【今年も来年もずっと作り続けたい私の永久保存レシピです。】 時短や節約はここでは特別意識せず、来年も、再来年も、ずっとずっと食べ続けたい「美味しさ」を大切にしたレシピです。 最大のポイントは、ぶり(アラ)の臭みを丁寧にしっかり取り除くこと。この処理で、通常臭みで活用しづらい魚の煮汁を飲めるくらいのものにします。 メインのぶりはほろほろに柔らかく、しっかり染みた甘辛さが日本酒にとっても合います。 長ねぎはとろとろで、そのものの甘さが全体の味までも一層美味しく。 少し手間をかけます。だからこそ、覚えておきたい。忘れたくない。私の大切なレシピです。
▼生姜の切り方…生姜そのものも食べたい時は千切りに。風味だけつけて食べない時は、よけやすいように目に見える大きさに切ってください。 ▼長ねぎの太さ…細めの長ねぎが食べやすく、見栄えとして数も増やせるのでおすすめです。こちらでは細い長ねぎを青い部分除き4本使用しました。 ▼小ねぎ…青ねぎ、万能ねぎと言われるものです。代用は、もし手に入れば九条ねぎが最高だと思っています。 ▼砂糖の量…こちらでは、甘くて濃い九州のお醤油を使っています。その場合は小さじ2。甘みが弱いお醤油の時は小さじ3がおすすめです。 ▼工程1…丈夫なポリ袋を使う理由は、まず弱いものだと高確率で破けてしまいます。次に、バット等に広げるよりは少ない酒の量で、しみしみに馴染ませられるためです。(アイラップを使用しています。)とは言っても、あらの状態により骨が飛び出ていれば破れてしまうので、その場合はバットやボウルを使用し、酒の量を倍程度にしてしっかり行き渡るようにします。 ▼工程1…強く振ったり揉みすぎるとポリ袋が破れることもあります。優しく、優しく扱います。 ▼工程2…臭みを含んだ水分が出ています。これを吸い取らずにおくと、せっかく臭みを出した意味がなくなってしまうため、キッチンペーパーに広げてきっちり吸い取ります。 ▼工程3…霜降りと言われる作業です。煮るのではなく、熱湯に通す作業なので、全てつけたら数秒でお湯を捨てます。 ▼工程4…臭み取り最後の作業です。ざっとでも意味があります。長く水につけてもうま味が逃げるため、時間をかけて丁寧すぎるほどにやりたい作業ではありません。手早く、わかりやすいぬめりと固まった血がとれれば十分です。 ▼工程5…アクを取る作業です。強火短時間で終わらせます。 ▼工程6〜9…味付けの作業です。調味料を入れる順番、時間がポイントです。火加減は、地獄のように強くグツグツ沸騰させず、くつくつ静かに沸騰するくらいがベストです。
丈夫なポリ袋にぶりのアラを入れ、塩を加える。口を手で閉じ、塩が行き渡るように優しく振る。 次に酒を加え、同じく優しく振り10〜15分おく。
数枚重ねたキッチンペーパーの上に、1のぶりをポリ袋からひとつずつ取り出して置き、包んで水気を吸い取る。
沸騰させたお湯の中に2を手早く入れ、全て入ってから5秒程度待つ。ザルにあげてお湯をきる。
大きめのボウルにたっぷりの水道水(分量外)を入れ、ぶりをそこへ移す。 水道水は弱めで出しっぱなしにし、水の中で触った感じでぬるついてるもの、皮をなでると取れるうろこ、目に見える血のかたまり等を優しく取り除く。
鍋に4のぶり、A 酒1カップ、みりん1/2カップ、水1/2カップ、切った生姜を入れて強火にかける。 沸騰し始めたら3分ほど待ち、出てくるアクを丁寧に取り除く。 アクを取り切ったら弱火に下げ、10分煮る。
砂糖を加え、全体に行き渡るように鍋を回したり、鍋を傾けて煮汁をスプーン等ですくって上からかけたりする。 5分煮る。
濃口醤油を加え、煮汁が混ざり合うように鍋を回す。 5分煮る。
3〜4㎝の長さに切った長ねぎを、フタにするようなイメージで表面全体に広げ入れる。 5分煮る。
5分経ったら火を止める。 (できれば粗熱が取れるまでこのまま置いておく。) お皿に盛り付け、小口切りにした小ねぎ(青ねぎ)を散らす。
《煮汁活用》 〜ぶり南蛮(ざる)〜 そば(うどん)を茹で、冷水でしめる。水気をしっかりきって盛る。 煮汁はアツアツにあたため、お椀にぶりと長ねぎと一緒に入れる。 たっぷりの小ねぎと一緒に、ざる蕎麦(つけ蕎麦)のようにする。 ※山椒がよく合います。 〜ぶり南蛮(かけ)〜 そば(うどん)を茹でて冷水でしめ、水気をしっかりきって器に入れる。 煮汁に水を加え、かけそばとしてちょうど良いと感じられる濃さに調整してアツアツにあたため、そば(うどん)を入れた器に注ぐ。 ※そば(うどん)の茹で方や時間は袋表記にならってください。
《使用したぶり》 写真のものです。できれば骨ばかりが目立つことのない、身がちゃんとついていそうなものを選びます。
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おねこ
呑兵衛料理家
呑兵衛料理家。豊富な食材に魅了され、北海道永住を決めた生粋の食道楽。 北海道在住20年。 春は山菜採り、夏はキャンプ、秋はきのこ狩り、冬はスキー。北海道各地の旬の食材と美食を追いかけ、弾丸長距離移動もするアクティブ派。 「夜が楽しければきっと明日はもっと楽しい!」をモットーに、夜を盛り上げるおつまみレシピとごはんがすすむおかずをメインにレシピ開発。 ●著書:ごはんもお酒もすすむ!絶品おねこ食堂(宝島社) ●コラム連載:「おねこさんと一緒にフードロス対策」