いわしの美味しい季節になりました。入梅いわしと言われる梅雨の時期のいわしは、脂がのって格別の美味しさです。その上、いわしは価格も手ごろで、栄養満点! 今回は、気取らない家庭の味、いわしの梅煮を作りたいと思います。
ご飯のおかずにも、酒のつまみにもなるいわしの梅煮は、ほっとする味わいですよね。とはいえ、生臭さが残ってしまったり、皮がはがれてぼろぼろになってしまったりと、魚の煮つけには失敗談もつきもの。今回は、ぐっと美味しく仕上がるちょっとしたコツもご紹介します。梅の風味で魚のにおいも和らぎ、魚嫌いのお子さんでも食べやすいですよ。
基本の「いわしの梅煮」の作り方
【材料(2人分)】
いわし 4尾
梅干し 4個
しょうが 1~2片
日本酒 1/2カップ(100ml)
みりん 1/4カップ(50ml)
醤油 大さじ2
砂糖 大さじ1と1/2
酢 大さじ1
水 3/4カップ(150ml)
「鰯」は魚へんに弱いと書くように鮮度が落ちやすい魚なので、できるだけ新鮮なものを選ぶようにします。いわしは、目が赤くなっているものや、腹が破れているようなものは避け、体に張りがあって身が厚く、つやがあるものを選んでください。
【作り方】
●いわしの下ごしらえ
1.うろこを取り、頭を切る
洗ったいわしを、新聞紙を敷いたまな板にのせます。(新聞紙を使うと片付けがラクです)
包丁の先で、尾の方からなでるようにうろこを取ります。胸びれが頭の方につくように包丁を入れ、そのまま頭を切り落とします。
2.お腹を切り内臓を出して洗う。
腹の下のほうを切り取って内臓を取り、水で洗います。
煮たときに生臭みが出ないように、内臓の取り残しや、血わたも取り除きます。美味しく作るための大事なポイントです。
背骨のところに血わたがあるので、骨にそって指でこするようにして洗い、しっかり取り除きます。
ボウルに水を流しながら手早くきれいに洗い、キッチンペーパーなどで水気と残った汚れを拭き取ります。
3.大きさに合わせて切る
大きいいわしなら半分に切ると扱いやすいです。そのまま煮る場合は尾を切り、斜めに浅く切り込みを入れると味が染みやすくなります。
●梅干しと一緒に煮る
4.煮るときに使う鍋は、いわしが重ならずに並ぶ鍋を使うようにします。また、鍋が大きすぎると煮汁が蒸発しすぎたり、深すぎる鍋は取り出すときに崩れやすくなったりするので、ちょうどいいサイズの鍋を選びます。フライパンでもOKです。また、梅と酢を使うので、酸に弱いアルミの鍋は避け、ステンレスや樹脂加工した鍋を使うのがおすすめです。
鍋に煮汁の材料を入れて火にかけ、煮汁が温まったらいったん火を止めます。煮立っている煮汁の中にいわしを入れると皮がはがれやすいので、熱い煮汁には入れないようにします。先に魚を並べ、煮汁の材料を入れてから火にかけてもOKです。
入れるときは、いわしの向きに気を付けて、盛り付けたときに上になる方を上にして並べます。(頭の方が左になるように)
梅干しは、半分は汁になじむようにつぶして加え、残りはそのまま入れます。
5.強めの中火にかけ、アクを取り除きます。皮に触るとはがれてしまうので、皮に触らないようにしてアクを取ります。
アクをとったら、落とし蓋をします。落とし蓋はクッキングシートを鍋のサイズに切って、真ん中に穴をあけたものを使うと、片付けもラクです。
落とし蓋をしたら、火を弱めます。落とし蓋の中で煮汁がぶくぶくと対流している状態になるように、弱火~中火くらいの間で調整してください。落とし蓋をすることで中で煮汁が対流し、ひっくり返さなくても全体に火が入り、味も行き渡ります。
6.落とし蓋をしたまま煮汁が煮詰まるまで20~30分火にかけます。火加減によっては早く煮汁が煮詰まってしまうことがあるので、ときどきチェックしてください。最後に、落とし蓋をとって、好みの加減に煮汁を煮詰めたらできあがりです。圧力鍋を使わなくても、梅と酢の効果で小骨も気にせずに食べられます。
盛り付けるときは、身が崩れないように、フライ返しなどを使ってください。一緒に煮たしょうがや梅干しも美味しいので、一緒に盛り付けます。長ねぎとしそを千切りにしたものを添えると、香りもプラスされ、さっぱりと食べられますよ。
日持ち
アツアツはもちろん、しっかり味がついた梅煮は、冷めても美味しくいただけます。冷蔵庫で2~3日、冷凍したものは1か月くらいを目安に食べるようにしてください。
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