作り置きやお弁当に大活躍!にんじんしりしり
「にんじんしりしり」は、せん切りしたにんじんと卵を炒めた沖縄の郷土料理。“しりしり”は、沖縄の方言で“せん切り”を意味します。にんじんと卵を炒めるだけで手軽に作れるのですが、にんじんを切るのが難しい、卵がかたくなる、味が決まらない…と、意外と悩みも多いメニューです。
今回は、にんじんの簡単な切り方とともに、にんじんの臭みを取る方法や卵をふんわり仕上げるポイント、レンジで簡単に作れるにんじんしりしりまでを詳しくご紹介。シンプルな料理だからこそ、少しのコツで美味しさがグンとアップしますよ。冷蔵庫にあるにんじんと卵で、本場に負けない絶品にんじんしりしりを楽しんでみてくださいね。
食材2つ!基本のにんじんしりしりの作り方
【材料(2人分)】
にんじん 1本(200g)
A卵(Lサイズ) 1個
A塩 ひとつまみ(親指と人差し指でつまんで)
油 大さじ1/2
料理酒 大さじ1
塩 小さじ1/4
いりごま お好みで適量
【作り方】
1.にんじんは皮をむき、5cm長さに切ってせん切りする。
<にんじんの切り方>
◆にんじんは端から繊維に沿って2〜3mmの薄切りにし、最後は横に倒して薄切りする。
【ポイント】
・にんじんを切る場合は、まず外側の丸みを2〜3枚ほど切ってから切り口をまな板に置いて薄切りすると、にんじんが固定されて切りやすいです。
・外側の丸み部分を切るときはにんじんを縦に置いて切ると切りやすいですよ(最後まで立てて切っていただいても)。
・にんじんを切るときは途中で厚さが変わらないよう、切り終わり部分を確認しながら切ると同じ厚さで切ることができます。
・薄切りしていくとだんだんにんじんが細くなり薄く切りにくくなるので、切りにくいと感じたらにんじんを横に倒して切り口をまな板に置いて固定し、切る面積を増やして薄切りしてください。
・今回は包丁でせん切りしていますが、しりしり専用のしりしり器やスライサーで切っていただいても。
・しりしり器やスライサーで切る場合は長さを短くせず、長いまま皮をむいて切ると手を切る危険もなく切りやすいですよ。
◆薄切りにしたにんじんをずらして重ねておき、端から繊維に沿ってせん切りする。
【ポイント】
・時短でせん切りするためににんじんを重ねますが、重ねてにんじんが厚くなりすぎると切りにくく、重ねているにんじんがすべって下のにんじんが太くなってしまう場合があるので、切りやすい一定の厚みになるようにずらして置いてください。
・今回はシャキッとした食感が楽しめるように繊維に沿って切っています。
・にんじんがふわっとやわらかい仕上がりになるようにせん切りしています。しりしり器は少し太めに切るので、にんじんの食感をしっかり楽しみたい場合は、せん切りより少し太めのマッチ棒くらいの太さの「千六本(せんろっぽん)切り」にしてください。
・しんなり、やわらかい食感のにんじんに仕上げたい場合は、にんじんの繊維を切るように斜めに薄切りし、何枚かずつ重ねてせん切りした「なます切り」にしてください。
2.ボウルに卵を入れて溶きほぐし、塩を入れて混ぜる。
【ポイント】
・焼いたときに白身の白が残らず、全体がきれいな黄色に仕上がるように白身を切って溶きほぐしています。卵を混ぜるときにボウルの底をぐるぐる混ぜるのではなく、お箸を卵に対して斜めに入れて白身を切るようにしっかり混ぜ合わせてください。
【ポイント】
・混ぜている途中で菜箸で卵白をすくい上げ、菜箸で卵白を切る→混ぜる→菜箸ですくい上げ卵白を切る…を繰り返し、卵白がしっかり切れるように混ぜ合わせます。
・卵の食感がしっかり楽しめる仕上がりにしたい場合は、卵白をあまり切らず軽く溶きほぐす程度にしていただいても。お好みで切り具合は加減して自分好みの仕上がりを楽しんでくださいね。
・卵にも少し塩を入れることでにんじんと卵の味がしっかりなじみますよ。
3.フライパンに油を入れ、中火でにんじんがしんなりするまで炒める。
【ポイント】
・にんじんに含まれるビタミンAやβ-カロテンは脂溶性の成分なので、油で炒めることで吸収されやすくなり、栄養を効率よく取り入れることができます。
4.にんじんに料理酒を回し入れ、アルコールを飛ばしながらにんじんがさらにやわらかくしんなりするまで炒め、塩を入れて混ぜ合わせる。
【ポイント】
・にんじんに料理酒を回しかけて炒めることで(1)にんじんの臭みが消え(2)にんじんがやわらかく(3)風味よく仕上がります。
・アルコールは78℃を超えれば蒸発するので、炒めるときに蒸気が出ていればアルコールはほぼ飛んでいます。
