夏場は葉っぱ類より、ナス、カボチャ、キュウリ、ゴーヤなどの生り物野菜が主役で、テーブルのおかずになりますね。「きょうの料理8月号」(テキストは発売中、放送は8月11日と翌12日)でも、トマトをたっぷり使ったおかずをご紹介しています。
以前「トマトクッキング」というタイトルで一冊全部トマトを使った料理本も出版したくらい、私は大のトマト好きで、これは母と祖母から受け継いだみたいです。
夏になるとトマトサラダは欠かせませんが、イタリア、パリで覚えたレシピもあるけれど、懐かしい昭和っぽい味の祖母が作ってくれたトマトマリネをご紹介しましょう。
米酢(わたしは普段「千鳥酢」を使用)、みりん(同じく「福来純」)、醤油少々(東京らしい味だと思うのでヒゲタの「本膳」、ノア流なら仕上がりの色がきれいな白醤油「白むらさき」がお気に入り)と和の調味料で作る昭和な洋の味付けです。
あ、ひとつだけ本格な洋食の調味料がありました。マリネ液に粉からしをチョッピリ加えます。これは黄色い缶に入った洋からしのパウダーで絶対にコールマン社製を使ってください。ビン入りの練りタイプには酢がはいってしまっているので、このパウダーじゃなかったらむしろ辛子をはぶくか和風のチューブ入りの方が良いかと…。
コールマン社のマスタードパウダーはネットで買えるみたいです。もちろん、水や酢でとけば普通にマスタードとしても使えますから、毎回少しずつ作ると香りも辛みも新鮮でおススメです。
新鮮な香りといえばコショウも必ずガリガリと挽きたてに限ります。
トマトマリネのレシピはこちら
作り方は簡単としか言えませんが、
1.
食事時間の2時間以上前に作っておくこと。暑い季節ですから、とりあえずは冷蔵庫ですが、食べる15分前には冷蔵庫から取り出した方がいいです。あんまり冷たすぎると味が感じられなくなっちゃう。
理想は「氷冷蔵庫」の温度だと思います。
昔は電気冷蔵庫でなく、大きな氷の塊(レンガ4個分くらいかな)を錫張りにした木の戸棚みたいなのに入れて、食べ物を冷やしてたんです。
若い方には想像もつかないだろうから、そこらへんはネットで調べてみてね。
2.
トマトは皮付きでわりに薄切りにします。
薄く切れば皮がそれほど固く感じないし、皮と身の間のうまみが活かされます。
3.わたしの料理教室ではみなさんに「自分で包丁はこまめに研ぐのがお約束」なんですが、包丁がキチンと研いでないとトマトは薄く切れませんからね。
波刃のトマトナイフなら皮は切りやすい?でも切り口が少し違うかなぁ。
4.祖母はみじん切りの玉ねぎをフキンに包み、冷水で揉むようにして(もちろん、その後しっかりと絞って水気を切ります)いました。
おそらく昔の玉ねぎは現代より辛みや匂いもきつかったからでは、と思いますので私はそのまま使ってます。祖母も新玉ねぎなら、さらしたりしてませんでしたからね。
コツといったらこれくらいのものでしょうか。
同じ作り方で、少しだけ柔らかめに茹でたサヤインゲン、蒸し茄子(焼きナスだともっと美味しいけれど作るのが少々めんどうなの)でも夏らしいおかずになります。
ただ、何といってもトマトにはうまみ成分のグルタミン酸がたっぷりなので、残ったマリネ液まで飲み干しちゃうほど、断然の一番でしょう。
最近のエアコンなしでは熱中症が心配というほどの滅茶苦茶な暑さと違い、北側の茶の間は窓を開け放つと「夏らしい涼しさ」があったものです。
そこで前の日の夕食で残ったアジフライのサンドイッチと一緒にトマトマリネで昼ご飯。食後には白桃や色のきれいなプラムをあっさりと白ワイン入りのシロップで煮たコンポートが用意されていましたっけ。
昭和山の手の夏のひとときの味を体験してみてくださいね。
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