だしをたっぷり加えたふるふるの茶碗蒸しに、きのこをふんだんに使った餡かけを合わせました。柚子茶の爽やかな香りと優しい甘味が隠し味の手軽で味わい深い餡かけで、茶碗蒸しがワンランクアップします。 ご家庭に蒸し器がなくても、茶碗が並べられる深めのフライパンがあれば簡単に料亭の味をご自宅で味わえます。 きのこが美味しいこれからの季節にぜひお楽しみください。
◆ フライパンの蓋につく水滴が過熱中に茶碗の中に入らないよう、蓋にはタオルなどを巻いておいてください。タオルが垂れて焦げたりすることがないように、四隅を蓋の上でまとめて縛っておくと安心です。 ◆ 湯煎の場合、蒸し器で蒸すよりも熱湯の温度がダイレクトに茶碗に伝わるので、弱火に切り替える際に水を差して沸騰を抑えてから残りの時間調理することで、すが入らずに滑らかな茶碗蒸しに仕上がります。 ◆ 蒸し器を使用する場合も加熱時間は変わりません。最初に強火で2~3分蒸したあと、表面が白っぽくなっているのを確認したら、最弱火にしてそのまま10分蒸してください。途中で水を差す必要はありません。
◆ 鶏もも肉は2cm角に切り、塩・酒をふり、しばらくおく。 ◆ 椎茸は笠と軸を分ける。笠は薄切りにし、軸は石突きを落としてせん切りにする。 ◆ えのき茸は石突きを落として長さを半分に切る。根元側は手で細かく裂く。 ◆ 絹さやは塩茹でして氷水で急冷し、せん切りにする。 ◆ フライパンに濡らした布巾を敷いて水を注ぎ(器の高さの1/3程度まで)、タオルを巻いた蓋(上記ポイント欄と右の写真参照)をかぶせて火にかけ、中の水を沸かしておく。
卵液をつくる。ボウルに卵を入れて箸でよく溶きほぐし、A 水300ml、白だし大さじ2.5を加えて漉す。
ペーパータオルで鶏もも肉の余分な水分を取り、器に入れる。①の卵液を軽く混ぜてから静かに注ぎ入れる(表面に泡があれば箸で消す)。
用意していたフライパンに入れ、蓋をして強火で2~3分湯煎する。
生地の表面が白っぽくなったら茶碗の周りに水を注いで沸騰を止め、蓋を戻して最弱火でさらに10分程度湯煎する。中央に箸を刺して、濁った液体が出てこなければ火がとおっている(濁った液体が出てきた場合はさらに2分程度湯煎する)。
柚子きのこ餡をつくる。鍋にB 水200ml、白だし大さじ2、塩ひとつまみを入れ、沸騰したらC 椎茸3個、えのき茸30gを加えてひと煮立ちする。一度火からおろし、柚子茶を加え、水溶き片栗粉の半量を加えてよく混ぜてから弱火にかけ、ひと煮立ちしてとろみをつける。残りの水溶き片栗粉は様子を見ながら加え、濃度を調整する。
④の茶碗に⑤の柚子きのこ餡をかけ、最後に絹さやをあしらう。
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早坂玲奈
大切な記念日や、ご友人を招いてのお食事会など、料理を少し頑張ってみたいときに「何を作ったらいいかな・・・?」と迷ったら、ぜひ私のレシピルームをのぞいてみてください。『大切な人を喜ばせたい』という気持ちを応援するためのおもてなし料理をご紹介しています。 出張料理人・飲食コンサルタント・料理教室講師・フードスタイリストとしての経験を積みながら、プロ向けからご家庭向けまで、様々なレシピ開発に携わってきました。美味しさで周りを喜ばせることは、作り手自身の幸せにも繋がることだと日々感じながらこの仕事を続けています。 「簡単」「時短」も素晴らしいけれど、ときには時間をかけて料理を頑張ってみたい日もあると思います。料理にかける手間は、正しく作れば必ず報われます。丁寧に作り方をお伝えすることで、みなさんが大切な日を笑顔で過ごすためのささやかなお手伝いができれば嬉しいです。