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    • 公開日2016/11/19
    • 更新日2016/11/19

    モッツァレラの中からクリームがとろ~り…!モッツァレラで作る話題のチーズ、ブッラータ

    モッツァレラの薄い生地にとろける濃厚クリームを包んだ、ちょっとほかにはないごちそう感のあるチーズ、「ブッラータ」。今回はいま話題のこのチーズを徹底解剖! そしてその雰囲気をご家庭でもプチ体験できる方法をご紹介しちゃいます。おいしいレシピつき♪

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    モッツァレラの中からクリームがとろ~り…!モッツァレラで作る話題のチーズ、ブッラータ

     

    フレッシュチーズの女王、「ブッラータ」

    巾着のような形をした、モッツァレラチーズのかたまり。けれどナイフを入れると、なんと中からはとろ~り、こまかなモッツァレラととろけるクリームが出てきます!

    こんなインパクトのあるチーズ、「ブッラータ」は、長ぐつ型をしたイタリアのかかとの部分、プーリア州の名産品です。農業や牧畜の盛んなこの地域では、古くからさまざまなチーズが作られてきました。けれど、このユニークな形をしたチーズがどのようにして生まれたのか、そこにはある逸話があると言います。

    昔、大雪で道路が通行止めになってしまい、せっかく作った生クリームを街まで運ぶことができなくなってしまいました。そこで人々は考えたのです、「そうだ!できたてのモッツァレラで袋を作って、とりあえずそこに入れておけば悪くならないかも!」――

    もともとこのブッラータ(Buratta)という名前には、「バターのような」という意味があります。ですから別の説では、中にはバターを入れていたなんていう話もあるほど。とにかくこんなにも不思議な形のチーズができたのには、そんなわけがあったのですね。

     

    ブッラータのおいしさのヒミツ

    ブッラータチーズのおいしさの魅力は、なんといってもこのクリーミーさ。ナイフを入れると生クリームと細切れのモッツァレラが顔を出しますので、それを一緒にいただくとお口のなかがもう至福!なのです。

    そんなミルクの風味豊かなブッラータは、乳製品としての甘味と酸味のバランスも絶妙。風味はモッツァレラチーズにたしかによく似ていますが、さらに甘くコクがあり、そして食感がやわらかいんです。

    ですからブッラータは、これまで産地以外ではなかなか食べることが難しいチーズとしても知られていました。なにしろ地元のチーズ屋さんで買えば、「冷蔵庫にはぜったい入れないで!」と念を押されるくらい、本来はほんのちょっとの温度変化でも風味や食感が落ちてしまうほど繊細なものなのです。

    けれど、そんな希少なチーズだからこそ、ぜひ一度は味わってみたいと思うもの。今では製造や保存の技術もすすみ、この日本でもブッラータを購入できるお店が出てきました。ですがその前にちょっと、このチーズの雰囲気だけでも味わってみませんか?

     

    モッツァレラから作る、"ブッラータ"風チーズ

    今回は、手軽に手に入るモッツァレラチーズと電子レンジを使って "ブッラータ"風のチーズを再現してみます。もちろん、本物よりは味も食感も風味も落ちてしまいますが、あの「モッツァレラとクリームのとろけ合う感じ」というのは十分楽しめると思いますよ。

    ◎以下、詳しいレシピはこちら
    https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/144432

     

    ① 中に詰めるフィリングを作る

    まずは、クリーム状の中身を作ります。これはとても簡単。細切りにしたモッツァレラチーズと生クリーム、そしてブッラータの特徴のひとつでもある適度な酸味を表現するために、レモン汁を少し加えて混ぜ合わせます。

     

    ② 袋となるモッツァレラチーズを加熱してやわらかくする

    お次は、外側の袋となるモッツァレラチーズをやわらかくする作業です。これは簡単に、電子レンジを使いましょう。モッツァレラチーズには通常、一か所だけ平らな面があることが多いので、そちら側に包丁で深めに切り込みを入れておきます。あとでそこからモッツァレラを引き伸ばして、中身を詰めるためです。

    ここでのポイントは、包丁の先で慎重に、できるだけ深く、けれどけっして突き通さないように切り込みを入れるということ(裏側に傷があると、あとでそこから中身が漏れやすくなってしまいます)。

    あとはこんな風に、切れ込みを入れた側を下にしてモッツァレラチーズの袋に入っていた漬け汁と一緒に耐熱ボウルに入れます。

    そうすると、電子レンジの作用で切れ込みのあるチーズの下側の部分だけがやわらかくなるんですね。それを狙いながら、ふんわりラップをかけて、電子レンジで1分40秒~2分程度、加熱していきます。

    ※なお加熱時間は、季節やチーズの保存状況によっても多少異なります。あまり火を通しすぎるとモッツァレラがかたくなってしまうので、あくまでチーズの切り込みを入れた辺りだけやわらかくなるようにするというのがポイントです!

