こんにちは!庭乃桃です。
連載7回目の今回も、今が旬のアスパラガスのお話。
今回がいよいよ最終回となります。
おいしそうなお料理もいろいろ出てきますので、ぜひ一緒にお楽しみくださいね。
こちらの写真は、ホワイトアスパラガスに並々ならぬ情熱を燃やす国のひとつ、ドイツの春の市場の様子です。
年によっても違うのですが、毎年3~4月頃になると、市場にはこうして山と積まれたホワイトアスパラガスが並ぶようになります。
↑500g分のホワイトアスパラガス(Spargel)と、付け合わせのじゃがいも。
こんな感じで、1人前は、だいたい500グラム。
口に含んだ途端にあふれ出る、ホワイトアスパラガスのみずみずしさと鼻に抜ける夢のように芳醇な香りは、やはりこの季節ならではの旬のおいしさ。
こんなにたくさんあっても、あっという間に食べられてしまうから不思議です。
↑レストランのメニューから。ヴィーナーシュニッツェル(ウィーン風カツレツ)と、メインのシュパーゲル(ホワイトアスパラガス)。この時期ばかりは、ボリュームのあるシュニッツェルも脇役になります。
こんなにおいしいホワイトアスパラガスですから、春になった嬉しさと共に、皆が熱狂するのもわかります。
日本では添え物としてのイメージが強いアスパラガスですが、この時期のヨーロッパでは、むしろこのアスパラガスの方がメインなのですね。
↑香りの強い皮の部分を出汁に使った、ホワイトアスパラガスのスープも人気です。
そして期間限定、旬のものだからこそ、ここは何が何でも絶対においしく食べたい!と思うのが人情というもの。
そんなヨーロッパの人達の強い想いが生み出したのが、こんな調理道具たちです。
↑ホワイトアスパラガスを切らずに丸ごと茹でるための鍋。
↑ホワイトアスパラガスを折ることなく皮をむくための専用ピーラー。
これはホワイトアスパラガスを、大切に、しっかりおいしくいただくために編み出された専用の調理器具。
こんなものが出回ることからして、ホワイトアスパラガスに対する並々ならぬ情熱が感じられますよね。
しかもこの時期にはドイツ各地で「シュパーゲル(ホワイトアスパラガス)の皮むき大会」なるものが行われて、我こそは!というご婦人や旦那さま方がこぞって出場し、1kgのホワイトアスパラガスの皮を一体何秒でむくことができるか?なんてコンテストが行われたりもします。
そしてドイツには、こんな言葉があります。
「さくらんぼが赤くなると、ホワイトアスパラガスの季節は終わり」――。
さくらんぼは、夏を知らせる果物のひとつ。
つまりホワイトアスパラガスの収穫は、毎年6月24日の聖ヨハネの日までとだいたい決められているのです。
なぜそう決まっているのかと言うと、ホワイトアスパラガスは一度植えると10年くらいは同じ株から収穫ができるので、来年にそなえて株をしっかり休ませておきたいから。
ここにも、ホワイトアスパラガスに対する深い愛情のようなものが感じられます。
(※ ただし、天候上、あまりにも暖かくてアスパラガスが育ちすぎるような場合にはもっと早くに収穫を終えることもあるようです。あれほど山盛りになっていたホ ワイトアスパラガスが、この日を境にパタッと市場から消えてなくなりますので、ご旅行などで行かれる際にはご注意ください。)
佐賀産、北海道産、香川産、青森産、福島産・・・――。
農家の皆さんのご苦労の甲斐あって、最近では日本でも、おいしい生のホワイトアスパラガスがずいぶんと手に入りやすくなりました。
ホワイトアスパラガスの持つ、みずみずしさと甘み。芳醇な香り。
グリーンアスパラガス特有のシャキシャキした歯ざわりと、濃厚な味わい、フレッシュな香り――。
みなさんは、どちらのアスパラガスがお好みですか?
とりあえず、もしまだホワイトアスパラガスを缶詰でしか食べたことがない!という方がおられましたら、これを機会にぜひ一度召し上がってみてください。
それこそが、ヨーロッパの春、そして初夏の香りです。
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今回も、最後にそんなアスパラガスを使ったレシピをいくつかご紹介!
(以下、料理名にレシピをリンクしてありますので、よろしければ大きな写真と共にご覧下さい。)
簡単で、しかも抜群においしいホワイトアスパラガスの定番料理。下のオランデーズソースと並んで有名で、レストランではこの時期、人気を二分する一皿です。まろやかでコクのあるバターの香りが、甘くてジューシィなホワイトアスパラガスと相性抜群。
これぞ、ホワイトアスパラガス料理の王道中の王道。オランデーズソースは少し難しそうですが、たえずかき混ぜながら温度の変化にさえ気をつけていれば大丈夫。日本のホワイトアスパラガスの優しい味わいに合わせて、ヨーロッパで通常使用されるよりもバターの量をやや控えめにしてあります。アスパラガス以外にもいろいろと使えるソースです。
◆グリーンアスパラガスとリーフレタスのソテー 卵とアンチョビのソース
太陽の光を浴びて育ったグリーンアスパラガスには、オリーブオイルがとてもよく合います。肉厚なリーフレタスと共に、ちょっとごちそう感を出してゆで卵とア ンチョビの旨味を添えてみました。見た目にも黄色と緑が鮮やか、グリーンアスパラガスのおいしさがぎゅっと詰まった、春夏にぴったりの一皿。
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