スパイスへの扉へようこそ。
スパイスコーディネーターバリ猫ゆっきーこと吉田由季子です。
お待たせしました。
スパイスを使いこなす上で一番楽しいこと
「スパイスのブレンド」についてお話していきたいと思います。
実はスパイスを「学ぶ」上では「ブレンド」についてはもう少し後にした方がいいのですが
別に私はここで「スパイスを学んべもらおう」って思っているわけではないので・・・
多分みんなが一番興味があることではないかと思う「ブレンド」についてお話していこうと思っています。
ブレンドスパイスの代表といえば「カレーパウダー」ですが
カレーパウダーについてはまた別の機会で次回以降じっくりお話したいと思います。
今日は、前回に引き続き、家にあるスパイスの応用範囲を広げ、その上でスパイスをブレンドしていけるようお話していきたい思います。
前回
「ナツメグ」についてお話させていただきました。
(前回コラム参照)スパイスを使いこなすための「応用力」を身に付ける。
ナツメグはどの家庭でもだいたいハンバーグに少量加えている方が多いと思いますが
使い道はハンバーグだけ・・・という方も少なくないと思います。
ナツメグの応用方法については前回でも少し触れさせていただきましたが
もっとナツメグを使いこなすテクニックとして「複数のスパイスとブレンド」して応用範囲を広げていくお話をしていきます。
ナツメグには矯臭・脱臭作用、賦香(香りつけ)作用があります。
「スパイスへの扉」のコラムを通して以前、全てのスパイスには「賦香(香り付け)」「着色」「矯臭・脱臭」「辛味・呈味付け」の4つの基本作用のどれか、または複重した効果を持っています。とお話しましたが
スパイスはそれぞれなんらかの香りを持っています。
(スパイスの中にはそのままでは芳香感がないが炒ったり傷つけたりして芳香を発揮させるスパイスもあります。)
甘い香り、爽やかさ、刺激的な香り、それぞれのスパイスの傾向を生かして素材、料理などに使用されます。
ただいくら香りのいいスパイスでも使用量が多すぎるとどうしても薬臭く感じられ敬遠されてしまいます。
スパイスは単品で加えた場合、使用量で香りの強弱の調整はできますが
入れすぎるとその香りを取り除くことはできません。
そのため使用量を間違えると、どうしうてもその香りが主張してきます。
ナツメグもそうです。
ナツメグの芳香は甘く、まろやかなほろ苦さがあります。
その芳香によって肉の臭みをカバーする「マスキング効果」が期待できるのですが
使用量を間違えるとナツメグ臭い料理になってしまいます。
前々回少し触れましたが
「素材の臭みをスパイスで取り、同時にスパイスでスパイスのクセ(臭み)を取る」ことができることをお話したと思います。
スパイスを複数加えるとそれぞれの芳香が複合され、全体のスパイス臭が薄れて敬遠されがちな薬臭さがも薄れていきます。この現象を「ブレンド効果」というのですが
これをナツメグで応用してみたいと思います。
スパイスのブレンドテクニックとして
「似たような香りをもつスパイス同士を組み合わせる」というのがあります。
とても専門的な話になってしまうのですが
スパイスの芳香のもとは「精油成分」です。
ナツメグには主に「オイゲノール」という精油成分が多く含まれています。
このオイゲノールの精油成分が含まれるスパイスを探すことになるのですが
さすがに「自分で調べてください。検索してください。」とは言えませんので
ここに記しておきます。
オイゲノールを含むスパイスはナツメグの他に
オールスパイス、シナモン、クローブなどがあります。
余談ですがオールスパイスはブレンドスパイスではなく単品のスパイスです。
単品でナツメグ、シナモン、クローブを合わせたような芳香がすることから
オールスパイスと名付けられたと言われています。
ナツメグ臭が強いな・・・と感じたときオールスパイスをひと振り加えるだけで不思議とナツメグ臭が和らぎます。
もちろんオールスパイスも入れ過ぎは禁物です。
オールスパイスを加えるだけでなく
クローブ、シナモンなどを少量ずつブレンドしてみるとさらにナツメグ臭を和らげることができます。
これで家のスパイスの仲間にクローブ、オールスパイス、シナモンが仲間入りしました。
前回ナツメグは肉類の矯臭・脱臭作用に適していて
その応用で肉系の臭みを持つ牛乳や生クリーム、バターにも使えるとお話しました。
スパイスのブレンドテクニックから
ナツメグと似た芳香を持つクローブ、オールスパイス、シナモンも同様に使えるということが理解できたと思います。
と言うことは
オールスパイスが使える料理、クローブ、シナモンが使える料理にナツメグが使えるということになりますね。
どんどん応用範囲が広がっていきます。
まずはブレンドテクニックのひとつとして
「似たような香りをもつスパイス同士を組み合わせる」ことを覚えてください。
でも香りのもとである精油成分にこだわりすぎないのも大切です。
精油成分を知らないとブレンドできない・・・ってわけではありません。
何度も言いますがスパイスの味覚、好みは人それぞれみんな違うので一概にこれが正解!とは言えません。
自分の感覚でこの芳香は似ているかな?から始めて、まずはブレンドしてみることから始めてみてください。
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