ。
・食べるときは少し絞って水分を切ってください。
・清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存し、3〜4日を目安に食べ切ってください(今回は酸味を和らげるために水を入れているので保存期間が短めです。水を入れずに作った場合は1週間程度保存できます。)
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おせちや作り置きに*基本の紅白なます
おせちに大活躍「ゆず釜」の作り方
柚子の果肉をくり抜いて器に見立てた「ゆず釜」は、見た目が華やかになるだけでなく香りも楽しめておせち料理にぴったり! 作り方を覚えておけば普段のおかずやおもてなしにも使えますよ。
【作り方】
1.柚子をきれいに洗って水気を拭き、柚子の上1/4〜1/5ぐらいを横に水平に切る。
2.果肉と皮の間にスプーンを入れ、果肉を取り出す。
3.ふちを包丁で整える。
【ポイント】
・柚子の果肉を取り出すスプーンは、ティースプーンなどの小さめのものが取り出しやすいですよ。柚子の皮はやわらかいので破れないように気をつけてくださいね。
・柚子が安定しない場合は底を少し切り落としてください。
・取り出した果肉は絞って果汁を使ってください。
簡単アレンジ
1.柚子のふち2〜3mm下に左右から中心に水平に切り込みを入れる。
2.左右の切り込みを上に持ち上げ、水引きなどで固結びしてカゴにする。
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おせちに大活躍!ゆず釜の作り方
子どもも食べやすい!紅白なますアレンジ
酸味のある紅白なますは少し苦手というお子さんも多いのではないでしょうか? できれば同じものを食べたいおせち料理。子どもも食べやすい“紅白なますアレンジ”をご紹介します。
作り方は簡単! 大根をスライスしたら漬け汁に漬け込んで、サーモンをくるくる巻くだけでできあがります。大根のパリパリの歯ごたえにサーモンのうま味が相性抜群。見た目もちょっと豪華で、紅白なますが苦手な子どももこれならパクパク食べてくれますよ。ぜひこちらも試してみてくださいね。
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おせち・オードブルに*サーモンの大根なます巻き
シンプルな材料で簡単に作れる「紅白なます」は、濃い味のおせち料理の箸休めに最適。また、大根の消化酵素が、弱った胃腸の消化作用を助けてくれ、糖分と酢が年末の大掃除などの疲労回復にも役立ちます。
大根が甘く美味しくなるこれからの季節。おせち料理はもちろん、普段のおかずや常備菜にも活用してご家族の健康と平和を守ってくださいね。
これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら
●こちらのコラムもチェックしてみてくださいね。
・本当に美味しい栗きんとん|何度も作りたい定番レシピVol.230
・本当に美味しいたたきごぼう|何度も作りたい定番レシピVol.225