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2015.05.28

簡単だけど「上等、上品」な昭和山の手おウチカレー

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 私が主宰する、パリの料理教室の生徒さんの多くは日本人駐在員の奥様方ですが、みなさんパリに生活していても食事は意外と日本のまんま。せっかくのチャンスだからフレンチおかず、を一生懸命お教えしようと思っているんですが、夫と子供たちが(変化を好まない)のですって!

 

 でも、日本の食材はけっこう値段が高い=カレールーが1箱500円以上もするので不経済だわ~、ということで思い出したのが昔から祖母、母と作り続けてきた我が家の昔ながらのカレーライス。

 自画自賛?ですが、これが美味しくて簡単でとっても好評なんで皆様にもご伝授させてくださいね。特に若いママさんたちには

「市販のカレールーは箱裏を見ると色々な材料が書かれているのに、ノアさんのカレーはシンプル=分かりやすいから安心」

と言って頂けるの。

 

 本格インドカレーのように複雑なスパイスは使わず、バター、小麦粉、カレー粉でルーを作ります。カレーライスには市販のルーがなくては、と思っている方には驚きらしいのですが、あのチョコレート?みたいな箱入りルーが発売されたのは多分私が小学生当時、それこそビックリの新製品だったのよ~。

 

 レシピをご覧いただくとわかるように作り方はむずかしくありません。小麦粉を炒めてルーを作るときもホワイトソースの時のように(焦がさないように注意)しなくてもよい、というよりむしろ、適当にキツネ色より濃い目の色になるまでしっかり気楽にしてればヨシ。

 

 他のスパイスは使わずに、「これだけが頼りのカレー粉」はおなじみの赤い小さい缶入りでも、輸入食材店で売っているようなマドラス、とかインディアンとか書いてあるのでもお好みで…。ただし、カレー粉によって辛みが相当違いますから、初めて使用する際は控えめにしておくこと。

 

 ハヤシライス同様、お肉たっぷりのうまみを生かして固形スープなどは使用しませんが、市販品っぽい味に慣れている家族むけには最初はチョッピリ加えたほうが馴染みやすいかもしれませんねぇ。

 

さて、レシピに書いてないコツをあれこれ。

昭和山の手「上品、上等」カレーのレシピはこちら

 

 まず、肉に塩コショウの塩、きっちり分量が書いてある上に、かなり多めに思うでしょうね。私の料理では味付けの基本は塩、ですので四人分の煮込みなら他の材料の塩味が強い場合を除いて小さじ1杯はふつうに入ります。固形スープを入れる場合はうんと減らすんですが、これはスープに塩味がたっぷりあるから。

 例えば固形スープ(顆粒でも一緒だけど)1個を300mlの湯に溶かして、ちょうど良い塩加減だったとしましょう。同じ加減の塩味をお塩でつけると小さじ半分より多めですから、塩小さじ1なら固形スープ2個分で四人分の塩味になる=大したことないでしょ?

 塩コショウをした肉を厚手の鍋でしっかりと炒めます。ふたをして、時々返すようにしてコンガリしたら弱火、ふたをしたままで蒸し焼き状態で肉に火を通していきます。何にも水分を入れなくても肉の水分で十分、水気がほとんどなくなったらニンニクとおろしショウガを加えてもうひと混ぜしましょう。

ここの肉に火を通していく感じが大事なポイントですよ!

 

 続いて野菜を加えて炒めたら、またふたをして蒸し煮状態、続いて水、すりおろしたリンゴも加えます。

 この段階で肉はかなり柔らかく、そして野菜にも火が通っているはずなので、ルーを加えると、おなじみのカレーの感じになりました!

 

 ヨーグルトを加えればマイルド、レモン汁ならさっぱりで、どちらでもお好みですが、何か酸味で引き締め、ソース、醤油、ケチャップなどで仕上げます。塩加減も少し物足りないはずですので、お塩も少々。ソース、醤油、ケチャップと書きましたが、これは全部使用する必要はありません。

 

じゃ、何を選ぶ?かは食べる方の好みを思い出してみてください。

 

 我が夫のように、オムレツやソーセージにすぐケチャップをかけたがるなら、ケチャップ、揚げ物にはソースをたっぷり派ならソース、「日本人ならやっぱり醤油だよねぇ」だったら醤油、というわけ。

 そして、新鮮な香りプラスのためにカレー粉(分量外)か市販のガラムマサラも入れるとステキ。

 いずれにしても、目指すのはあくまで「やさしい味」のカレーですからね。でも、甘ったるい「お子ちゃま味」でもないビーフや野菜の風味が生きている上等カレー。

 

 昭和の日本人、激辛ブーム以前はそんなに辛いものは食べないのが「お上品」だったと記憶しています。大体、あんまり辛い物を食べたら汗をかいて大変、ハァハァ言ってお水をガブ飲みなんてもってのほかですもん。

 

 その、あんまり辛くないカレーでさえ「子供が辛い物を食べさせないのが、正しいしつけ」などと言われたもの。私の祖母はカレーの日には同じ材料で少量のクリームシチューを作り、私の分はその牛乳たっぷりのシチューに大匙1杯くらいのカレーを混ぜたの!

早く大人になって辛いカレーが食べたい、と思ったものですが、それがこのカレーですからねぇ。

 

 今回も肉は牛ですが、実は祖母の得意料理にもうひとつ分厚い豚ロースを使ったカレーがあり、また今度ご紹介する予定ですので、お楽しみにね。

 

 昭和なカレーですので、ご飯はサフランライスなんて気取らずに、ただお皿の端っこに真っ赤な紅ショウガや福神漬けを乗せたりしないで欲しい。できれば別皿にゆで卵、ラッキョウ、ピクルス、いずれも細かく刻んで添えたら、昭和山の手でも上流っぽいわ。

 

作るあなたも食べる方も「おしとやか」になれるかも、ぜひ試してみてね。

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