・水分が残っているとベチャッとした仕上がりになるので、フライパンににんじんを広げながら水分を飛ばして炒めてください。水分が飛びにくい場合は少し火を強めてください。その際は焦げないように注意してくださいね。
5.にんじんに卵を回し入れ、蓋をして10秒経ったら火を消し40秒〜1分待つ。
【ポイント】
・にんじんにまんべんなく卵が絡むように溶き卵を全体に回し入れます。火を消して蓋をし、余熱で卵に火を通すことで卵がふんわりやわらかく仕上がりますよ。
6.蓋を開けて火をつけて、卵が細かくなりすぎないようにフライ返しで底からすくってざっと混ぜ合わせる。器に盛り、ごまをふる。
【ポイント】
・卵の加熱状態を見て、足りなければお好みの状態になるまで加熱してください。あまり混ぜ過ぎると卵が細かくなりすぎるので、お好み焼きの要領で底からすくうようにひっくり返してざっと混ぜ合わせます。
・ふんわりとした卵の食感が楽しめるように、卵が少し半熟状態で混ぜ合わせ余熱で卵に火を通しています。作り置きやお弁当に利用する場合はしっかり焼いて火を通してください。
・にんじんの自然な甘さが楽しめるように塩だけで味付けしています。味をみて足りなければ調整してください。
・一番シンプルににんじんと卵、塩だけで作っています。お好みでツナや削り節を入れたり、めんつゆやだしの素、ごま油などを加えて作ってくださいね。
・清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存して3日を目安に食べ切ってくださいね。
●このレシピをお気に入り保存する
食材2つ!止まらない美味しさ*人参しりしり
レンジで簡単!にんじんしりしりの作り方
ここからは、炒めずに簡単にできるにんじんしりしりをご紹介! レンジを使えば手間も洗い物も少なく簡単に作ることができます。ポイントは先ににんじんを加熱した後に、時間差で卵を入れること。ぜひこちらも試してみてくださいね。
【材料(2人分)】
にんじん 1本(200g)
卵(Lサイズ) 1個
塩 小さじ1/3
ごま油 小さじ1
削り節 1パック(3g)
いりごま お好みで適量
【作り方】
1.にんじんは皮をむき、5cm長さに切ってせん切りする。
2. ボウルに卵を入れて溶きほぐす。
3.耐熱容器に1を入れ、ふわっとラップをして電子レンジ(600W)で2分加熱する。取り出してごま油と塩を入れ混ぜる。
【ポイント】
・ごま油の風味が飛んでしまわないように、にんじんを加熱した後にごま油を加えて混ぜ合わせます。
・ごま油と塩が全体に均等になじむようにしっかり混ぜ合わせてください。
4.卵をにんじんに回しかけて混ぜ、もう一度ラップをして電子レンジ(600W)で40秒〜1分加熱する。
【ポイント】
・まずにんじんに火を通してから時間差で卵を入れて加熱することで、にんじんにはしっかり火が通り、卵はふんわり仕上げることができます。
・卵を入れてからの加熱時間は使う耐熱容器によって調整してください。底から火が通るので、底の卵の状態を見て加熱時間を調整してくださいね。今回は耐熱ガラスの厚めの容器を使用しているので1分加熱しています。
5.取り出して底から混ぜ、削り節を入れて混ぜ合わせる。器に盛り、ごまをふる。
【ポイント】
・卵が少し半熟の状態で混ぜ合わせ余熱で火を通すことで、卵がふんわり仕上がります。作り置きやお弁当に利用する場合は卵にしっかり火が通るように仕上げてくださいね。
・にんじんの甘みや風味を味わえるように薄味で仕上げています。味を見て足りなければ調整してください。
・清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保存して3日を目安に食べ切ってください。
●このレシピをお気に入り保存する
レンジで3分!驚く美味しさ*人参しりしり
家にある材料で簡単に作れる「にんじんしりしり」は、ツナや豚肉、ハム、ちくわ、チーズ、野菜を加えてアレンジしたり、余ったときは卵焼きやおにぎり、焼き飯に…とリメイクも自在。
また、美味しいだけでなく、栄養豊富で免疫力アップや美肌などうれしい効果も期待できます。にんじんが甘くなるこれからの季節。ぜひ、あと1品や作り置き、お弁当に活用して、ご家族の健康生活に美味しく役立ててくださいね。
これまでにご紹介した【何度も作りたい定番レシピ】はこちら
●こちらのコラムもチェックしてみてくださいね。
・【にんじん】の人気レシピ15選|便利な作り置きからケーキまで!
・定番ストック野菜「じゃがいも・にんじん・玉ねぎ」で作る!絶品レシピ15