     

    ③ 中身を詰めて、モッツァレラの口を閉じる

    モッツァレラがやわらかくなったら、やけどに気を付けてスプーンなどで取り出します。この時、電子レンジで使ったラップを敷いた上にのせるとあとで形を整えやすくなります。

    あとは十字に入れておいた切り込みのところからモッツァレラチーズをびよ~んと伸ばしていき、なかに先ほどのフィリングを流し入れて閉じます。

    見た目はまるで肉まんみたいですが、まさにそのような感じでチーズをたぐり寄せ、口をしっかりつまんで留めたら、さらにラップで包んでボウルごと冷蔵庫へ。

    ※この時、ちょっとくらい中身が漏れてしまってもあまり気にしなくてOK! こぼれた生クリームはあとで盛り付けの時に添えれば大丈夫です

     

    ブッラータのおいしい食べ方

    こうして作った "ブッラータ"風チーズは、本物のブッラータ同様、そのまま食べてもお料理に使ってもおいしいものです。こんな風にただ果物に添えて一緒にいただくのもいいですし、ワインのおつまみ、パンのお供として、さまざまな食材と合わせるのもまた楽しいもの。

    とくにモッツァレラを使って手軽に作ったこのチーズは、食感のやわらかさというより「モッツァレラとクリームの組み合わせ」が新鮮ですので、それをソースのようにしていかせるような一皿にするといっそうおいしく楽しめます。

    最後に、そんなアレンジレシピをいくつかご紹介しますね。

     

    "ブッラータ"風チーズと季節の果物、生ハムのおつまみプレート

    クリームがあふれ出すブッラータに、とろりとした甘い洋梨と柿、ベビーリーフ、生ハムを合わせた一皿。黒こしょうをガリガリ挽いて、バルサミコとはちみつを混ぜた芳醇なソースとともにいただきます。

    ◎詳しいレシピはこちら
    https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/144436

     

    "ブッラータ"風チーズとスモークサーモンのサラダ

    こちらも食材を並べるだけの簡単レシピ。旨みのある塩気がたまらないスモークサーモンに、好みの野菜と薄切りレモンを添えて。そこにブッラータをのせ、塩、黒こしょう、EXバージンオリーブオイルをまわしかければできあがり。乳製品と相性の良いサーモンの、またひと味違ったおいしさが楽しめます。

    ◎詳しいレシピはこちら
    https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/144461

     

    "ブッラータ"風チーズとグリル野菜のホットディッシュ

    秋冬の寒い季節には、こんなのもオススメ。しっかりグリルした甘いパプリカと、さっとソテーした野菜をブッラータでいただきます。アツアツのお野菜にのっけたブッラータが溶け出してクリーミーなソースとなり、野菜だけなのにメイン級のおいしさに!

    ◎詳しいレシピはこちら
    https://oceans-nadia.com/user/26/recipe/144462

    いかがでしたか? ブッラータというチーズ、いよいよ本物が食べてみたくなってきますよね! それでしたらまずはぜひ「おうちブッラータ」で雰囲気を感じつつ、日本で作られている素敵なブッラータ、そしていつかはぜひ本場イタリアで、本物のブッラータの味わいに触れてみてください!

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    庭乃桃
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    庭乃桃

    • 女子栄養大学食生活指導士

    料理・食文化研究家 / 女子栄養大学 食生活指導士 / 文筆家 はじめまして、庭乃桃(にわの・もも)と申します。 どこの国の料理でも、食べたいのは しみじみ "おいしい!" と思えるごはん。 和のおかずから、洋食、エスニック、 本場ヨーロッパの家庭料理まで、 旬の食材や季節感を大切にした おいしいものが大好きです。 企業様向けレシピの開発や、 レシピ記事の制作、本やコラムを書く仕事を しています。 時々、翻訳、講演なども。 いろいろなレシピがあるので、 よかったらぜひのぞいていってくださいね!

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