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    • 公開日2022/10/14
    • 更新日2022/10/14

    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.14|めんつゆ

    世界中のお料理を3ステップの簡単レシピにしてお届けするNadia Artistのヤミーさん。雑誌やテレビ、企業のレシピ開発などでも大活躍のヤミーさんに、世界中の調味料のとっておきの使い方を教えてもらうこの連載。第14回は「めんつゆ」。どの家庭にもある定番調味料は、時短・簡単料理のために作られた調味料なんだとか。ぜひチェックしてみてくださいね。

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    ヤミーさんに教わる!あの調味料のとっておきの使い方Vol.14|めんつゆ

     

    便利な定番調味料「めんつゆ」

    めんつゆはどの家庭にもある定番調味料のひとつ。麺類のつゆとして使うのはもちろん、和風の味付けをするときも幅広く使用されていますよね。だしのうま味があって味が決まりやすいので、めんつゆひとつでパパッと味付けができて失敗が少ないという、とても便利な調味料です。

    一般的に、かつおだしと醤油、砂糖などを合わせたものを「めんつゆ」ということが多いですよね。しかし、めんつゆが普及する前は、麺のつゆは各家庭で作っていたし、うどんなのか蕎麦なのかそうめんなのか、麺によっても違う味付けにしていたと思います。

    たとえば、茨城の農家である私の実家の「めんつゆ」は、干ししいたけと煮干しのだしと野菜を煮て、醤油と砂糖で味付けしたもの。イメージとしてはけんちん汁が近く、これをうどんにかけて食べたりしていました。

     

    めんつゆの由来や歴史は?

    では、一般的なめんつゆにはどのような由来や歴史があるのでしょうか? 各メーカーのHPを見てみると、めんつゆは1960年代に販売を始めたところが多いようです。ある記事では、1952年に中京地方のメーカーがめんつゆ(つゆの素)を開発しており、実はその元になったのは「蕎麦つゆ」。その製法が「めんつゆ」の基本になったのでは、と書かれていました。

    確かに、各メーカーのめんつゆの商品説明を見ると、蕎麦つゆの作り方である「かえし」の記述がありますし、蕎麦屋で修行して商品開発を行った、という誕生秘話も見られました。めんつゆ(つゆの素)は蕎麦つゆが元になっているのは確かですね。

     

    めんつゆは時短・簡単のための調味料だった!

    めんつゆは、戦後の高度成長期、忙しくなっていく世の中で自動式電気かまど(炊飯器)が誕生して爆発的に大ヒットし、各食品メーカーがいかに調理を簡単にするかを考えていく中で生まれたようです。つまり、めんつゆは「時短・簡単料理のために生まれた調味料」ということです。

    かまどでご飯を炊き、かつお節を削ってだしを取って...と、女性が台所につきっきりなのが当たり前だった時代に、めんつゆの登場は画期的だったのではないかと思います。

    「めんつゆ」が誕生して約60年後の今、ますます時短・簡単料理に活用され、調味料として当たり前の存在になっているというのは、時代にあった素晴しい発明品だと言えるでしょう。

     

    めんつゆの種類について

    めんつゆには「●倍」や「ストレート」といった種類があると思います。この意味をご存知でしょうか? 「ストレート」はそのまま薄めずに使えるものだと分かりやすいですね。対して「●倍」ですが、こちらは「濃縮」と書かれていることもあるので、つゆを煮詰めて濃縮している、というイメージの方が多いのではないでしょうか?

    実は、これは煮詰めているのではなく、●倍は塩分濃度によります。3倍のものは2倍より塩分が多くしょっぱいので、その分薄める水の量が多く必要ですよ、ということだそうです。

    数字が大きいものは、醤油の割合が増えて塩分濃度が上がり、保存性が増します。数字が小さい方が、だしや糖類などの割合が多いということになります。

    私は、シンプルな風味のものが好きなので、3倍濃縮を選ぶことが多いです(足りない分は足せるので)。ぜひ、選ぶときの目安にしてみてください。

     

    めんつゆを使ったとっておきのレシピ

     

    材料3つで完成!和風ドレッシング

    材料3つ!簡単美味しい『和風ドレッシング』https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/446107

    おうちにある調味料で簡単に和風ドレッシングが作れちゃいます。めんつゆ、酢、オリーブオイルを混ぜれば完成! 野菜がもりもり食べられる、しっかりうま味を感じるドレッシングです。

    ●詳しいレシピはこちら
    材料3つ!簡単美味しい『和風ドレッシング』

     

    作り置きにも!きのこの焼き浸し

    出汁いらず!めんつゆにひと工夫で美味しい『きのこの焼き浸し』https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/446106

    めんつゆの「だし」の風味を活かして、塩で甘さを調節。少しの工夫でめんつゆそのままの味ではない焼き浸しになります。アツアツのまま食べても美味しいですが、1~2時間ほど冷蔵庫で味をなじませても美味しいですよ。

    ●詳しいレシピはこちら
    出汁いらず!めんつゆにひと工夫で美味しい『きのこの焼き浸し』

     

    めんつゆで作る!?うま味たっぷり和風ミートソース

    つゆの旨味でグッと美味しい『和風ミートソース』https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/446105

    めんつゆを加えて、短時間で美味しくできるミートソースです。あれこれ調味料を加えなくても、肉×トマト×だしのうま味は最強! 電子レンジで作れるのもうれしいポイントですよ。

    ●詳しいレシピはこちら
    つゆの旨味でグッと美味しい『和風ミートソース』

     

    味付けはめんつゆのみでOK!五目炊き込みご飯

    めんつゆで味が決まる!『五目炊き込みごはん』https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/446104

    味付けはめんつゆにおまかせ! 米とめんつゆ、具材を炊飯器に入れて炊くだけで、美味しい炊き込みご飯ができあがります。具材はお好みでOKなので、好きなものを入れてくださいね。

    ●詳しいレシピはこちら
    めんつゆで味が決まる!『五目炊き込みごはん』

    余談ですが、めんつゆや〇〇のたれ類の世帯あたりの購入金額は、1994年に醤油を上回ったそうです。それまでは、味付けといえばなんでも醤油でしたが、めんつゆの誕生から約40年で醤油に取って代わったことになります。2012年には2倍以上に差が拡大し、ますます市場を伸ばしているそうです。

    めんつゆメーカーは、世界中で和食への関心が高まっている今後、海外市場への進出を考えているそうです。これから海外でもめんつゆを見かけるようになるかもしれません。どのように使われるのか? アメリカの家庭で「今日のお昼は蕎麦よ!」という日が来るかもしれませんね。

     

    これまでの連載はこちら!

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    ヤミー
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    ヤミー

    世界を旅する、料理研究家。輸入食材店に勤務しながら料理ブログをスタートして話題となり、現在はテレビや雑誌、企業のレシピ開発で活躍の他、ベストセラーとなった著書多数。近著に『ヤミーさんのおうちで世界一周レシピ』『ワンボウルクッキング』(いずれも主婦の友社)。NHK「きょうの料理」や、冠番組「ヤミーのレシピ帖」(長野朝日放送)などのテレビ出演、少人数制料理教室「Yummy‘s Cooking Studio」を主宰するなど、輸入食材の知識を活かして、世界中の料理を日本の家庭で作れる簡単レシピにするのが得意。 最近は日本一のカルディマニアとしてもテレビやラジオ、雑誌などでも活躍している。

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