ハロウィンの時期になると、いつも疑問に思っていたことがあります。それは、なぜ「Jack O'Lantan ジャック・オー・ランタン」にかぼちゃを使うのかということです。秋の収穫期にあたるハロウィンだかかぼちゃなのか、それともかぼちゃは大きな野菜だからなのか、オレンジ色やかぼちゃの形に魔よけの意味があるからなのか?などといろいろ考えてみましたが、ぴんとくる答えが探せません。あらゆる文献を読んでみてわかったことは、実はもともと「ジャック・オー・ランタン」にかぼちゃは使われていなかったということです!
ジャックという名前が選ばれた理由や、一般的に語り継がれているこの怖い顔をしたかぼちゃ提灯の由来も見えてきました。アイルランドにジャックという酔っ払いがいて(ありふれた名前ということでジャックが選ばれたという説が有力)、彼は悪行を繰り返していたため死後、天国に入れてもらえず、地獄に送られました。しかし、そこには彼が生前騙したことがあるサタン(悪魔)がいて、地獄でも門前払い。行く先がなく 蕪の提灯を手に持って暗い足元を照らし、天国と地獄の間を彷徨い続けたというお話です。この話から転じて「ジャック・オー・ランタン」は、のろわれた魂や使者の霊のシンボルになってきたとのだと考えられます。
それにまつわる逸話もまたいくつかあります。ハロウィンの日くらいジャックを導いてあげようと、かぼちゃに火を灯して目印にしてあげたとか、悪魔や子供達がこの日だけはジャックと遊んであげようとお化けの格好をして仮装しているというお話です。真偽のほどは定かではありません。
"TurnipJackolantern" by Geni at English Wikipedia. Licensed under CC BY 2.5 via Wikimedia Commons.
当時のアイルランドでは、かぼちゃは栽培されておらず、大きな蕪をくり抜いて提灯を作っていました。アメリカ大陸にハロウィンが渡った頃、すでに先住民であるインディアンからかぼちゃの種をもらって栽培を始めていたため、蕪より加工がしやすい上大きく、豊富に手元にあったかぼちゃをくり抜いて提灯にするようになり、これが現在の形の「ジャック・オー・ランタン」になったというわけです。特別かぼちゃを使うことに深い意味があったわけではなかったのですね。
10月31日に家に帰ってくる家族の霊だけなら良いのですが、一緒にやってくる邪悪な霊や魔女から身を守るために、木々や玄関にかぼちゃで作った提灯に火を灯して、魔よけをしたのがそもそもの由来とのこと。ハロウィンの意味がわかってくると、ハロウィンそのものが少し怖くなってきます。アメリカのハロウィンの飾りつけは、日本のように可愛いものはあまり無く、お墓や骸骨、蜘蛛の巣や黒い蜘蛛、お化けが多いのが特徴です。そういうこともあって、私はハロウィンは本当はあまり好きではありません。
あのアメリカの主婦のカリスマ マーサ・スチュワートのハロウィンテーブルでさえも、こんな怖~い仕上げに。どくろまで・・・あって、背筋がぞーっとしますね。
アメリカのハロウィンは、日本のそれのイメージとは少し違って、本当に怖いものが多いのです。
ダラス植物園では本物のかぼちゃで作ったヴィレッジが今の時期公開されています。こんな美しく楽しいものは、家族連れでエンジョイしたいものです。
以前毒入りのお菓子で子供が命を落とすという事件があり、今は子供たちへの「トリート」は市販の包装されたお菓子を渡すことが慣例となっています。手作りお菓子はあげないようにしましょう!暗い夜道を歩く時は、必ず大人が付き添い、蛍光塗料や光を反射するテープのついた衣服を着用、あるいは懐中電灯を持つことを忘れないようにしてください。今年も安全で楽しい「トリックORトリート」になりますように。
ちょっと不気味だけど、とってもおいしいアメリカのハロウィンの定番
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