夏に食べたい!野菜の王様モロヘイヤ
独特の粘りがクセになる夏野菜「モロヘイヤ」。古代エジプト時代から健康野菜として食べられていた歴史の古い野菜ですが、日本での歴史はまだ浅く、どうやって下処理や調理をしたら良いか分からない…と悩む方も多いのでは?
今回は、新鮮なモロヘイヤの選び方から、モロヘイヤの下処理方法とゆで方、基本のおひたしの作り方、レンジで簡単に作れるおひたしまでを詳しくご紹介します。今夜は、ゆでて和えるだけで簡単に作れる「モロヘイヤのおひたし」で、夏の食卓を楽しんでみませんか?
モロヘイヤの選び方のポイント
モロヘイヤは、鮮度が落ちるとかたくなるので、できる限り新鮮なものを選ぶのが美味しさのポイント。
(1)葉が鮮やかな濃い緑色でハリがあり、みずみずしいもの(2)葉先が変色していないもの(3)茎に弾力があり、手で折れるぐらいやわらかいもの(4)茎の根元の切り口が茶色く変色していないものが新鮮です。
また、あまり茎の太いものは育ち過ぎてスジが太くかたくなっているので、細めでやわらかいものを選ぶと茎も美味しく食べられますよ。
基本のモロヘイヤのおひたしの作り方
【材料(2人分)】
モロヘイヤ 1束(100g)
A塩 大さじ1/2
A水 1L
B醤油 大さじ1
Bみりん・水 各小さじ1
B削り節 少々(親指と人差し指でつまんで)
削り節・ごま 適量
【作り方】
1.モロヘイヤの下処理をする。
◆モロヘイヤの茎についた葉をちぎる。
【ポイント】
・モロヘイヤの種子や成熟種子のサヤ、発芽から日が浅い葉にはめまいや下痢などの中毒症状を引き起こすストロファンチジンが含まれているので絶対に食べないでください。
・スーパーなどで野菜として販売されているモロヘイヤにはストロファンチジンは含まれていないので茎も安心して食べられます。
・家庭菜園などでモロヘイヤを育てている場合は種子やサヤが混ざらないように注意し、茎は食べず葉だけを食べるようにしてください。お子さんが間違って食べないように注意してください。
◆穂先の葉は根元からちぎる。
◆茎の穂先から半分〜2/3ほどのやわらかい部分と根元のかたい部分を切り分ける。
【ポイント】
・モロヘイヤの茎のかたい部分はゆでてもやわらかくならないので、包丁がすっと入るやわらかい部分だけを使用し、かたい部分は切り落として捨ててください。
◆葉と茎に分け、茎は3cm長さに切る。
【ポイント】
・モロヘイヤの葉と茎はゆで時間が異なるので、分けておくとゆでるときに便利です。
・茎の長さはお好みで調整してください。
2.鍋にお湯を沸かし、塩大さじ1/2(水1Lに対して)を入れ火にかける。沸騰したら、まずモロヘイヤの茎を入れてゆで、40〜50秒たったら葉を入れ、20〜30秒ゆでる。
【ポイント】
・しっかりめの塩でゆでることでモロヘイヤが色鮮やかに仕上がり、甘みとうま味が出ます。
・モロヘイヤの茎のゆで時間は1分〜1分10秒、葉のゆで時間は20〜30秒が目安です。モロヘイヤの栄養成分のビタミンは水溶性なので、ゆで過ぎるとモロヘイヤの栄養やうま味も流れ出てしまうので注意してくださいね。
・茎も葉も美味しくゆで上がるように、先に茎を入れてゆで、途中で葉を加えて時間差でゆでてください。葉の大きさや厚さ、茎の太さで時間は調整してくださいね。
・モロヘイヤのえぐみ(アク)はシュウ酸です。シュウ酸は、鉄分やカルシウムの吸収を妨げ、多量に摂取すると体内のカルシウムと結びつき、結石や骨粗鬆症の原因になってしまうので、ゆでてアクを抜いてください。
3.モロヘイヤをザルに上げて冷水で冷やし、しっかり絞って水気を切る。
【ポイント】
・モロヘイヤを氷水に取り一気に冷ますことで、余熱で熱が通り過ぎるのを防ぎ、色鮮やかに仕上げます。
・氷水がない場合は、水を2〜3回入れ替えて冷ましてください。
・氷水にさらし過ぎるとモロヘイヤの栄養やうま味も流れ出てしまうので、注意してくださいね。
・モロヘイヤに水分が残っていると調味料が薄まってぼんやりとした味になってしまうので、しっかり両手で絞って水気を切ってください。
4.モロヘイヤをお好みの大きさに切る。
【ポイント】
・モロヘイヤは切り方によって食感が変わります。使うメニューやお好みに合わせて大きさを変えて切ってください。
「ざく切り」→モロヘイヤの茎のシャキシャキ食感が味わえる切り方です。応用メニュー:おひたしやサラダ、味噌汁、炒め物など。
