健康効果も期待できるレモン果汁
生のレモンを絞る必要がなく、すぐに使える瓶などに入ったレモン果汁。料理やお菓子、飲み物のアクセントとして使うのに便利ですよね。
料理にレモン果汁を使う目的は、酸味をつける役割が多いと思いますが、その酸味のもとは「クエン酸」です。この「クエン酸」は、ただ酸っぱいだけではなく疲労感を軽減する機能があると研究によって報告されています。疲れたときに酸っぱいものが欲しくなるのは、そういうことなんですね。
また、酸味には塩味を感じやすくする効果があるので、減塩効果も期待できます。日本の成人の7割が塩分摂取過剰とのこと。漬物や味噌汁など、和食は塩分が増えがちなので、レモンの酸味と組み合わせることはとても有効だと思います。レモン果汁には、ビタミンCやポリフェノールなども含まれているので、健康効果も期待できる調味料です。
レモン果汁は、料理の味を引き立てる万能調味料
レモンの思い出といえば、スペインの友人宅に滞在していたときのことです。スペイン南部、バレンシアのさらに南西に位置する地中海沿いの街に友人の実家があり、そこら中にレモンの木が茂っていました。友人宅の庭にももちろんレモンがたわわに実っていました(ちょうど2月のレモン収穫時期のころです)。
スペインの友人宅にて。缶詰にレモンを絞っただけでもごちそうに。
食事の際にはそのレモンを採ってきて大ぶりに切り、たっぷりお皿にのせてテーブルに置きます。料理を食べる際には、そのレモンを各自が好みで絞るのですが、「パエリアにレモンを絞った?」とか、「料理が脂っこいからレモンを絞りなさい」「塩味が足りないからレモンを絞って」と、何かにつけてレモンを絞るように言われます。確かにレモンを絞ると味が引き締まって、料理を引き立ててくれるんです。スペイン人の友人は「何でもレモンが解決するんだよ」と笑っていました。
またスペインでは魚介の缶詰やピクルスやオリーブの瓶詰めなどの保存食品を開けて、そのままお皿に盛り付けたり楊枝に刺してピンチョスにしたりすることがあります。それにもレモンが欠かせません。油漬けや塩漬けが多い保存食品にレモン果汁をかけるだけで、美味しい一品に早替わりするんです。
日本だと缶詰が流行ったとはいえ、「缶詰そのまま」を一品として出すことに抵抗があるかもしれません。そんなときはレモン果汁をふりかければスペイン風の一品になるので、ぜひお試しいただきたいです。
お好みのレモン果汁を探してみてください
市販のレモン果汁には、「濃縮還元」と「ストレート」の2種類があります。
「濃縮還元」の場合、果汁を絞ったあと加熱などしてペースト状に濃縮したものに水分を加えてジュース状に戻します。濃縮のため輸送や保存がしやすいそうで、コストが抑えられるので価格も抑えめです。「ストレート」の場合、絞った果汁をそのまま充填しますので、コストはかかりますが、その分果汁そのものの味わいを楽しめるメリットがあります。
コスパの良い濃縮還元か果汁そのものの味を楽しめるストレートか、お好みで選ぶと良いと思います。最近はレモンの産地にこだわった商品も多く、酸味や味の違いがありますので、意識して選んでみてください。生のレモンは案外高いですし、自分の好きな味を見つけて常備すると便利な上に経済的にも良いですね。
レモン果汁を使ったとっておきのレシピ
最後の1滴まで美味しく食べられる、3種のきのこのアヒージョ
https://oceans-nadia.com/user/14317/recipe/353067
アヒージョはにんにくとオリーブオイルで具材を煮る料理ですね。オイルたっぷりなのでしつこく感じる方もいると思いますが、仕上げにレモン果汁をほんの少し加えると、とっても味良く仕上がります。オリーブオイルとレモンは相性抜群ですから、オイルを最後まで食べきれるアヒージョです。
●詳しいレシピはこちら
ちょっとひと味違う!3種のきのこのアヒージョ
ビールのお供にも♪さっぱりにんじんのソムタム
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タイ料理で何が好きかと聞かれたら迷わず「ソムタム」と答えるくらい大好きな料理です。「マナオ」という柑橘で味付けする料理ですが、レモンで作っても十分美味しく、ナンプラーと組み合わせればタイの味になります。
●詳しいレシピはこちら
ついついビールが進んじゃう!にんじんのソムタム
南米の味をぜひ!爽やかな辛さが魅力のセビーチェ
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南米料理の代表といえば「セビーチェ」。ライムと現地の唐辛子を組み合わせて作るのですが、レモン果汁と唐辛子の調味料「柚子胡椒」でアレンジ。好みのお刺身をマリネするだけで南米の味を手軽に楽しめます。
●詳しいレシピはこちら
爽やかな辛さの魚介マリネ『セビーチェ』
うま味たっぷり!手軽で美味しいオリーブサーディン
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オイルサーディンにレモン果汁をかけるだけで、油っぽさも魚くささも解消! サーディンだけではちょっと寂しいので、オリーブとパセリを飾りましたが、なくてもOK。パンにのせてランチにしたりおつまみにもどうぞ。
●詳しいレシピはこちら
パカっとあけてかけるだけ『オリーブサーディン』
先にスペイン料理の例を出しましたが、東南アジアや南米の料理にもレモン果汁は欠かせません。東南アジアや南米の国々には酸味を効かせた料理がたくさんありますが、お酢ではなく柑橘類の果汁を使う料理が多いです。その国独自の柑橘類であることが多いですが、日本では手に入りにくいので、私はいつもレモン果汁で代用しています。
世界の料理を日本の家庭で作りやすいレシピにして食の楽しさを提案している私にとって、レモン果汁は欠かせない調味料のひとつ。そして、ただ酸味をつけるだけでなく、健康効果と料理を美味しくする効果があるので、まさに「万能調味料」と言えますね。
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