料理本でよく見かけるホワイトソースの失敗例「ダマになっちゃった」で、本格のベシャメルソース(ホワイトソース)作りをあきらめちゃってませんか?
また、簡単ワザで、玉ねぎのみじん切りを炒めたところに小麦粉をふるい入れ、牛乳を加えて煮れば「絶対失敗しないホワイトソース」、ラクなのと安心なので、このワザに頼ってばかりじゃ、本当においしいホワイトソースにならないのよ。
ま、確かに急いでいるときには便利なワザではありますけどね。
で、この長めのコラムを読み切る根性のある方には「ノア流、本当においしいホワイトソース」をお教えしましょう。
パリでわたしの「訪問料理教室」に参加していると思ってお読みください。
まず、鍋は、樹脂加工、それも小さな中華鍋みたいな深みのある「炒め鍋」だと底にカドがないので焦げる心配もなく、深さがあるのでこぼさないから便利ですが、樹脂加工だったらフライパンを使うときも含めて、専用の泡だて器が必要ですね。
私はステンレスの鍋を使いますので、泡立ては金属製、そして底の周辺をキッチリとかき混ぜるために木べらを併用しています。
バターを溶かして粉を入れる際に注意していただきたいのはバターの切り方と温度です。
他の料理でも調味料などは前もって準備しておくわけだけど、バターは特に温度管理が大切です。
タルトの生地などは小さく切って冷やしておくし、ホワイトソースなら切った後で室温に戻して柔らかくしておきましょう。
冷蔵庫から出したてのバターを大きな塊で加熱すると、周囲はどんどん溶けるけど、中はまだまだ=溶けたバターが焦げてしまいます。
さてバターで小麦粉を炒めていきましょう。
火加減は中火位、怖がらなくても手を休めずにかき回せば大丈夫ですよ。
最初はとけたバターと粉が混ざってデローっとします。
それから、泡々みたいになってから、パサッとした感じに。
ここいらで火を弱めます。
焦がすのが怖いあまり、最初から弱火にすると、この段階ですでに時間がかかるので集中力がなくなって疲れてしまう=肝心な時に気が散って失敗するかも。
さらにかき混ぜていると、パサついた感じから、もう一度べたっと滑らかになり、小麦粉の焼けた、クッキーみたいな良い香りになってきます。
はい、ホワイトソースならここで火を止めて、余熱があるので、もうすこし全体をかき混ぜましょう。
白、というより淡いクリーム色になっても問題なし。
色より香ばしさ優先。
そう、料理は手だけじゃなく、眼、鼻も使うんですよ~。
さて、ルーを作っている側では、牛乳と好みで生クリームを合わせて弱火で温めておきましょう。
電子レンジに入る大きな耐熱ガラスのカップとかあればレンジでも。
ただし、沸騰させないこと。60度maxと思ってください(60度は飲み物ならまだ熱い、と思える目安の温度)。
火を止めたルーは安定の良い調理台などに置いて(材質によって鍋敷きも必要ね)、そこに温めた牛乳を普通にさ~っと一度に(乱暴じゃない程度の勢いで)入れますが。
注ぐのは左手、右手にはホイッパーでかき混ぜながらね。
注ぎ終わってもそのままかき混ぜ続けます。
いったん平らな調理台に鍋を移すのは、五徳式のコンロの上でやると初心者は「鍋をひっくり返す」ことを心配して気が散るから。
そして、本当にひっくり返したら「二度と作りたくなくなる」からです。
ぐずついて注いだり、かき混ぜるスピードが遅いといわゆる料理本で失敗とされる「ダマ」ができたか???の状態になるかもしれませんが、とにかくどんどんかき混ぜましょう。
鍋の底にカドがある場合はヘラも上手に使うこと。
で、もう一度弱火にかけながら、ダマ問題も見ないふりして一生懸命かき混ぜていくと、最終きっと滑らかなトロリンなホワイトソースになります。
味を見て、塩は控えめに、白コショウ、ナツメグを加えましょう。
けっしてカレールーみたいな濃い味にしないこと、ご飯にかけて食べるわけじゃないですから。
普通に薄味でおいしい、というかぽってりしたホワイトシチューみたいにね。
バターと小麦粉の香ばしさ、牛乳のやさしい味わいは、まさに「ホワイトソースは飲み物ですから」と言いたい仕上がりになります。
市販の缶詰は4人分だと1缶じゃ足りないから、高くつくうえ、味を比べれば歴然の違いがあるはず。
こんな 長い説明、料理教室で先生に聞いても一度じゃ覚えられませんね。
このコラムをじっくり、しっかり読んでトライしてみてください。
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