こんにちは、庭乃桃です。
早いもので、もう5月。このコラムも久々の更新となってしまいました。
最近は買い物に行くといろいろな貝類が種類豊富に売られていて、
貝好きの私としては最高に幸せな毎日です。
中でも春先から旬を迎えていたあさりは、手ごろな値段に加え、扱いがしやすく、
いろいろなお料理に使えますよね。
そんなあさりもそろそろ終わりの時期なので、今日は旬が終わるまでにぜひおすすめしたい!
「スペイン風のあさりの酒蒸し」というのをご紹介してみたいと思います。
ヨーロッパのお料理って、「なんだか工程がひどく複雑で難しそう・・・」というイメージを
持たれがちなのですが、実は結構シンプルだったり、すごく簡単なのにとびきりおいしい!
というお料理も多いんです。
この酒蒸しも、そんなレシピの一つ。
手軽に作れますが、味わいは本当に濃厚で、もうこれだけでパンもお酒も止まらなくなってしまうほど。
普通におかずとして食卓に並べてもいいくらい日本人好みの味ですので、
よろしければ日本の定番「あさりの酒蒸し」と作り方を比べてみたりしながら
ぜひチェックしてみてくださいね。
作り方は、とってもカンタン。
少し多めのオリーブオイルでにんにくと玉ねぎを炒め、そこに砂抜きしておいたあさりを
加えて蒸し焼きにします。
この時、上から白ワインを振っておくと、あさりの生臭みも抑えられますし、
ついでにとても良い香りがつきますね。
(ちなみに白ワインは、それだけで一気に「ヨーロッパ!」感が高まるお手軽アイテム
です。)
で、あさりの口が開いたらもうほぼできあがりなのですが、
ここでこのお料理の最大のポイントとなるのが、パン粉を加えてとろみをつけるということ。
あさりに火を入れ過ぎないために、貝は一旦取り出して、残ったスープの方にパン粉を
入れます。
するとあさりの旨みが一気にぎゅっ!と凝縮されて、ものすごくからみがよくなるんです。
最後は、あさりを戻し入れ、ブラックペパーをガリガリ挽いて。
そして彩りと香りづけに、刻んだパセリをバサッと振って混ぜ入れます。
・・・さて、作り方は以上なのですが、ここでためしに、
この作り方を日本の「あさりの酒蒸し」と比較してみましょう。
(日本の「あさりの酒蒸し」の作り方は、たとえばこちらをご参考にどうぞ↓
こちらは下にキャベツを敷いて、あさりのスープをさらに吸わせていただくレシピです。)
まずはとにかく、おいしいあさりのお出汁をじんわりと引き出しながら、
貝の口を開かせないといけません。
日本の場合はシンプルにお酒を振って静かに蒸し焼きしていきますが、
ヨーロッパの場合はだいたい、にんにくや玉ねぎなどの香味野菜をオイルで炒め、
そこに白ワインを振って蒸し焼きにしていきます。
これはなぜかというと、おそらくそのまま蒸し焼きにすると生臭みが残りやすいから。
ヨーロッパの場合、海産物は日本のものと比べると少し水っぽく、大味のものである
ことも少なくないので、そんな生臭みを抑えながら、より濃厚な風味に仕上げたいというのもあると思います。
その方が、パンやワインにもより合いやすいのかもしれませんね。
ですから日本の「あさりの酒蒸し」がシンプルな優しい味であるのに対して、
スペインの酒蒸しはかなりしっかりした複雑な味わい。
ふくよかな旨みのある日本酒から、華やかな香りの白ワインへとお酒が変わるだけでも
かなり味の印象は変わりますものね。
しかもそれに加えて香味野菜やオリーブオイルそのものの旨みも加わりますから、
食べごたえとごちそう感がよりプラスされています。
さて、みなさんは、日本とスペイン、どちらの「あさりの酒蒸し」がお好みですか?
あさり本来の味わいをいかした上品な日本の酒蒸しも絶品ですし、
スペインのパンチの効いた酒蒸しも一度食べたら止まらないおいしさです。
これはもう、どちらも甲乙つけがたくて、貝類やあさりがお好きな方にとっては
「今日はどっちにしよう?」という永遠の悩みどころではないでしょうか。(笑)
でもありがたいことに、今の時代、日本の私たちは、どちらも気軽な気持ちで
作ることができます。
そもそも各地の名物料理というのは、その土地で手に入りやすい食材を
自分たちの好みや生活環境に合わせて調理し、それがいつしか定着していったもの。
オリーブオイルも、にんにくも、パセリも、パン粉も、スペインの人にとっては
それがたまたま近くにあって、おいしく使えるからレシピに入れられるようになったのですよね。
そんな気持ちでお料理していたら、ちょっと敷居が高そうかな?と思える
ヨーロッパのお料理も、案外気ラクな気持ちで作れてしまうと思います。
みなさんもぜひ、それぞれのおいしさを楽しんでみてくださいね!
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