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2015.03.04

スパイスを使う・加えるタイミング

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スパイス ブレンド
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こんにちは スパイスコーディネーターの吉田由季子です。

連載7回目になります。
コラムを通してスパイスのことをできる限りわかりやすく・・・ときにはちょっと専門的なことやマニアックなことも伝えさせていただいています。

スパイスとは何か。
スパイスの形状のこと。
素材からみたスパイスのこと。
ブレンドのポイントなど・・・

いろいろお話させていただきました。

ブレンドのポイントについては、スパイスを使いこなす上で一番の近道であり楽しさの部分でもあるので次回以降ももっとたくさん触れていきたいと思っています。

 

今日はスパイスを入れるタイミング、使うタイミングについてお話させていただきます。
ここ以外と大事なところでもあります。
スパイスの芳香を活かすも殺すもこの「タイミング」にかかっていると言っても過言ではありません。

スパイスを加えるタイミングは3通りあります。

①料理の下ごしらえ

②調理中(煮たり、揚げたり)

③仕上げ・テーブルスパイスとして使うとき

単純なことですがこのタイミングを間違えると目的と違った風味のものが出来上がってしまうことがあるので注意が必要です。

 

この中でも一番気を配りたいタイミングは②の調理中のタイミングです。
煮込み料理を例にあげると
スパイスを加えるタイミングは沸騰する前、早めの段階で加えることが大切です。

スパイスは温度の上昇とともに拡散し香りを出し始めます。
もしもタイミングを間違えてグツグツ煮立っているときにスパイスを加えたとしたらどうなるでしょうか?
高温で一瞬で芳香成分が消え、香りが飛んでしまいます。
また最悪の場合焦げてしまって料理が焦げ臭くなってしまうこともあります。

スパイスはスパイスの芳香成分である精油成分が揮発しやすい温度環境で調理するこが大切です。

 

スパイスを加える適切な温度環境とは・・・

スパイスによってスパイスの風味や香りを生かせる温度は微妙に違いはありますが、だいたい30度~80度くらいの温度が適切と言われています。
唐辛子など高温に強いスパイスもありますが、その唐辛子でも
いきなり高温(100度以上)の油等に入れたらすぐに真っ黒になって焼き焦げた匂いになって台無しになってしまいます。

高温になる調理法として炒めもの、揚げ物は主に下ごしらえ時に。
煮込み料理は主に調理中、沸騰する前、出来るだけ早い段階で加えます。
またホールスパイスなど油に香りを移して調理する場合も熱した油に入れるのではなく、弱火でじっくり香りを引き出していきます。

また着色性のスパイスの色素成分はいきなり高温に入れると、色が変化してしまうので、低温からゆっくり加熱しなければいけません。

 

揚げ物など高温の油に入れる調理法ではスパイスは下ごしらえの時に使用します。
下ごしらえで使用したスパイスは高温でも風味を損なうことはありません。

 

スパイスは使用するタイミングからみたスパイスの効果、目的ですが

ブラックペパーを例にあげてみます。
下ごしらえの時に使用する場合は「臭み消し」効果

調理中に使用する場合は「辛味付け」効果

仕上げに使用する場合は「香り付け(風味付け)」効果

このように加えるタイミングで全く違う効果が期待できるのもスパイスの面白いところです。

 

もうひとつ例をあげると

カレーによく使われるミックス(ブレンド)スパイス「ガラムマサラ」です。
皆さんはどのタイミングでガラムマサラを加えていますか?

調理中の方がほとんどだと思います。
カレーパウダーを入れるときに一緒に・・・という方も多いのではないでしょうか。

もちろんそのタイミングが間違いと言っているわけではありません。

ただガラムマサラをより効果的に使う「タイミング」はいつですか?と聞かれたら私は「仕上げのタイミング」と答えます。

ガラムマサラとカレーパウダーの違いに着目してもらえるとわかりやすいのですが
ガラムマサラには着色を目的としたスパイスが配合されていません。
いわゆる「ターメリック」が配合されていないということです。

ガラムマサラに使用されているスパイスは主に芳香性のスパイスと辛味性のスパイスです。
カレーパウダーにはそこに着色性のスパイスのターメリックが配合されています。
着色性のスパイスは低温からゆっくり加熱し色を引き出していくので必ず調理中に加えなければいけません。

ガラムマラは着色性のスパイスが配合されていないので入れるタイミングの縛りがないということになります。
 

ガラムマサラ加えるタイミングを一度「仕上げ」で試してみてください。


カレーが出来上がり、火を止めたタイミングで(4人分で)小さじ1くらいをふりかけてみてください。
または、お皿に盛った際にぱぱっと少量ふりかけてみてください。

グッと風味が増し、例えばそれがレトルトカレーだったとしてもちょっとお店に出てくるようなカレーの風味を味わうことが出来ると思います。

スパイスは加えるタイミングでもいろんな楽しみ方があるので
いろいろチャレンジしてみてくださいね。

 

 

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