ギリシャ料理の代名詞ともなっているムサカ。ミートソースとベシャメルソース、その2種類のソースと野菜を重ねて焼き上げますが、ラザニアよりもパスタが入っていない分、軽い仕上がりです。お肉よりも、とにかく野菜がおいしいグラタン風の一皿。ご家庭でも本当においしくできますので、ぜひ作ってみてくださいね。
◆一見すると手順が面倒なようですが、米なすのアクを抜いている間に2種類のソースを作ってしまいます。最後はソースを作った時に残ったオイルで野菜をソテーして、すべてを重ねて焼き上げるだけです。 ◆なすはふつうのなすでもかまいませんが、米なすの方がよりボリュームと存在感が出ておいしくできます。
米なすはヘタを取り、食べやすい大きさで1cm厚さに切る。 両面に塩(分量外)を振って20分おく。
その間にミートソースを作る。 にんにく、玉ねぎはみじん切りにする。 トマトは湯むきしてざく切りにする。
深めのフライパンにオリーブオイルとにんにく、玉ねぎを入れて火にかけ、 弱火で蒸し煮するように、玉ねぎが透き通るまでじっくりと炒める。
牛ひき肉とトマトペーストを入れて炒め合わせる。 肉の色が変わったら赤ワインを注ぎ、一度火を強めてアルコール分を飛ばし、 生のトマトとA シナモンパウダー少々、オレガノ(ドライ)小さじ1/3、ローリエ1枚、塩小さじ1/4を入れる。 そのままふつふつするくらいの中弱火で、汁気が少なくなるまで約10分煮込む。
ミートソースを煮込んでいる間に、電子レンジでベシャメルソースを作る。 大きめの耐熱ボウルにバターを入れてレンジで20秒加熱し、 薄力粉を加えてなめらかになるまで混ぜる。それをさらに1分10秒加熱し、 牛乳を大さじ1ずつ加えてはそのつど丁寧に混ぜる。 最後にそれを30秒加熱し、なめらかになるまでよく混ぜたらB ホワイトペパー少々、ナツメグ少々、塩少々を混ぜ入れる。 (※電子レンジはすべて600Wの場合の加熱時間です。)
具材の準備。 なすは一度洗って水けをしっかりと拭く。 じゃがいもは皮をむいて芽を取り、1cm厚さに切る。 ここで、オーブンを230度に余熱し始める。
ミートソースができたら汁気を切ってそれを取り出し、 フライパンにたっぷりオイルが残るのでそれでじゃがいもとなすを揚げ焼きする(オイルが足りなくなったら適宜たしてください)。
耐熱の器に、じゃがいも→ミートソース→すりおろしたチーズ→なすの順に重ね、しっかり押し付けるように平らにならす。 その上にまた、ミートソース→チーズ→なすと重ねてまた平らにならし、 最後に 5) のベシャメルソースをのせたら、チーズを振って230度のオーブンで20分ほど焼く。
焼きたてアツアツもおいしいですが、ちょっと落ち着かせてから切ると くずれず綺麗に仕上がります。
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庭乃桃
料理・食文化研究家 / 女子栄養大学 食生活指導士。 大学院でヨーロッパの歴史・文化を専攻し、現地へ留学。結婚をはさんで数年を過ごすなか、生活のベースとしての「食」の大切さを改めて感じて食の道へ。その土地ごとの暮らし・風土からうまれる料理や食のありかたを学ぶ。 現在は、料理家として企業向けレシピの開発やスタイリング・撮影を手がけるほか、食に関する書籍・コラムの執筆や翻訳、講演など多方面で活動中。 2020年、欧州連合(EU)の食品・飲料プロモーション「パーフェクトマッチ・キャンペーン」で、EU食材×日本食材のマッチングによる季節のオリジナルレシピを開発・監修。広尾のヨーロッパハウス(駐日欧州連合代表部)、国内最大の”食”の見本市・ファベックス関西ほか会場で、同キャンペーンの基調講演をおこなった。