<STORY>
本作が描くのは、甘い夢物語ではない。時はロイヤル・ウェディングから6年後、グレースはいまだ王室のしきたりに馴染めずにいた。自分の居場所を見失ったグレースが、ヒッチコックからのハリウッド復帰の誘いに心を動かされたとき、モナコは最大の危機に直面する。フランスが過酷な課税を強要し、従わなければ「モナコをフランス領にする」という声明を出したのだ。
アメリカとヨーロッパ諸国を巻き込んだ、激しい国際政治の駆け引きのなか、グレースは自らモナコを救う“脚本”を書き上げる。外交儀礼からフランス語、話し方や微笑み方まで、厳しい特訓を受けて完璧な公妃の“役作り”を完了し、シャルル・ド・ゴール仏大統領を含む世界各国の指導者を招いたパーティという“舞台”を用意。そこでグレースは、“一世一代の大芝居”を演じ切ろうとしていた。果たして“監督”グレースがクライマックスに用意した、運命を握るスピーチとは? 知られざる感動の物語が今、ベールを脱ぐ。