「細かく刻む」→モロヘイヤ特有のネバネバ食感が楽しめる切り方です。応用メニュー:どんぶりやスープ、和え物など。
・モロヘイヤを細かく刻むときは、まな板を濡らしてから切ると汚れが取れやすいですよ。また、クッキングシートを敷いて切ると刻んだモロヘイヤが移しやすくなるので便利です。
5.器にBを入れ、モロヘイヤを入れてほぐし、混ぜ合わせる。
【ポイント】
・みりんのアルコール分が気になる場合は、先にBを電子レンジ600Wで30秒〜加熱し、沸騰させてから冷ましてモロヘイヤを混ぜ合わせてください。気にならない場合はそのままで大丈夫です。
6.器に盛り、削り節・ごまを散らす。
【ポイント】
・今回は漬け込む時間なくすぐに食べられるおひたしに仕上げています。漬け込んで仕上げたい場合は、だし汁100ml、醤油大さじ1、みりん小さじ1を合わせてモロヘイヤを混ぜ合わせてください。
・おひたしは少し冷たいほうが美味しく食べられるので、モロヘイヤを冷水で冷ますときに氷水でしっかり短時間で冷ましてください。もう少し冷たくしたい場合は、調味料と混ぜ合わせた後で冷蔵庫で15〜20分冷やして召し上がってくださいね。
・清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存して2日、冷凍で1か月を目安に食べ切ってください。
モロヘイヤの保存方法
モロヘイヤは、かためにゆでて冷蔵で2日(細かく刻んだ場合は1日)、冷凍すると1か月保存できます。冷凍保存する場合は、ゆで時間を10〜20秒短くし、冷水で冷ましてから水気をしっかり絞り、茎と葉部分に分けて1回分ずつラップに包み、ジッパー付き保存袋に重ならないように広げて冷凍してください(ステンレストレーに置いたり、保存袋をアルミホイルで包んで冷凍したりすると急速冷凍することができます)。冷凍したモロヘイヤは必ず加熱して使用してくださいね。
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驚く美味しさ!基本のモロヘイヤのお浸し
レンジで簡単!モロヘイヤのおひたしの作り方
ここからは、レンジで簡単にできるモロヘイヤのおひたしをご紹介します。レンジを使えば、暑いときに火を使わず手軽に作ることができますよ。ぜひこちらも試してみてくださいね。
【材料(2人分)】
モロヘイヤ 1束(100g)
Aめんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
A削り節 1袋(2.5g)
ごま 適量
【作り方】
1.モロヘイヤは葉を茎からちぎる。茎の下半分のかたい部分を切り落とし、上部分を3cm長さに切る。
2.モロヘイヤをサッと水にくぐらせて耐熱容器に入れ、フワッとラップをして電子レンジ600Wで2分〜2分30秒加熱する。
【ポイント】
・モロヘイヤをサッと水にくぐらせてからレンジ加熱することで、モロヘイヤがパサパサになるのを防ぎます。
・まず茎を入れ、上に葉をのせてください。
・レンジ出力や使う容器によって加熱時間は調整してください。
・容器が熱くなっているので取り出す際は注意してくださいね。
3.モロヘイヤを冷水に取り冷ます。しっかり水気を絞り、葉部分を食べやすい大きさに切る。
【ポイント】
・レンジ加熱した後、モロヘイヤのアクを抜くために必ず冷水に取って冷ましてください。
4.器にモロヘイヤとAを入れ、モロヘイヤをほぐして混ぜ合わせる。器に盛り、ごまを散らす。
【ポイント】
・簡単にめんつゆで味付けしています。基本のモロヘイヤのおひたしと同じ味付けにしていただいても大丈夫です。
・清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存して2日、冷凍で1か月を目安に食べ切ってください。
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レンジで簡単!モロヘイヤのお浸し
ねばねば食感で、暑くて食欲がないときも喉ごし良く食べやすいモロヘイヤは、カロテンやカルシウム、ビタミン類、食物繊維などが豊富に含まれ栄養も満点! 免疫力アップや美肌、生活習慣病の予防などにうれしい効果も期待できます。6月から9月とこれから旬を迎えるモロヘイヤを、ぜひ毎日の食卓に積極的に取り入れて、この夏を元気に乗り越えてくださいね。
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