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    • 公開日2017/11/27
    • 更新日2017/11/27

    【料理家さんの地元ごはんを紹介】大切にしたい!新潟県の郷土料理

    お米、お酒、海の幸、山の幸。私が生まれ育った新潟には、おいしいものがたくさん!今回は、新潟の名産や、郷土料理など、ふるさとの味を紹介させていただきます。

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    【料理家さんの地元ごはんを紹介】大切にしたい!新潟県の郷土料理

     

    新潟にはおいしいものがいっぱい

    新潟といえば、言わずと知れた米どころ。おいしいコシヒカリの産地として知られています。広々とした田園風景は、懐かしいふるさとの景色。父の実家でも米作りをして、新米の時期のつやつやのご飯は、忘れられない美味。

    また、おいしい米と水がある新潟は、酒どころとしても有名で、おいしい日本酒がたくさんあります。そのせいでしょうか、私も立派なお酒好きに育ちました。

    また、日本海に面した新潟は、海の幸にも恵まれています。南蛮エビ、寒ブリ、ズワイガニ、鮭、のどぐろなどが絶品。そして、農産物もおいしいものがたくさんあり、茶豆、茄子、里芋などがよく知られています。

    新潟でとれるおいしい食材を味わうのは、帰省の楽しみのひとつでもありますが、ふるさとの味といって思い出すのは、やはり、母の作る料理。家庭で作られる郷土料理をご紹介したいと思います。

     

    新潟の「おふくろの味」をご紹介!

     

    のっぺ

    ぶるさとの味といえば、一番最初に思い浮かぶのが「のっぺ」。新潟の代表的な郷土料理です。
    「のっぺ」は、里芋を使った煮物で、お正月やお盆など人が集まる時によく作られる家庭料理。帰省すると、必ずといっていいほど、母の「のっぺ」が食卓に並んでいて、私を出迎えてくれます。

    のっぺには、里芋、にんじん、干し椎茸、こんにゃくなどを入れますが、他にも、鶏肉や鮭を入れたり、たけのこ、れんこん、ごぼう、くわいなどを入れたりと、家庭によって具材はいろいろ。また、貝柱の出汁を入れたり、煮干しを使ったりと出汁も様々で、材料の切り方も拍子切り、角切りといろいろな作り方があるようです。

    それぞれの家庭にそれぞれの「のっぺ」の味わいがあるのですね。

    くわしいレシピはこちら
    ●『新潟の郷土料理 のっぺ』

     

    かきあえなます

    「かきあえなます」は、しゃきしゃきとした歯触りがおいしい紫の食用菊「かきのもと」を使った和えもの。

    蓮根、キャベツ、胡瓜、干し椎茸、油揚げ、こんにゃくなどをそれぞれ下ごしらえしてくるみ酢で和えるこの料理は、ちょっと手間がかかりますが、色鮮やかな「かきのもと」が彩りを添え、おもてなしにも喜ばれるご馳走です。

    くわしいレシピはこちら
    ●『かきあえなます』

    私も、かきあえなますを作る時は、たくさん作って、友人との集まりや、ご近所へのおすそ分けをしたりします。初めて食べるという方にも喜んでもらえる自慢の味なのです。

     

    煮菜とうち豆の料理

    冬になるとよく食べた煮菜(にな)は、体菜(たいな)という葉野菜を塩漬けにしたものを、里芋や、油揚げなどと一緒に煮た煮物です。体菜の塩漬けはすごく塩辛いので、塩抜きをして使いますが、この塩の抜き加減がおいしさのポイント。

    出汁には煮干しを使い、味噌と酒粕で味をつけます。体菜と酒粕の風味が独特のこの料理、子供の頃は苦手な食べ物でしたが、大人になっていつしか、この風味がおいしいなあと感じるようになりました。

    【材料(4人前)】
    体菜の塩漬け 400g
    里芋 4個
    大根 1/3本
    うち豆 30g
    油揚げ 1枚
    煮干し 3尾
    味噌 大さじ2
    酒粕 大さじ2

    【作り方】
    1.体菜は水に浸けて塩抜きをする。(塩けが少し残るくらい)
    2.鍋に大根、煮干し、かぶるくらい水を入れて火にかけ、沸騰したら、体菜、油揚げ、洗ったうち豆、最後に里芋を入れて煮る。
    3.材料が柔らかくなったら、味噌と酒粕を入れる。
    (体菜の塩漬けの代わりに、市販の野沢菜漬けで代用する場合は、塩抜きせずに使えます)

    この煮菜には、うち豆という乾燥した大豆を入れることが多く、我が家の煮菜には祖父が作った青大豆のうち豆が入っていました。

    うち豆というのは、大豆をつぶして乾燥させたもので、新潟だけでなく、北陸や東北でもよく食べられているようです。味噌汁に入れたり、切り昆布などと煮ものにしたりします。じんわりと素朴な旨みがあり、戻す手間なく使えるので、忙しい時でもさっと使えて便利な食材です。

    うち豆を使った煮もののレシピはこちら
    ●『切り昆布とうち豆の煮もの』

     

    切干漬け

    割り干し大根を漬けたお漬物を、実家では「切干し」と呼んでいましたが、はりはり漬けと呼ぶところもあるようです。

    大根を縦に4~6つ割りにして干した大根を、するめや昆布、にんじん、数の子と一緒に漬けるのですが、パリパリと歯触りがよく、かみしめると、大根の甘みとするめの旨みが広がります。ご飯のおかずにも、お茶請けにも、おつまみにしてもよし。

    冬になると、軒下にたくさんの大根が干してあり、その様子は懐かしい風景です。私は、マンションのベランダの物干し竿で大根を干していますが、その様子には、まったく風情はありません(笑)。

    【作り方】
    1.大根は皮を剥き、大きいものなら縦に6つ割り、小さいものなら4つ割りにして、紐で縛り、雨の当たらない場所で10日~2週間ほど干す。
    2.干した大根は、汚れを落とす程度にさっと洗い、1cm位に切る。
    3.お酒5:みりん5:醤油7の割合で合わせた調味料を煮立てて冷まし、大根と千切りにした人参、するめ、昆布を漬ける。
    4.1~2日漬けて、お好みで塩抜きをした数の子を加える。

     

    大切にしたいふるさとの味

    新潟の郷土料理を並べてみて、しみじみ感じるのは、どれも、季節の恵みを大切にした料理だということ。

    食材を干したり、塩漬けにしたりして、寒い冬を乗り越えるための工夫があります。人が集まる時の料理には、具材をたくさん使って、おもてなしの気持ちもあふれているように思います。

    そして何より新潟の郷土料理は、私にとって、味わうとほっとする母の味。大切にしたいふるさとの味です。

     

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    このコラムを書いたArtist

    笠原知子
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    笠原知子

    • フードコーディネーター

    フードコーディネーター・ スパイス香辛料ソムリエ・ パソコンインストラクター 素材の組み合わせ、スパイスや香味野菜使いなど、 家庭料理に一工夫加えて、 お酒とともに楽しむ普段の食卓が、 より賑やかになるようにレシピを考えています。

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